- Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061388857
作品紹介・あらすじ
「犯罪被害者救済委員会」が招く新たなゲーム……“探偵オークション”! この窮地を霧切響子と五月雨結は切り抜けられるのか!?
感想・レビュー・書評
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名作ゲーム「ダンガンロンパ」のキャラクターを使用したスピンオフ。中身は普通のミステリで、大仰な設定さえ「そういうもの」と受け入れられれば、ゲーム未プレイでも楽しめるだろう。
廃墟となったホテルに閉じ込められ、殺人の標的となった7人の男女——を守る探偵、というのが主人公の立ち位置。よって、視点人物である主人公自身には死の危機感はない。37564クローズド・サークルの「傍観者」である点は気になるが、探偵として矜持を持って殺人を防ごうとする主人公の奮闘はなかなかにほほえましく、好印象だった。
舞台立てがかなり人工的なので、要素が少なく(たとえば館内にはほとんど調度がない)、勘のいい人ならトリックに気づくことは難しくはないだろう。個人的に——殺人事件とは無関係だからギリギリ許せたが——オチが理解できなかった。
2015/12/28読了詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1巻と比べてけっこう分厚い2巻。
登場人物も多く、序盤に一気に出てくるので覚えるのがしんどいのが難ありだけど、まあ巻頭のイラストと見比べてちょいちょい確認すればまあ中盤くらいには頭に入る(^^;)。
1巻も良かったが、2巻にして原作ゲームと似た雰囲気になっていて、スピンオフ作品として当たりだと思う。
もちろん続巻への引きはあるものの、この巻だけで一応話は完結しているので、安心して読まれたし。
作中のトリックが納得できるかどうかというのはどの推理小説でも読み手との相性になってくるだろうけど、本作はベースの設定をうまく使った納得できるトリックだったと私は思う。
密室トリック×生き残りゲーム×霧切の活躍と、楽しめる3要素。
☆-1は冒頭の人物覚えづらい件。 -
導入から中盤くらいまでがクライマックスだったかな...探偵オークションとかの設定も面白かったけど、締め方が...うーん...まぁ好みの問題かも...ダンガンロンパらしいかもしれない...
唯ちゃんは今後どうなるのかな。めっちゃ闇堕ちしそう。続き買うか悩む。 -
1巻と比べてかなり読み応えがあって面白かった。
結も活躍してるし、霧切も1巻やゲームと比べて多彩な表情を見せてくれるのが嬉しい。
またゲームをプレイしている人にとってはニヤリとさせられる単語が随所にちりばめられているのも読んでいて楽しかった。 -
シリーズ第2弾。
『探偵権』を探偵オークションで落札するシチュエーションは面白い。
ただ、同じ手口の殺人が続くのは頂けない。
事件解決後の展開からダンガンロンパらしさを感じられた。 -
”ダンガンロンパ霧切 2”北山猛邦著 星海社FICTIONS(2013/11発売)
・・・謎の組織、「犯罪被害者救済委員会」の次なる“黒の挑戦”は「探偵オークション」! 廃墟と化したホテルを舞台に繰り広げられる死亡遊戯の行方は——!?(公式サイトより)
・・・あらすじにある「探偵オークション」は
・夕方、オークションで探偵権を争奪する。これが五日間、実施される。
・殺人鬼が一晩に一人殺す。但し、探偵権を持つ者は殺されない。また探偵権を持つ者の前では殺人は実行されない。
・探偵権が有効なのは一晩のみ。
・夜間は客室にいなければならない。客室はロックされる。
・探偵権を持つ者と殺人鬼はマスターキーを持つ。
・各人に一億円ずつ配られ、生き残れたら残った資金を貰うことができる。
・・・オークションでの駆け引き、密室での殺人、姿を現した「犯罪被害者救済委員会」と読み応えのある一冊でした。
・・・今巻、登場の”ダブルゼロクラス”の探偵、”激情にして最速(アレグロ・アジタート)”の異名を持つ男、七村彗星。
”7445万。ここから見える夜景の値段だ。この方角に存在する建造物の電気代を合計した。物事の本質とはかくも美しい。”
”探偵は自己実現の手段ではない。しかし主義をもたない探偵は信用できない。”
”探偵として私が相手にしているのは人間ではない。mysyeryだ。私は目の前の謎を解く。そのために存在している。”
登場から名台詞連発!で期待していたのに!
近年、稀にみる”出オチ”キャラだったわいな(笑) -
清涼院流水+矢野龍王+古野まほろ なサバイバルミステリ。一晩の安全が保証される探偵権の獲得を賭けた"探偵オークション”が話の大きな軸となり、閉鎖空間での殺人劇にコンゲームの面白さが加わってより一層に盛り上げます。それぞれの要素が互いのトリックに機能し合い、ふたつではなくひとつの事件を作り上げているのも素晴らしい。犯罪被害者救済委員会による『黒の挑戦』という設定を敷くことで、効率と合理性を考えると本来ならあり得ない"ミステリらしい大仰な仕掛け”に必然性を与えている点も要評価でしょう。不器用なまでに正義を貫く結お姉さまと愚かとわかっていながら彼女の純粋さを信じ抜く霧切ちゃんのコンビも板についてきました。