2999年のゲーム・キッズ(下) (星海社文庫)

著者 :
  • 星海社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061389472

作品紹介・あらすじ

2999年、人間は機械と化し、あらゆる部位が交換可能な身体で暮らしていた。人生の選択はすべて「塔」にある中央コンピューターが管理し、街で暮らす誰もが過不足なく、完璧な幸福を実現できるようになっている。幸せの永久機関が存在するこの街は、人類の理想そのもののはずだった……。はるか未来で繰り広げられる、人であって人でないものたちの、闇と光の物語。渡辺浩弐の伝説的傑作、ここに復刻。

感想・レビュー・書評

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  • 星海社文庫版ゲーム・キッズ、6冊目。上巻から続くショートショート群の果てには、まさかの感動が待っていた!

    全体の構成としてはショートショート集という、ラストで「はーっ、なるほど!」「ウヒャーw」となる読後感がたまらない、本来のゲーム・キッズに戻っている。しかし2999年ならではの、記憶を消す“メモリー・リセット”や“顔の交換が可能”などの設定をうまく生かしている話が多いのも特徴的で面白い。ほっこりホワイトな話や、恋愛や夫婦に絡む人生論的なものなども目立ち、これまでよりもさらに深みと多様性を増していると思う。

    詩のようになっている「科学者の一生」がすごい。進化していくテクノロジーと人間の未来を洞察し、エンターテイメントを超えて、スピリチュアルの領域に踏み込んでいる。

    そして、この2999年の物語を見事に収束させた、最後のお話が素晴らしい。これは予想していなかった感動だった……!ファンタジー感あふれる巻末の絵物語も良き。読み応えある一冊。

  • 2999年、人間は機械と化し、あらゆる部位が交換可能な身体で暮らしていた。

    人生の選択はすべて「塔」にある中央コンピューターが管理し、街で暮らす誰もが過不足なく、完璧な幸福を実現できるようになっている。

    幸せの永久機関が存在するこの街は、人類の理想そのもののはずだった……。はるか未来で繰り広げられる、人であって人でないものたちの、闇と光の物語。渡辺浩弐の伝説的傑作、ここに復刻。
    『2013年のゲーム・キッズ』毎週火曜日更新中!
    http://sai-zen-sen.jp/

  • 面白かった!SFショートショート好きはぜひ!

  • 小中学生の頃、兄がファミ通をいつも買っていた。そこに連載してたのが、作者の『〇〇年のゲームキッズ』のシリーズでした。
    紙面にして確か1~3ページくらいの、不思議なお話が載っていた、という記憶があります。そのお話は、星新一のショートショートみたいな。でもSFばかりではない、「世にも奇妙な物語」のようではある。ファミ通の記事はすっとばしても、この連載だけは必ず読んでいました。印象深い話を、15年以上たった今でもいくつか思い出せるほどです。
    だから書店で見つけたときは、胸躍りました。
    しかしこの本は、あの連続性がなくて何でもありだった連載の短編とは違って、ある一つの未来都市に舞台を限った、その環境で起こる出来事を綴ったという趣旨の短編集だったようです。
    読んでいて同じような話が多いなーと思ったのはそういうわけだった。しかも気づかず下巻から読んでいた。
    完全なる自分の早とちりによって、良書も味気なくなってしまいました…。
    だから私の言いたいことは一つ。
    これは下巻ですからね!!!

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著者プロフィール

小説家・ライター。1962年、福岡県生まれ。1980年代から、映像・ゲーム業界でライターとしてのキャリアを出発させる。『週刊ファミ通』での連載を経て1994年に刊行された『1999年のゲーム・キッズ』で、本格的に小説家としても活動を開始。以後も、デジタルテクノロジーを題材に未来の姿をシミュレートするSF小説集として〈ゲーム・キッズ〉シリーズを手がけ続けている。本書での取材をもとにした〈ゲーム・キッズ〉シリーズ最新作も2023年内に刊行予定。著書に『2020年のゲーム・キッズ →その先の未来』、『世にも醜いクラスメートの話 渡辺浩弐ホラーストーリーズ』(ともに星海社FICTIONS)など。

「2023年 『7つの明るい未来技術 2030年のゲーム・チェンジャー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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