- 本 ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061389502
作品紹介・あらすじ
「あなただけが、私に、この旅に出る理由を聞きませんでした。ありがとう。きっと手紙を書きます」二〇〇九年、ヨーロッパ八カ国を巡る一人旅。「何も持たないただの私」となった坂本真綾が、“これまで”を振り返り、“これから”を見つめた37日間の「全記憶」がこの一冊に。好評を博した初の長編エッセイ、待望の文庫化。新たに文庫版あとがきを書き下ろしで収録。
感想・レビュー・書評
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坂本真綾さんの海外旅行エッセイです
バックパッカーノリで芸術深い国を回ります
石田ゆり子みたいな語りで書かれています
一時期、声優が海外留学しだすブームがあり(金元寿子さんとか、男性声優も)、気になって読みました
箱入り娘が漫遊してる感がありました
8歳から芸能活動してる分、一度でも匿名で旅してみたくなったのかなと思いました
自己紹介では隠すことなくアーティストですと答えています
駅で肌の色をからかわれていたシーンが印象に残っています
あの坂本真綾が、バックパッカー然としているだけで人種差別を受けていたのは衝撃でした
他にもスリに警戒したり、寝台列車で中年男性と同室で夜を明かしたり、およそ坂本真綾が受ける待遇ではないと思いました
それでもレジリエンス強く、思っていたよりタフな女性でした
外国人との出会いより、同じ日本人と出会った感動のが強く印象に残っています
同調しているワケではなく、旅している同じ日本人でも、ここまで動機が違うのかと、旅で出会う日本人が一番他人だったのがおもしろかったです
宿の外国人とハグするよりも、日本人男性から外国語の拙さを詰められている坂本真綾のが、知らない自分だったのではないでしょうか
そして正体を明かすと坂本真綾として扱いだすのを見て、アイデンティティがどこにあるのかハッキリしたなと思いました
終盤、自身のアルバムを聞いて、自分の歌が恋しくなるページで、キレイな自己完結でステキだなと思いました
自分自身が坂本真綾を必要としている姿は、他者に依存することなく健康的でした
旅をもとに作られたeverywhereを聞きましたが、そこまで感動はしませんでした詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
単行本版も読んでいるのですが、FCイベントの時期に合わせて(笑)、
文庫版で再読。
改めて読み返すと面白い。というか今だから面白い。
というのも、この春に出た「シンガーソングライター」という
真綾さん全作詞作曲によるアルバムは、おそらくこの旅が
なければ出なかったのではというくらいこの旅との繋がりを
感じたからです。
衝動→旅立ち(行動)を感じさせる「遠く」、
日常でのモヤモヤ、でも大切な日常を感じる「サンシャイン」、
まさにこの旅の中で生まれた「everywhere」、
異邦人にとっての非日常=現地での日常「ニコラ」、
何より世界(人間同士)は繋がっていると感じる「シンガーソングライダー」。
これらの名曲たちが生まれる種だったんだなぁと思うと
嬉しくなりますね。
本文でも出てくる「Remedy」は、以前ライヴで真綾さんが
「自分リクエスト」として歌われていましたが、旅以前に発表の
この曲は、旅の中で大きい曲になったようです。
引用で使ってみた一文は、おそらく始めからだったんだろうなというのが
最初のホテル以外を予約していなかった、などに現われている
気がしました。
おそらく、これは真綾さんも感じられていたのではと思いますが、
旅は行き先での出来事も楽しいけれど、旅立つときのワクワクと
不安の入り混じったあの感じ、あれが味わいたくてしている気もします。
一応(笑)偶然ですが、単行本版を読んだときも今回も
0泊3日ですが旅を控えています私。(あ、単行本時は後だったか)
前回旅をしたときに、自分の地元っていいなぁを初めて感じたのも
驚きでした。
旅は人のいろいろなものを「解放+介抱」してくれるなぁと思います。
おまけで、この本で出で来る「あなた」って、
ご結婚された今だとご主人かもという想像も出来ますね(笑)。
あと最後に。
レビュー書いた後で引用入れたら、本文投稿してないのに消えて
焦りました。 -
旅は日常になり、日常もまた旅になる。
真綾さんが1ヶ月かけてヨーロッパを巡った日々の記録。人との出会いや現地で見たもの触れたものからたくさんの新鮮な気づきを得て、その都度自分自身と向き合う様が綴られている。
旅が自分を変えてくれる、と期待してしまう気持ちがきっと僕の中にあって。それは旅に出る前の真綾さんも同じだったのかなと思う。
でも旅をしただけで変わったと思うのは、自分の表面の部分だけなんだ。それは薄っぺらくて、日常に戻って数日経てば元の自分に戻ってしまう。本当の意味で自分を変えられるのは自分自身だけ。旅で得た感動を、自分の中に落とし込んで、たくさんたくさん考えて、自分と重ねて、生活と重ねて、人生と重ねて。想いをいろんな方向に巡らせて、辿り着く場所、その場所を大切に持ち帰ることができたら、きっと何かが変わっている。きっと良い方向に。
そんな旅でしか味わえない面白さ、わくわくを、真綾さんが教えてくれた。
いつかローマに行ったらClub KOTOBUKIに泊まりたいと思った。タケコさんはもう宿に立ってはいないらしいけど。
僕も、いつかそんな長く自分と向き合える、いや、向き合わざるを得ない旅に出てみたいと思った。
2023/04/03 読了 -
坂本真綾さんの親しみやすい文章と言葉で旅や海外の街の雰囲気も想像できて楽しく読み終えた。
時々はっとさせられるような文章に胸がキュッとなって泣きそうになる。読み終えた後、真綾さんの言葉から勇気をもらい、お風呂上がりのように気持ちよかった。
また読み返したい。 -
読んでいるときは、なんてことないなと思うのに
最後の数ページで涙がこぼれる。
そんな悔しい一冊でした。 -
ちょうど海外に旅行しながら読了した。強くてかっこいい真綾さんのイメージが勝手にあったけど、本からは可愛らしくお茶目な印象を受けた。感受性が豊かで素敵な人だ。内容もその時々のみずみずしい感情に溢れ、こんな風に日記をかけたら楽しいだろうなーって羨ましく思う。他にもエッセイ本があるみたいだから読んでみよう。。。
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261223
爽やかでさらっとしているんだけど、人間味のある感じの一冊。小さい頃から忙しくお仕事を続ける真綾さんだからこそいろいろ思うところのある旅だったのだろうなぁと思います。それぞれの街の魅力や特徴がとても素直に書かれているところも素敵でした。 -
29の時の真綾さんの一人旅。
素直な気持ちを真っ直ぐな言葉で書きとめて、細胞が生まれ変わる過程とともに旅をしていた。そこで出会って人たちや、そこでしか見れない景色と思い。
私もまた、家路から遠ざけて数ヶ月。
自分の目標のために死ぬ気でがんばってきた約百日をかけて、じっくり読みました。真綾さんと一緒に旅をして、自分の今までをふりかえって、これからのことも考えてみた。
不思議な読書体験でした。
最後の国の話は、実家で読みました。
わたしは真綾さんと共に着地しました。
帰る場所はずっとそこにあった。でもここまでなにが変わったのが、もしくは何も変わらなかったのが、その答えは毎日変わるのかもしれない。
でも29になるまえに、同じ路線を沿って旅をしたいと思う。
これからライブに行くとき、絶対この本を持っていきます。
20140203 追伸
荒川FMの真綾さんゲスト回、旅の話をしてましたー。
オジサンのくだりは面白かったw -
「ひとりになりたくて旅に出たのに、私は人を求めて歩いてたんだと、今日わかった。」
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「あなただけが、私に、この旅に出る理由を聞きませんでした。ありがとう。きっと手紙を書きます」
二〇〇九年、ヨーロッパ八カ国を巡る一人旅。「何も持たないただの私」となった坂本真綾が、“これま”でを振り返り、“これから”を見つめた37日間の「全記憶」がこの一冊に。
好評を博した初の長編エッセイ、待望の文庫化。新たに文庫版あとがきを書き下ろしで収録。
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