- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061389526
作品紹介・あらすじ
恋愛とは人を狂わせる病気だ。
この世で最もたちの悪い呪いだ。
虚言癖をもち、自分勝手で、我が儘で……。破滅的な可愛さのピンク髪の元彼女・遙香(はるか)と別れた僕。
あと僅かの時間で哀しみも想い出に変わる――そんな僕のもとに訪れた三ヶ月ぶりの遙香からの電話は、僕たちふたりにとって、傷付けあうだけだった恋がまだ続いていたということを、唐突に告げた。
デビュー作『エレGY』と対をなす“自伝的恋愛小説”のもうひとつの傑作を、横槍メンゴの描く甘く切ないイラストと共に、装いも新たに星海社文庫化。
感想・レビュー・書評
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みなさんへ
P226に一枚の絵があります。
この絵をまず観ておいて下さい。
そしてすっかり忘れて、冒頭から読み進めて下さい。
そうして、このページにたどり着いて下さい。
心臓止まるかと思った。
このP226にたどり着いたとき、夜中に大声で「こわ!!!!!!!!!!!!」と叫びました。
よく、見たら死ぬ絵とかあるじゃないですか。
これです。
この絵、いわゆる見たら死ぬ絵です。
少しずつ読み進めようと思っていたのですが、この絵のあたりから最後まで、眠ることも忘れて一気読みでした。
そしてP343からP344にかけての、怒濤の口説き文句がすべてチープに見えるという、色あせてみえるという、そのすごさ!
どこかの小説では、これが結ばれる台詞だったりするかもしれない。すべてが、すっかすかになっている。
「よくある、カップルが結ばれるための台詞ラッシュ」が行われ、すべて陳腐に見せる演出が、本当に素晴らしい。
その前の遥香の、感情をあらわにした場面も、嗚咽が聞こえてくるようでした。
この小説を読んでふと思い出した話がある。
フリーゲームであったとおもう。
猫が主人公だったのかな。
彼女が途中で売春婦みたいになっていて。
猫の神さまみたいなのも現れて、それでも生きていくみたいな。宇宙まで行くみたいな。
とにかく感動したのだ。
選択肢はないし、絵はペイントで描かれたような感じなのだが、すさまじく感動した。
また、スペースクイーンよりマニュピュレーター2という超名曲がある。あの荘厳な感じは何十年聴いてもクルものがある。
私からは以上であります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前作の「エレGY」同様、作者の“自伝的恋愛小説”です。
どこまで体験談なのかは分からないけど、過去の恋愛から抜け出せず前へ後ろへもがく様子が痛々しく伝わってくる。
この手の作品はアレだね。
どれだけ似たような経験をしたか、どれだけ主人公に感情移入できるかで評価が全く変わってくるね。
恋愛をあまりしない、興味無い人には面白くないだろうし。
逆に、別れた恋人のことを思い出して切なくなる経験がある人は、程度の差こそあれ共感できる部分も少なくないんじゃないかな。
「エレGY」同様、私は大好きです。
ブログでもう少し詳しく感想を書いています。
http://blog.livedoor.jp/akinator/archives/32705783.html -
恋愛とは人を狂わせる病気だ。
この世で最もたちの悪い呪いだ。
虚言癖をもち、自分勝手で、我が儘で……。破滅的な可愛さのピンク髪の元彼女・遙香(はるか)と別れた僕。
あと僅かの時間で哀しみも想い出に変わる——そんな僕のもとに訪れた三ヶ月ぶりの遙香からの電話は、僕たちふたりにとって、傷付けあうだけだった恋がまだ続いていたということを、唐突に告げた。デビュー作『エレGY』と対をなす“自伝的恋愛小説”のもうひとつの傑作を、横槍メンゴの描く甘く切ないイラストと共に、装いも新たに星海社文庫化。