セカイ系とは何か (星海社文庫)

著者 :
  • 星海社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061389687

作品紹介・あらすじ

多様な作品群、激しい毀誉褒貶、あまりにも曖昧なその定義──。混乱の中で実作者たちをも巻き込み、ゼロ年代最大の文芸運動となっていった「セカイ系」とは何だったのか?
「セカイ系」が生んだ言説空間を辿る事で、“エヴァ以降”のオタク文化史を読み解き、論壇に鮮烈な印象を残した著者の処女作が、西島大介のイラストで装いも新たに文庫化。
全編に改稿を施し、補論を含む「文庫版あとがき」を収めた決定版。

そして、何より、本書は、より若い世代に向けて書かれている。ありとあらゆるコンテンツが、一瞬で消費され、更新され、忘却されていく現在にあって、セカイ系もまた、一時の流行として忘れ去られようとしている。けれども、やはり現在は歴史の積み重ねから生まれてくる。(序章より)

感想・レビュー・書評

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  • 少年少女の恋愛が世界の運命に直結
    少女のみ戦い、少年は戦場から疎外
    社会の描写が欠落・排除されている

    生みの親 一人語りの激しい作品
    たかだか語り手自身の了見を世界という誇大な言葉で表したがる

    ライトノベル=ポスト・エヴァ?

    新海誠『ほしのこえ』
    高橋しん『最終兵器彼女』
    秋山瑞人『イリヤの空、UFOの夏』

    文体の不透明感=ポストモダンにあるハイブリッドな文体
    実写が想起される自然主義リアリズム、まんが・アニメが想起されるまんが・ゲーム的リアリズム

    東浩紀 確率の手触り

    自己言及性の自己肯定化

    少年の自意識

  • 執筆用資料として購入。
    セカイ系の辿ってきた歴史や、その世界観を受け継いだ作品、そして現在に至るまでにそのジャンルを担った媒体についてなど、多面にわたって解説が入っている。 結局、ある程度の共通項はあれど、セカイ系についての確たる定義はないので、この本を読んでどうとらえるか、それによって各人のセカイ系がまた生まれるのではないかと思った。

  • 評論

  • 借りたもの。
    ゼロ年代(2000~2010年)までサブカルチャーにおいて議論された、「セカイ系」を体系的にまとめようと試みた本。
    それは『新世紀エヴァンゲリオン』が与えたもの――マニア→おたく→オタクへの変容とその価値観の違いを浮き彫りにする。
    また、「セカイ系」という言葉の定義自体、本来の意図からかけ離れ、短期間に変容していった、その流れがわかる。
    個人の価値観と世界が同義に結びつくのは「セカイ系」に始まったものではないこと(日本近代文学は、大抵、著者≒主人公の主観と独白)、「セカイ系」の批判は裏を返せば的外れだったり(その「セカイ系」の設定そのものが批判精神であるため)と、ゆらぎのあるものだった。
    現在進行形の言葉ゆえか、そのテーゼはアンチテーゼを産み、ジンテーゼへと至る様でいて再びテーゼに戻る(回帰)という、ループのような、ゆらぎの中を漂流している。

  • 90~00年代のオタクカルチャーの研究書として、かなり細かい資料に基づいた評論がされています。 あの時代はどうだったのか、そういったミッシングリンクに答えてくれるかなりの良書です。10年後、20年後でも貴重な資料として使えそう。著者の方の真摯な姿勢と才能を感じるので、ライトノベル関係でまたこういった歴史をなぞりながら論じる本を出してほしいです。

  • エヴァと周縁のカルチャーについて論じた本だと思います。「エヴァとは何か」というタイトルでも問題ないかと。
    アニメやラノベ好きは勿論、社会学に興味ある人でも楽しめる気がします。

  • 漠然と自分はセカイ系の話が好きだ!!
    と思っていたのだけれど、結局それはwikipediaに書かれていた程度の理解しかしてなかったんだなあ、と、この本を読んで思った。セカイ系という語の変遷、作品、評論などが時系列に並べ、「セカイ系」という言葉の持つ曖昧さを浮き彫りにしていく。いやあ、参りました。

  • 最近読んだ柴那典著『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』、さやわか著『一〇年代文化論』、磯辺涼&九龍ジョー著『遊びつかれた朝に──10年代インディ・ミュージックをめぐる対話』とこの『セカイ系とはなにか』を読むと音楽、文学、舞台などのカルチャーのゼロ年代からの景色が見えて面白い。同年代から少し上の世代の方が書いているのはゼロ年代から物書きを始めた人や今に至る過程で関わったジャンルがいかに変容したのか過ぎ去ったから包括できる時期にきているというのがわかる。

    こうやって十代や二十代前半の若い世代が今自分たちが受容している文化やジャンルの前史の熱や流れが理解できる本が同時多発的に出ているのは、きっとそういう時期だからだし著者が次に向かうための大きなアウトプットの時期と重なるのだろう。

  • 本屋さんで見て表紙買い。セカイ系について知りたい気持ちもありました。
    ウィキペディア等に載っているセカイ系の定義は一面的であり、全体をあらわしてはいないとのこと。セカイ系という言葉のあらわすものが、時とともにどう変化したか、その変遷がよく分かります。身近な誰かを救うことが世界の救済につながる…本書を読んでそれがセカイ系だと理解しました。セカイ系の作品群は標(しるべ)なき現代の標となり、本当に世界を救うのかもしれません。

  • 多様な作品群、激しい毀誉褒貶、あまりにも曖昧なその定義──。混乱の中で実作者たちをも巻き込み、ゼロ年代最大の文芸運動となっていった「セカイ系」とは何だったのか?
    「セカイ系」が生んだ言説空間を辿る事で、“エヴァ以降”のオタク文化史を読み解き、論壇に鮮烈な印象を残した著者の処女作が、西島大介のイラストで装いも新たに文庫化。
    全編に改稿を施し、補論を含む「文庫版あとがき」を収めた決定版。

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著者プロフィール

ライター、評論家。1982年生まれ。国際基督教大学教養学部卒。2000年、NHK『真剣10代しゃべり場』第一期レギュラーメンバー。東浩紀発行のメール・マガジン『波状言論』の編集スタッフを経て、2005年、ユリイカ増刊号『オタクVSサブカル!』(青土社)掲載評論「僕をオタクにしてくれなかった岡田斗司夫へ」にて文筆活動を開始。現在、『朝日新聞』夕刊のコラム「茶話」にてラノベを担当中。

「2014年 『セカイ系とは何か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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