- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061389786
作品紹介・あらすじ
有名なお嬢様学校――閖村学園高校には“サロン”と呼ばれる友愛組織が存在する。そこに集う生徒たちは姉妹のように睦み合う。 御厨杜理子、佐用島紗智、時岡有希奈ら上級生をメンバーとし、「森」の図書館の一室でひっそりと活動している高踏的サロン「百合種(ユリシーズ)」への参加を切望する一年生・田北多恵は、サロン入会の条件である“秘密の試験”を受けることになるのだが――!?
石川博品が贈る“青春百合奇譚”
感想・レビュー・書評
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もとは同人誌発表作品だからか
これまでの作者作品と比較して気楽に書けている感じが
最高に成功している作品
登場人物それぞれに相応しい日常のよもやますべてが
青春の1ページとして上手く機能している
過去作品をみるにできばえに斑のある作者ではあるが
こういう作品を出されるとついていかざるを得ない
星海社文庫の高級造本に(おそらく唯一)相応しい一冊詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
久しぶりに出会った女子校に通う知り合い。彼女が話す「物語」は、彼女の学校のある集団についてだった。百合、とタイトルにありますが、私はその部分より、細かい描写とか表現、そして何かを好きと思う気持ちがとてもぐっときました。このひとの文章好きだなあ。下ネタもありますが(というか半分くらい(笑))、女子校なのでいやらしい感じはしない。いい紙をつかってるとのことで、挿絵がカラー。
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名門女子校を舞台にしたいわゆる「百合」物だが、客観的には馬鹿々々しい(と同時に実は陰惨な)ことを正面から衒いなく描き切っていて、その無邪気さを気にせずに物語に入り込めるかどうかが分かれ道。この種の作品にありがちな耽美や上品さを求めると裏切られる。方向性としては「品のない『ゆるゆり』」といった感じ。難点は男子を狂言回し役にした伝聞形式の構成で、その必要性・必然性は理解できなかった。
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『ヴァンパイア・サマータイム』が良かったので読んでみたが、期待はずれ。同人誌に発表されたものに手を加えたとのこと。百合が好きなら別だが、特にそうでもないので、ふーんという感じ。
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剃毛したあと、「よし、どこに出しても恥ずかしくないものに仕上がった」には笑った。百合小説ははじめて読むし、結構楽しかった。最初は、剃毛ばかりで、どん引きしたけれど……三十三人剃毛するところから、もうどうでもよくなった。
高学歴お嬢様高校ではなく、別にかしこくもない、おっとりした、部活も卒業式も盛り上がらない女子校としているところがよかった。妙なリアリティがある。
男が伝聞でその話を聞くスタイルの小説であることも面白いし、有希奈の兄が登場して、女子校のノリが一気に崩れ去ってしまう場面なんかは非常によかった。
けれど、読書会用の本の選考からは漏れてしまった。うーむ、確かに、剃毛はぶっ飛んでるけれども、「は~やられた」と思えるほどのぶっ飛びではなかった。 -
剃毛に笑い…剃毛に泣いた……。
ともだちは…姉妹は…百合は…すばらしいなあ…。 -
毛の話で1冊終わったことにびっくり。そして毛の話でウルっときた自分にびっくり。「資生堂に謝れ」とか「伽藍堂」とか、むっちゃ笑った。同著者作品でも思ったけど、下ネタにある種のエスプリのようなものを含ませるのがホントうまい。年末にいいものを読ませていただきました。