プラトニックチェーン(上) (星海社文庫)

著者 :
  • 星海社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061389854

作品紹介・あらすじ

"ネットワークではなく、人の心をサーチするんです。"

探偵で、天才ハッカーで、女子高生たちの噂話で、世界の全てを検索できるネットの女神サマ――プラトニックチェーン。

誰かと接続がらずにはいられない人々が、今日もプラトニックチェーンに奇妙な願いをかける。

5ページだからすぐ読める。色褪せることのない名作SFショートショートが書き下ろしを加えて完全復刊。これぞ決定版!

感想・レビュー・書評

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  • 2001~2003年にファミ通で連載されていたSFショートショート。渋谷と女子高生を取り巻くネットの世界。

    世界中に張り巡らされたカメラ網の情報を、自由自在に操って提供するハッカー探偵「プラトニックチェーン」。
    この設定がまず面白い。これを生かしたキレの鋭いショートショート群に魅せられる。渋谷と女子高生をベースにおいた世界観は独特のノリを生み出していて、「プラトニックチェーン」の設定にうまくマッチしている。

    読み終えて、昔の二つ折りのケイタイを引っ張り出したくなった。まだ押入れのどこかにあったかな……。

  • ショートショート作品集。めちゃくちゃおもしろい。

    巷にある「五分で読める○○シリーズ」を100倍くらい面白くしたのが本作。

    どんな情報でも瞬時に手にいれてしまう凄腕ハッカーがいるという世界観で、それぞれの作品の展開は基本的にダーク。皮肉がきいていて、オチがいい。近代的な内で、いま読んでも古さを感じないのに、2000以前に書かれた作品というのだから驚き。

  • 近未来SFのショートショート。時代が追い抜き追い越して、近未来の物語ではなく、何でも調べられる人工知能探偵を絡めたif現代のショートショートとなっている。あとがきにもあるように、本書のショートショートが初掲載となった時はまだiモードが始まったばかりで、女子高生が携帯電話を使いこなしている姿は全く一般的ではなかったんだそう。だが現代のように、電車の中でスマホをいじっている姿は珍しくもなんともなくなり、インターネットはどこの家にも繋がり、スマートフォンがあれば世界中のどこからでもネットの海にあるどんな情報でも検索できる時代からすれば、個人情報を根こそぎぶっこぬぎ所有している謎の探偵プラトニック・チェーンという点のみSF的なところで、女子高生がスマホを介して見知らぬ人と出会ったり情報を調べたりする点は物珍しくない。当時の金字塔的ショートショート、なのだと思う。

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著者プロフィール

小説家・ライター。1962年、福岡県生まれ。1980年代から、映像・ゲーム業界でライターとしてのキャリアを出発させる。『週刊ファミ通』での連載を経て1994年に刊行された『1999年のゲーム・キッズ』で、本格的に小説家としても活動を開始。以後も、デジタルテクノロジーを題材に未来の姿をシミュレートするSF小説集として〈ゲーム・キッズ〉シリーズを手がけ続けている。本書での取材をもとにした〈ゲーム・キッズ〉シリーズ最新作も2023年内に刊行予定。著書に『2020年のゲーム・キッズ →その先の未来』、『世にも醜いクラスメートの話 渡辺浩弐ホラーストーリーズ』(ともに星海社FICTIONS)など。

「2023年 『7つの明るい未来技術 2030年のゲーム・チェンジャー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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