牢獄のセプテット 01 (星海社FICTIONS)

著者 :
  • 星海社
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061399334

作品紹介・あらすじ

時に、一九〇九年――。
 帝都・東京にて探偵業を営む碓氷玲人郎は、唐突に陸軍省から呼び出しを受ける。
 市谷に出頭した玲人郎に、元老・山縣有朋が告げたのは、この世界には限られた貴種が有する“旋律”なる超常の力があり、今のこの世、つまり列強がしのぎを削る帝国主義時代は“旋律”の力で駆動しているという驚くべき事実だった――!
 “旋律”を聴き取る特殊体質を持つ玲人郎に命じられたのは、フランス共和国内に割拠する閉鎖都市・バスティーユに潜入し、八種類もの“旋律”を有するかの国に関する情報を収集すること。
 拒否権はない。ただし、バスティーユ国内にいるであろう、玲人郎の父を殺した女・外崎燈子はいかようにしてもよい……。
 探偵は日本刀を帯び、同盟国・イギリスの暢気なエージェント・元村アリサとともに、海路バスティーユを目指す――。
 いま、フランス革命が起きなかった世界に、近代の嵐が吹き荒れる。
 伊吹契×吟が奏でる絢爛の哀歌劇、ここに開幕!

感想・レビュー・書評

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  • 舞台は20世紀初頭の日本及びフランス。バスティーユ牢獄襲撃が失敗しフランス革命が成立せず、フランス共和国内に閉鎖都市バスティーユという独立国が存在するif世界。探偵業を営む主人公・碓氷玲人郎は、親の敵である女性・外崎燈子を追い、イギリスからきたエージェント・元村アリサと共に閉鎖都市バスティーユに足を踏み入れる。

    当時の世相を反映しようとしてか、文章がやや堅い。「漸く」の連発が気になる。前作の滑らかな文章が好きだったため、硬質なテキストになっており残念。

    前作のヒロインであるアリサが主人公のバディ兼マスコットとして登場するのだが、本作のヒロインとしては据わりが悪い。命懸けで任務に挑む主人公と対比するとどうにも脇が甘く、足手纏いに感じてイライラさせられる。前作ではアリスであるという切なさと心の奥底にある優しさがにじみ出ていたため不快な想いはしたことがなかった。舞台設定とキャラクターがうまくマッチングしていない。

    疑似旋律の仕組みも、都市内の奴隷も悲惨なのだが、その悲惨さが真っ当に伝わらない。おそらく主人公が弱者でも弱者に寄り添って生きる者でもなく、復讐を目的に強く生きようとする者だからだと思う。

    無名の新人作家ならこんなもんかで読み流したかもしれないが、前作の素晴らしさを知っているだけに期待がかかり、相対的に評価は低くなる。デビュー作が衝撃的に面白かったのでハードルが跳ね上がっていたことに違いはないが、それにしても……。作者が書きたかったのであろう物語なんだろうけど、うまくマッチングできてないという印象を感じた。

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著者プロフィール

作家。1983年東京生まれ。法政大学経済学部卒業後、システムエンジニアとして会社勤務。『アリス・エクス・マキナ』で星海社FICTIONS新人賞を受賞し、デビュー。
Twitter @KeiIbuki

「2017年 『スノウラビット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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