豊かさとは何か: 現代社会の視点 (講談社現代新書 581)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061455818

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  • 1980年に刊行された本です。当時、日本人は「ウサギ小屋」に住んでいるといわれ、国民生活を著しく犠牲にしてまで自動車の生産コストを引き下げていると批判されていました。また日本国内にも、そうした西洋の論調を無反省に模倣する知識人が多くいました。

    これに対して著者は、そうした日本のマゾヒズムが西洋諸国の無理解を助長していると批判します。そして、日本は西洋に劣らない「豊かさ」を実現し、しかも西洋諸国が苦しんでいる「先進国病」と呼ばれる現象、すなわち国民の生活が豊かになるにつれて社会から勤勉さが失われるなどの現象が、日本ではいまだ見られず、人びとが真面目に働く社会を実現していると主張しています。

    さらに著者は、「豊かさ」についての考察が経済学には欠けていたと指摘します。経済学は「貧しさ」を研究し、その解決策をさぐることを目的にしてきました。その一方で、かつてないほどの「豊かさ」を手にした社会から規律がうしなわれるという病理が蔓延している現在、「豊かさ」について考察する必要があるのではないかと著者は主張します。従来、そうした議論は主に文明批評というかたちでおこなわれてきましたが、「豊かさ」について古びたことばで抽象的に語るのではなく、具体的に観察することが重要なのではないかと著者は述べます。本書はこうした観点から、日本が諸外国と比べて成功を収めている理由をさぐる試みになっています。

  • (1984.01.20読了)(1984.01.16購入)
    内容紹介
    片田舎まで続く舗装道路、都会では手の届かないような立派な住宅――東京にくらべ、はるかに豊かになった地方。“日本は遅れている”というマゾヒズムはもうやめにしたい。先進諸国では「失業と飢えの恐怖」がなくなるや、人々は働かず文句ばかりいうようになった。こうした産業社会の病理=先進国病を、日本は免れうるか。「豊かさ」を支える日本人の活力を自助努力の精神と真面目さにさぐり、内外の情勢の中に日本の進路を位置づけた。日本人の常識をくつがえす異色の経済社会論。

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