文章構成法 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 120
感想 : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (193ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061455870

作品紹介・あらすじ

文章を書くことは考えることであり、読み手に理解させ、納得させることである。では――●“模範文にならって書きましょう”ではなぜ書けないか●感動したことをそのまま書けば、よい作文ができるか●何を書けばよいかわからない時、どうするか●主題の見つけ方に技術はあるか●ヘタな文章に型はあるか●トピックはどう生かすか――本書は、内容作りから、目的にあった表現の仕方まで、システマティックに文章を作りあげていくノウハウを豊富な実例と体験をもとに公開した。

どんな順序で並べるか――「ゆうべ、熊さんの家に強盗が入ってね」「へえ、それは大変だ。で、どうなった?」「日本刀でぐさりと腹を刺された」「気の毒になあ」「しかし、強盗はすぐあげられた」「そうかい」「熊さんとこは天ぷら屋だからね」こういう順序ならば、相手をうまく話に乗せることができる。しかし、「熊さんとこは、天ぷら屋だろ」「そうだよ」「ゆうべ、熊さんの家に強盗が入ってね」「天ぷら屋だから、すぐあげられたのだろ」順序をまちがえると、意図通りにはいかないことになる。読み手は、時間的な順序に従って次々に与えられる内容に反応する。その反応のしかたに、人間としての一般的な傾向があれば、その傾向をうまくとらえることによって、よい文章の型を設けることができる。――本書より

感想・レビュー・書評

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  • 105円購入2006-04-05

  • よい文章を書く手法が示されている。

    その中で「インスピレーションが得られる過程」として、

    ①思考作業を行う。

    ②よいアイデアが得られず休息する。
     ・その間も無意識的作業が進められる

    ③再び、思考作業を行った際、無意識的活動の中で得られたアイデアを、意識に現す刺激の働きをする。

    ④インスピレーションが得られる。

    とあり、よい文章(アイデア)が生み出される過程が示されている。

    「この無意識的活動は、注意をしなくてもよい単純な肉体労働や、電車の中にポカンと座っているといった状態がよい」とも。

    それ以外に、「社会に提供する価値ある情報」が4種類示されていて、SNSなど自己発信する機会が多い現代、「自分は価値ある情報を提供しているのか?」と省みさせられる。

  • 【要約・感想】
    文章を書くために行うべき手順・方法の一般的解説。

    p.11.12 書く意欲
    ・書く意欲を「増す」ための要素を考える。
    ・意欲を「そぐ」原因を取り除く。

    p.15 小説家が論ずる「文章読本」
    ・谷崎潤一郎・吉屋信子・宇野浩二・川端康成・三島由紀夫・野間宏・中村真一郎・丸谷才一らの文章論。
    → 一般人には実践が難しい。

    p.25, 40 価値ある内容のある文章
    ・人が知らない知識、知ることが必要な事実を提供する文章。
    ・漠然とした考えを言葉によって明確な認識へと変える文章。

    p.27 タネの原理
    ・発見・創造の手がかりとなるタネを見つけ、育てる。
     ↓
    ・着想ノートにストックする。
    (「タネ < 題材 < 着想・要旨」という拡げ方で具体化・精緻化してゆく。)
    ※着想ノートはTwitterなどのSNSやbooklogに作成するとよい(思いついたらすぐに書きつけることで忘却を防ぐ、速く多くの量を書き留める)

    p.43 書いては消しの繰り返しの原因
    ・書こうと感じているだけで漠然としているから
    ・計画なしでいきなり文章を書こうとするから
     ↓
    文章を作成する構想・計画が必要。

    p.43 文章の5つの特性
     ① 意味の統一性(特定の要旨を持つ)
     ② 意図の統一性(伝達目的がある)
     ③ 言語表現(絵画・音楽・手話とは異なる)
     ④ 線条性(時間的順序がある)
     ⑤ 視覚性(目で読む)
    ※他の伝達媒体との比較による

    p.49-53 発散的思考と収束的思考
    ・「タネ」からさまざまな関連事項への「発散」
     ↓
    ・「発散」された個々の事象から再び抽象化することで「収束」
    (発散と収束はなるべく同時に行う)

    p.53, 56 発散的思考に必要なもの
    ・生産力のある知識・考え・経験を豊富に蓄積する。
    ※読書・映画・音楽・会話etc.
    ・必要に応じて円滑に引き出せるようにしておく。
     ↓
    ・発散的思考によって取り出したものの「見える」化
    ・個々の事項の関連性がわかるようにしておく
    ※上記「着想ノート」

    p.66 区切りをはっきりさせる
    部分ごとに内容がまとまった文章を書く
    (パラグラフごとの独立)

    p.77 三多の法
    ① 看多(たくさん読む)
    ② 做多(たくさん書く)
    ③ 商量多(多く考え工夫する)

    やや実践困難(より合理的な方法論を考える)

    p.79 分解の原理
    ・「主題」を考える→「アウトライン」を作る→「執筆」する
    (すべて同時並行にしようとすると書けなくなる)
    ※ただし、主題の着想に関しては拡散・収束を同時並行で(忘却の防止)

    p.84 主題分析のためのチェックリスト
    (本文参照)

    p.86 拙い文章の類型
    ・終始同じ内容が連続する文章
     →メリハリをもたせる
    ・抽象的にすぎる文章
     →具体性をもたせる

    p.104 文章の四態
     ① 主題を抽象的キーワードにて直接的に表現する
     (論文・論説文・説明文)
     ② 主題を具体例をもって論述する
     (小説・報道記事・コラム・随筆)
     ③ 主題を比喩的に表現する
     (類比的な物語に置き換える)
     ④ 現実とは逆の状態を描いて対比的に現実を示す
     (風刺・寓話など)

    p.105-107 主題と要旨は一致しない
    (本文参照)

    p.117, 136 ヨーロッパのレトリック(五分法)
     ① 序言
     ② 陳述
     ③ 論証
     ④ 反論
     ⑤ 結論
    ※法廷での弁論や議会での討論
    (論理的内容の文章には使える)

    p.138 よい文章に学ぶ場合
    ・主題の観察(どんな要旨か+どんな構成か)
    ・文章の種類はなにか(説明的文章か+文学的文章か)

    p.148 文章の作成
    ・アウトラインの作成

    文章作成上の注意
    ①他人にわかるように書く
    × 難解な文章、予備知識を要する文章
    △ 簡単すぎる文章(読み手に応じて考える)

    ・自分に引きつけた理解をされるおそれ
    ・書き手と読み手の経験・知識・感情・願望の差異が誤解を生む →くだいて書く
    ・簡潔さも必要(漢語の使用)
    ・経験に訴えてくる文章 →具体性をもつ
     内田百閒「掻痒記」

    ※読みやすさの尺度(p.160)
     ・文が短い
     ・具体的な内容をもつ語の使用
     ・人間に関わる語、人間や動物の名前、代名詞、親族語などは興味を引く
     ・命令文、疑問文も興味を引く

    p.176 事柄を中心に書く/「私」を中心にして書く
    (本文参照)

  • だいぶん古い本ではあるけれど、普遍的なことを論じているので、あまり古い感じはしない。
    まだ新書であるというだけで知的権威があった時代の、良き本という印象。

  • 文章の5つの特性
    意味の統一性
    意図の統一性
    言語表現
    線条性(時間的順序)
    視覚性
    なるほどと思う。
    言語表現のところの表現が貧困かどうかをどう評価すればよいかが課題かもしれない。

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    [ 参考となる書評 ]

  • 587

  • 意外と良書なのかもしれません……再読して矢張り、と思えた場合ランクを上げることにします。<BR>
    着想ノート、自分も作るように致します。<BR><BR>
    (06/3/5)

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