- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061456181
感想・レビュー・書評
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(2006.03.03読了)(2003.05.09購入)
副題「相対性理論とは何か」
アイシュタインの生誕百年(1980年)にちなんで、出版された本です。「相対性理論に真正面から、取り組んでみた」本です。(3頁)
「対称性は、現代物理学のあらゆる分野で、中心的な役割を果たしている思想であるが、その対称性そのものを主題にするのが、相対性理論である。」(4頁)
著者は、多くの図を入れながら相対性理論を説明してくれているのですが、残念ながら説明についてゆくことができませんでした。現実生活の中で、明らかにわかる形で、なるほどそうだと簡単に体験することのできるものではないというところにも理解の難しさがあるのかもしれません。
光の速さよりも早いものは存在しない。ものすごい速さで移動すると時間の進み方が遅くなる。動いているものを計測すると静止している時より短くなる。など、説明されても、???。
●鏡のパラドックス(20頁)
鏡に自分の身体を写すと、なぜ上下は逆にならないのに、左右は逆になるのだろうか。
鏡に写すと左右が逆になるというのは本当だろうか。
左右が逆に写るとは、右にあるものが左に、左にあるものが右に、写ることではないか。
しかし、鏡に写った物体は、はたして本当にそうなっているであろうか。
鏡に写すと逆になるのは、上下でもなく、左右でもなく、前後なのである。
●保存則(49頁)
相対論によると、質量とはその物体の持っている全エネルギーにほかならない。質量とエネルギーとは同一物である。
●地球は動いている(86頁)
地球は、一日に一回転のわりで自転している。自転に伴う地表の移動速度は、音速の程度である。自転しつつ地球は、さらに太陽の周りを公転している。その速さは音速の一桁上の程度である。
●光速度は不変(95頁)
波の伝搬速度が、振動数によって違うことを分散と称する。真空中の光には分散がない。この真空中の光には分散がないという事実が、光速度の不変性の原因をなしている。
●ローレンツ収縮(114頁)
座標系に対して相対的に運動する物体の、その座標系における長さは、本来の長さよりも短い。
●時間の流れが遅くなる(118頁)
自分に対して相対的に運動している座標系の時計は、動くテンポが遅くなる。
●アインシュタインの重力理論からの結果(188頁)
・重力の作用による光線の屈折
・重力の作用による時計の遅れ(赤方偏移と呼ばれる効果)
・水星の近日点の移動
☆関連図書
「物理学入門」猪木正文著、光文社、1963.05.
「アインシュタインの夢」アラン・ライトマン著・浅倉久志訳、ハヤカワ文庫、2002.04.30
著者 小野 健一
1919年 神奈川県生まれ
1941年 東京帝国大学理学部物理学科卒業
1980年5月 第三回マルコ・ポーロ賞受賞
専攻 素粒子論
内容紹介(amazon)
相対性理論を生み出した発想の原点は何か。天才科学者の眼は、地球や宇宙の自然現象には、統一した法則性のあることを見抜いた。それは、自然法則の対称性である。三次元空間から四次元時空にまで拡張しても、成立するとしたのが、アインシュタインの相対性理論である。光速度不変性、質量とエネルギーは同等である、慣性質量と重力質量などの発想を確立して、ニュートン力学のあてはまる物理空間の枠を、とり払った。本書は、数式を使わずに、対称性という基本法則から、アインシュタインの発想を追う。