働くということ -実社会との出会い- (講談社現代新書)

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  • 講談社
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レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061456488

感想・レビュー・書評

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  • 本来は学校の授業で読むはずだったが、買わずに対応しきったので、ようやく読みました。
    身近な例を例えに出して、働くことの意義とそれによって得られる賃金ではないものを示してくれる書。
    就職前に読むべき1冊だと思います。

  • 自動車メーカーに入社した小説家がどのように自己変容していくかを丹念に振り返った本。
    単に仕事をこなすことから、生産物に自分の責任を感じるようになってきて仕事をしていると言えるようになってくる過程の描写が興味深かった。それは自己完結的なものではないにせよ、かといって制度的なものではなく、内発的・間主観的な過程として描かれる。
    企業意識と職業意識が区別される。その企業に属している・その企業で働いているという感覚よりも、生産品やその受け取り手・共に仕事に従事する仲間をリアルだとみなす感覚においてこそ自己実現ができるだろうという話はなるほどと思う。
    企業に属するということは確かに決められた労働時間内だけ拘束されることではあるのだが、個々人はその労働時間内に労働するため実質的には他の時間も活用せざるを得ない。また、会社員という身分は労働時間外も享受しているものである。
    企業の外にいては自由ではない、しかし企業に入ったらもちろん不自由であり、単なる企業意識から職業意識へと突き抜ける必要があるという話。

  • 学生時代から本書の存在は知っていたが、読む機会、時間が無かった。就職して一年ほど経ち、偶然手に取る機会に恵まれた。作者が黒井千次ということもあり、文章は堅く読みづらいが、その実書かれていることは簡潔で、同調したり、疑問を抱いたりする。
    特に引っ掛かった「「労働」が病んでいる時には、「遊び」もまた病んでいる」という一文には、「では、病んだ労働がその会社では通常であり、それらを強いられた時、それはつまり、病んだ人間を生み出すことになる」ということなのだろうか? 今の世の中はこういう現場があまりにも多い気がする。
    本書が出版されたのは30年ほど前というのもあり、現在にも残る本質的なものを知り得た上で、自分が望んだ答えはどこにも無いことだけ、心残りだった。
    優れた啓発書ではあるが、少々年期が経ち過ぎている。

  • p31 ここにあるのは教科書や研究論文ではなくソロバンなのであり、高邁な理論ではなく実務なのだということをー。

  • 自分の働いていた時と同じ憤りとかが、全くその通りに書かれていた。
    自分の中に仕事が入っていたかというと、入っていなかった。一部分になっていなかった、故に確かに上司には、こっちが改善を求めても諭されて終わった。そういう熱意的なものが見透かされていたと思う。
    昔の時代の問題と、今の時代の問題とをうまく説明している。それ故に変わってきた概念。これからの時代もさらに変わる。
    また概念が変わり問題が出た時、黒井千次さんの分析が、解決策の糸口になるかもしれない。


    仕事について、職業について、とても細かく分析し、切り込んだ話。

  • まだまだ大学生がこんなこと言うのも難だけど、これ読むか読まないかなで、新入社員になるときの気の持ちようがだいぶ変わってきそうだ~

  • (1982.05.27読了)(1982.05.21購入)
    内容紹介
    一生の大部分をかけて自分は何をやりたいのか、何になりたいのか。いったい何のために働くのか。たとえ給料はあまり上らなくとも、自分らの意志で、納得のいく仕事がしてみたいと望むのはなぜか。何かをなしとげた時に味わう手応え、自己実現への欲求こそ、労働の本質である。会社勤め15年の体験をふりかえりつつ、働くことの意味と意識を考える。

  • 会社の新人研修の時にこの本が紹介されて、初心のままに買ったものの読まずにずっと放置していた。入社二年目、支店が変わった今、マンネリや環境の変化でなんとなく毎日の仕事に張り合いを感じられなくなってたのでこの本を読むことに。
    働くということは自分にとって、漠然と給料をもらうための代償行為という意識があった。でもこの本を読んで、仕事をするのはそれだけでないことに改めて気づかされた。そうだ、むしろ仕事が暇だった日の方が虚しいというか、生きている実感が希薄に思えることを思い出した。労働とは、自己実現。そのことを忘れないようにこれからも仕事に励みたい。
    一番心に残った文章は、
    『「労働」が病んでいる時には、「遊び」もまた病んでいるのだ。』
    労働と遊びは相反するものではなく、どちらも人間を形作るものだということ。よく働き、よく遊ぼう。

  • 働くことの本質を考えさせられる1冊。
    1982年に書かれた本だけど、今でも共感できる部分はたくさんあると思う。自分自身の“働く”の概念の肉付けになりました。

    働く意味なんて、働かなきゃわからないかもしれないけど、だからこそそれを自分なりに解釈を続けトライし続ける。そんな心構えに繋がったかな。

    特に印象的だったところ

    ☆会社の中に長く暮らしていさえすれば当然経験は豊富になることだろう。しかし経験の単純な累計の量がその人間の発言力を成長させるのではない。経験を通して仕事が自分の中に受け入れられ、それが他人事としてではなく自らの内部で生きはじめた時、ようやく彼は仕事の場で一人前の人間として歩み出すわけである。(p.58)

    ☆働くということは生きることであり、生きるとは、結局、人間とはなにかを考え続けることに他ならない。(p.180)

  • 積読状態で、読み始めてからもなかなか進まなく、やっと読み終わった本
    1982年初版なので、かなり古い本だからなのか、なかなかその文体に慣れなく
    ページが進まなかったなぁ~

    黒井さんもこんな時代になっているなんて想像すらできなかった時代に
    書かれてあります
    当時の「働く」ということを知るには面白い本だなぁとは思います
    でも、ちょっと内容が現状に合っていないかな・・・
    働くってキャリアを考えるってことにつながると思うけど、変わらない不変的なことって
    少なくて、やっぱりその時代、どんな環境の中にいるのかってことで大きく左右されて
    しまうよなぁって思った
    だからキャリコンは今の時代をどの角度からどうやって切れるかがスキルの一つになるよね
    流れる情報をキャッチして、どうCLに見せるか・・・
    来年はここを意識しながら勉強しよう・・・

    でもね、やっぱり変わらないこともあるのかなって思ったのは最後の言葉
    p180
    働くということは生きるということであり、生きるとは、結局、人間とは何かを
    考え続けることに他ならない。

    ここは時代が変わっても、変わらないことだな!

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