- 本 ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061457232
感想・レビュー・書評
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欲しいものはすべて買ってしまい、買いたいものが見つからない。豊かではあるが、凡庸であり、面白味がない。豊かさのあとに来るいかがわしさ。
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『「豊かさ」とは何か』『「ゆとり」とは何か』(ともに講談社現代新書)の続編です。
世界でもまれにみる経済成長を遂げ、かつてない「豊かさ」を実現した日本は、いまやありあまるほどの「豊かさ」に溺れているのではないかと著者は問題を提起します。経済のソフト化・サーヴィス化は、意味のない贅沢を生み出しており、諸井薫の短編小説集『夕餉の支度の匂いがする』にえがかれたような、カタカナ職業に従事する「港区民」が増えていると論じられています。ただし著者は、そうした変化に対する違和感を表明しつつも、「豊かさ」のあとにくる「いかがわしさ」を毛嫌いするだけではいけないと述べています。ほんらい文化とは「いかがわしさ」を持ち合わせたものであり、新しい文化を生み出す可能性を秘めた「いかがわしさ」とうまく距離を取ることを学ぶべきだというのが、本書の結論になっています。
本書のサブタイトルは「幸せとは何か」となっていますが、「豊かさ」と「幸せ」とのあいだに存するへだたりがいったいなんであるのか、という問題の片鱗を読者に示した本だと理解しました。「あつかましくも「幸福論」などを書き、いったい幸せが何であるかを他人に教えるようなえらい人がけっして出現しないのが、現代という時代なのではあるまいか」と本書の冒頭で述べられていますが、まさにそのことが「豊かさ」と「幸せ」の隙間を埋めることのむずかしさの核心にあるように思います。 -
(1985.12.11読了)(1985.06.01購入)
幸せとは何か
内容紹介 amazon
テレビや洗濯機の普及には、強烈な喜びと幸せがあった。今、日本人は未曽有の「豊かさ」にあふれ、欲しいものはほとんど手に入れた。モノに飽きた人々は、意味のないぜいたくにカネを使い、企業はデザインや包装、ネーミングで必死に購買意欲をあおる。「豊かさ」をもてあました日本人は、これからどう生きるのか。先端技術は近い未来、はたして新しい幸せをもたらすのか。物質的な豊かさと、人間としての幸せのかかわり合いを住宅、仕事、趣味等、日常的な問題を通してさぐる。“活力とゆとり”の両立した社会のあるべき姿を大胆に追求した力作。
☆関連図書(既読)
「豊かさとは何か」飯田経夫著、講談社現代新書、1980.6.20
「ゆとりとは何か」飯田経夫著、講談社現代新書、1982.05.20 -
[ 内容 ]
テレビや洗濯機の普及には、強烈な喜びと幸せがあった。
今、日本人は未曽有の「豊かさ」にあふれ、欲しいものはほとんど手に入れた。
モノに飽きた人々は、意味のないぜいたくにカネを使い、企業はデザインや包装、ネーミングで必死に購買意欲をあおる。
「豊かさ」をもてあました日本人は、これからどう生きるのか。
先端技術は近い未来、はたして新しい幸せをもたらすのか。
物質的な豊かさと、人間としての幸せのかかわり合いを住宅、仕事、趣味等、日常的な問題を通してさぐる。
“活力とゆとり”の両立した社会のあるべき姿を大胆に追求した力作。
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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