リーダーシップの心理学 (講談社現代新書)

  • 講談社 (1984年3月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (205ページ) / ISBN・EAN: 9784061457256

作品紹介・あらすじ

個人を生かし組織を活性化するリーダーのあり方とは?集団目標達成のためにメンバーの調和を図りながら能力発揮をうながすのが、リーダーの役割である。円滑な機能と目的遂行のためには、決断力と強さが、和のためには、全体を見わたすことのできる冷静な眼が、個々人への心くばりのためには、やさしさが要求される。目標の設定から役割分担、メンバーの興味や感情への配慮、指示のし方、意見のきき方など具体的着眼点を示しつつ、豊かなコミュニケーションと開かれた人間関係にもとづいた柔軟で効果的なリーダーシップのスタイルを考察する。

ひとつの世界をつくる――リーダーシップを発揮するとは、自・他一体感の回復ということになろうかと思う。多分今までに偉大なリーダーといわれた人たちは、無我無心で「グループが自分、自分がグループ」という境地を味わっていたのではないかと思う。そうなるためには、自分を空しくして相手の世界に入り、自分と相手がひとつの世界をつくることである。リーダーシップとは、けっして相手を意のままに動かす技法ではない。いうなれば、グループ全員がひとつの世界をつくるための技法といったほうがよい。あるいは、相互に自己拡大しあう技法といってもよい。――本書より

みんなの感想まとめ

リーダーシップの本質に迫る本書は、個人と集団が共に成長するための方法論を示しています。著者は、リーダーシップを「自・他一体感の回復」と捉え、グループ全員が共通の目標に向かって協力するための技法を探求し...

感想・レビュー・書評

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  • 何年もの長い間、仕事でリーダーというポジションを与えられ、自分なりのスタイルを作ろうと努力してきたが、中々理想的なリーダー像というものが解らない。社会に合わせて会社が変化し、時代の流れと共に、部下の性格や仕事の仕方も変化し、ふと立ち止まって比較してみると昔と今では全然違う。その時々、彼ら彼女らの個性に応じた支持や支援の仕方を試みてはきたものの、それが相手にとって良かったかどうか、確信は得られない。指示をした後の微妙な表情、評価フィードバックの後に聞く愚痴や反論。面倒向かって言ってくれるならまだ良いが、酔った勢いなのか、「誰それが私の文句ばかり言ってます」なんて言葉を聞くと、外見は冗談ぽく笑いながらも、内心は気が気でない。だが、そうした感情も長い間、管理職をやってくると以前の様に、一々気に掛けなくなってはくる。耐性ができるし、人間誰しも文句の一つや二つ言いたくなる。ましてや世界人口が80億を超えた今、これまで通り日本人ばかりを相手にする訳でもなく、周りにはベトナム人、中国人だけでなく、ムスリムもキリスト教徒もヒンドゥー教徒も、思想信条までもが多種多様で一つのやり方考え方で対応する事など無理だ。リーダーとして率いるチームはそうしたこれまでとは異なるメンバーを纏めながら目標達成する必要に迫られている。
    本書はリーダーのタイプをリーダー中心、民主的(メンバー協議)、その折衷タイプなどに分類し、相応しいメンバーのタイプや達成目標、進め方などを示すと共に、チームを率いるリーダーとして必要な心理状態、それに基づく手法などを数多く紹介している。1984年初版という事で、若干古さを感じつつも、逆境に晒され、(社長でもない限りは)上から下からの板挟みに遭い、無茶な納期の指示を下に伝えながら全員を奮起させ期末には評定会議で他の管理職と闘う、現代の管理職も味わう境遇を如何に乗り切るかヒントを多くもらえる。
    思い起こせば管理職なりたての頃は、メンバーの顔色と上司の顔色をそれぞれ交互に伺いながら、日々気を遣いすぎて頭痛に苛まれてばかりいた。自分の心情や信念などは捨てて、兎に角1日をやり過ごすのに精一杯。勿論そこに自分のスタイルなどない。ただラッキーだったのは、自分の上司が仕事ができるだけでなく、知識吸収に貪欲な勉強家かつ人格者で、さらには私と同じ歴史好きで休憩時間も頻繁に話をする機会があったので、目指す人物として最高の位置に最高の手本になってくれた事である。だから我武者羅に真似をした時期もある。今思えば自身のスタイルはこの上司に近づく過程で見た一つのスタイルに過ぎなかった。上司自体が変化する事に加え、最初に述べた様にメンバーも環境が変わる中で、そのスタイルを変えていく必要性もあったから、今でもその時々、最良のスタイル・理想像を探しながら自分を変化・昇華させる過程にある。そしてそれが終わる事の無いことにも気付いている。
    本書が書かれた当時から述べられている様に、上司は常に部下への気遣いが重要である事は今も変わらない。一人一人の人生目標に興味を持ち、与えた仕事がその道筋に合っているか、更にはそのやり方や成果物レベル、納期、サポートメンバーなど細かい部分に気を配り、その中からやがては自分の後継者を輩出させる。中には情報源になるメンバーも居るから、そこを駆使して、誰が誰に対して好意を持って接しているか、悩んでいる部下の存在なども把握する。社内などは万人単位で人がいるが、常に行動をする戦闘単位は10名程度であるから、自分に対する悪口も筒抜けである。それへ気付かぬふりして相対するのにもなれている。寧ろ、そうした社員こそ自分が成し得ていない高難易度の目標達成が出来るのかと期待することもある。何故なら私への批判は主に自分なら違うやり方で出来るという確信があるのだろうから、是非やらせてみたいとも思う。だが昨今働き方のスタイルも在宅中心で顔色も中々見えず、偶に隣り合わせの部下が疎遠に感じる事もあり、四六時中顔が見えた時代とも異なる。元々成果主義の色合いが強かった社風だから、プロセスを報告できない部下に対しての当たりはどうしても厳しくなってしまう。またスタイルを変える時期がやってきたのは間違いない。
    本書最後に記載される、リーダーシップの頭文字を取った「looks 、empathy、acceptance、directiveness、eocouragement、responsibility、security、holism、identity、power」は何時迄も変わらないリーダー全員が心に深く刻むべき文言であると感じる。その資質一つ欠けても良いリーダーになれない事は、中間管理職の私でもよく解る。読みながら日常的に感じる自分に足りない点がそのまま例として頭の中に複数のシーンと共に浮かび上がってくる。何時迄今のチームを率いるかは解らないが、今目の前にいるメンバーから、やがて会社を率いる人材が出てくる日を夢見ながら、自分が成し遂げられなかった目標や成果を達成してくれると信じて、今日も机やパソコンに向かうのではなく、部下イコール一人一人の人間と相対していく。

  • 30年前の本
    しかし、今でも当然ながら通用するリーダーシップ論
    スキルなど体系的に整理してある内容
    名著の一冊に数えたいです

  • 【文章】
     読み易い
    【ハマり】
     ★★★・・
    【共感度】
     ★★★★★
    ・リーダーシップとは、集団目標達成に向けて各メンバーが連帯感を持ち、能力をフルに発揮できるように援助する能力
    ・リーダーは、その集団が何をしようとしていて、何のために存在しているのかを把握していなければならない
    ・「人が地位を求めるのではなく、地位が人を求める」のが本当であり、不遇の時こそじっくり実力を養う
    ・私心を捨て、孤独を楽しむ
    ・メンバーがいずれ去っていくことも覚悟した上で、メンバーを育て上げる
    ・指示的、折衷的、民主的、どのリーダーシップをとるべきかは、リーダー自身とメンバーの特性によって変わる
    ・グループを転進するときは、自分のしたい事、できる事を自問自答できるぐらいでないと意味がない
    【気付き】
     ★★★・・
    ・リーダーシップを発揮するとは、自他一体感の回復ということ
    ・目標設定の勘所
     ・達成可能
     ・具体的
     ・メンバーの欲求充足に役立つ
      ・メンバーが意味を感じられるように、上手く誘導してやる
     ・メンバー参加での決定
    ・集団目標と個人目標のギャップを少なくする
     ・役割、権限、責任の明確化
     ・指揮命令系統の一元化
     ・権限と責任の一致
     ・性格と役割の不一致の解消
    ・集団規範において先行すべきはルールではなく、リーダーの思想
    ・普段は許容的な人がビシッと指示すると威力がある

  • 筆者は学校教師のカウンセリングをした経験から、「教師にリーダーシップの素養がもっとあれば落ち込まずにすんだのでは」と思い、「教師は臨床家である。臨床家には臨床家向けのもっとプラクティカルな訓練が必要、その1つとしてリーダーシップがあげられる」という観点からこの本を書いているそうです。

  • 社会人になって、人間関係がどれ程、組織で大切なものか分かってきた。学生のままの心持では、中々上手くいかないな、と常々思う。
    上とも下とも、ポジティブな関係でありたいものだ。
    “I am OK,You are OK.”
    この言葉を忘れずに、注意深く人間関係を築いていきたい。

  • ある種のハウツー本ではあるが、それ特有の押し付け論はなかった。また、「心理学」とあるが、本文には学問のような堅苦しさはなく勉強になることばかりだった。
    リーダーシップを取る取らないに関わらず、何かのプロジェクトに関わる人や教師なんかも見てみると学ぶことが多いであろう。

  • 古書であり、文章が固く、勉強させられました。
    リーダーの心理について学べました。

  • 社会学、経営学とも違うリーダーシップ論。

    主に、心理学的な側面から、リーダーの資質や心構え、ちょっとした工夫を説いてくれており、色々な場面でリーダーシップを発揮しなければならない私としては、目から鱗な記述が多々見られました。

    一言で言えば、メンバー統治や支配のためのリーダーシップ論ではなく、リーダーとメンバー双方のWIN-WINを求める方法論である。傲慢ではないかたちで、かつ、時には毅然とした態度を求めるリーダーシップ論であり、きわめて実践的。1984年の刊行にもかかわらず、その後版を重ねておることからも、本書が名著であることが分かる。

    国分先生の著作は、論理療法の第一人者ということもあり、不合理な思い込みから、相当程度、解放されており、読んでいて、セラピー効果もあるので、とてもおすすめです。

  • まあ、ハウツー本の元型みたいなものなのかもしれない。簡単に言えばだけれど。無論、そのあたりにあるハウツー本よりはかなり理論がしっかりしている。それは著者が、カウンセリング心理学の専門家であるからだろう。ある程度理論が築き上げられ、そこに実体験を重ね合わせて述べられているだけに、どれもこれもうなずけるものばかりなのだけれど、あんまりうなずきたくは無いかな。著者自身が、「自分は実利的過ぎてときおり、観念的な学生と噛みあわない」みたいなことを述べていたが、まさしくその通りで俺は観念的な学生タイプなのだろうね。とはいえ、両者が歩み寄る必要があるとも著者は書いているし、理解はあるのだろうと思うし、自分が実利的過ぎることも自覚はしているのだろう。とはいえ、著者がどれもこれも断定してしまっている感じが少々嫌なのだけれど、それも著者からすればリーダーシップに含まれてしまうのかな。まあ、下手なハウツー本よりはよほどしっかりしているし、かなり実践的なものも多いと思う。リーダーシップを自分は取れていると慢心している人や、あるいはリーダーシップの取り方がわからなくて右往左往している人には一読の価値はあるのかもしれないし、それを活かす活かさないは自由だと思われる。とはいえ、これはいわゆるビジネス本的な感じかな。今なら完全にビジネス本行きの内容だろう。しかし、哲学にしろ精神分析にしろこの年代の人の本はそれなりに読み進めてきたはずなんだけれど、この人は諸に戦争経験世代っていうのが現れている。すごく露骨である。気持ちがいいといえばいいのかもしれないが、正直距離を感じる。つまり、著者が唱えるリーダーシップ理論自体は今でも生きるだろうが、著者の思想みたいなのがかなり時代錯誤的というか時代倒錯的な感がある。正直、怖い。後、最後に、リーダーシップ理論に必要な要素を、leadershipにかけて、それぞれ頭文字でlooksなど計10個の要素に分解しているわけだけれど、こういうのってけっこう無理やりなんじゃないかなと思う。多分、洩れはあるだろうし、あるいは重複があったりするかもしれないし、初見者に説明するときには効果的かもしれないけれど、冷静に考えるとどうにも怪しげに映じる。

  • [ 内容 ]
    個人を生かし組織を活性化するリーダーのあり方とは?
    集団目標達成のためにメンバーの調和を図りながら能力発揮をうながすのが、リーダーの役割である。
    円滑な機能と目的遂行のためには、決断力と強さが、和のためには、全体を見わたすことのできる冷静な眼が、個々人への心くばりのためには、やさしさが要求される。
    目標の設定から役割分担、メンバーの興味や感情への配慮、指示のし方、意見のきき方など具体的着眼点を示しつつ、豊かなコミュニケーションと開かれた人間関係にもとづいた柔軟で効果的なリーダーシップのスタイルを考察する。

    [ 目次 ]


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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 一昔前の本だが、今でも通じるところ、時代遅れになっているところがあり読んでいて面白い。
    ・意味ある目標。達成可能な目標。
    ・自分は人間であって全知全能の神ではない。だから足りないところは助けてもらう、という思想。
    ・鈍感であってはならない。
    ・集団の目標を掲げ、集団をまとめ、個々のメンバーに配慮する・
    ・口煩い人にはこっちから飛び込んでいく。
    ・不遇のときこそ飛躍のチャンス。

  • 20年前の著書ながら古臭さを感じず
    この役割に必要な資質を
    余すところ無く書き上げた1冊
    問題は読み手である自分が実践できるか
    どうかでこの本の有用性が決まること

  • 教師としての資質ってなんなのか。
    「力のある教師」の人格的側面を心理学的に、具体的に明らかにしてくれます。
    でも、とっても明らかになるから、自分がそうなるために必要な道のりも見えて、苦しくもなります。

  • 昔の本だからといってあなどれない。
    リーダーシップ学(というものがあれば)は昔から研究が盛んだったことを感じさせる一冊。
    これ一冊でチームのリーダーとして気をつけるべき点はある程度把握できます。

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