窓ぎわのトットちゃん

  • 講談社
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本棚登録 : 441
レビュー : 64
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061458406

作品紹介・あらすじ

「きみは、ほんとうは、いい子なんだよ!」。小林宗作先生は、トットちゃんを見かけると、いつもそういつた。「そうです。私は、いい子です!」 そのたびにトットちゃんは、ニッコリして、とびはねながら答えた。――トモエ学園のユニークな教育とそこに学ぶ子供たちをいきいきと描いた感動の名作。

感想・レビュー・書評

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  • こんなにいい本、ここまで読まずに来たなんて!と思う反面、今だからこの教育の素晴らしさが理解できるんだとも思う。ちょうどいいタイミングだったんだろう。

    黒柳さんの子供時代、自分の子供時代をこんなに客観的に描けるものかと、徹子さんの文才に感銘。

    そして、こんなに自分を尊重され、人に手を差し伸べ合うことを実践しながら子供時代を過ごしてきた方なら、黒柳さんがやってこられている国際支援の活動も腑に落ちる。

    徹子さんの個性を受け入れたお母様も素晴らしいなぁと我が身を振り返りながら思う。

  • 小学1年生でとある学校を退学になったトットちゃんこと黒柳徹子さんはトモエ学園という一風変わった学校に再入学することになった。トモエ学園での活き活きとした生活を描いた私小説。

    あまりにも有名な本過ぎて逆に読む機会を逸していたのだが、ようやくそのチャンスにありつけた。現代で言えば発達障害、ADHDなどど診断されるのであろうが、当時はただの迷惑ものという認識しかなかったのであろう。しかし、トモエ学園の校長先生は違った。そういった概念がなかった時代であっただろうに(勉強不足で勝手な推測ですが)しっかりと生徒一人一人と向き合い、個別に必要な教育的ニーズを把握し、指導する。現代さかんに騒がれている教育相談や特別支援教育を戦前から実践していたのである。さらに付け加えればトモエ学園にはトットちゃんのような発達障害の児童や小児性麻痺の児童、身体的障害を抱えた児童、特に障害のない児童(ここは曖昧だが)が全員一緒のクラスで勉強をし、お互いがお互いを尊重しあい助け合う学園が実現しているではないか。これこそまさに盛んに議論されている「インクルーシブ教育システム」そのものではないだろうか。人間の多様性を尊重し、障害のある者がその能力を最大限に発揮し、自立し自由な社会の中で積極的に活躍できる共生社会の実現を目標に障害のある者とない者が共に学ぶ仕組みの構築がインクルーシブ教育システムである。驚くべきことに戦前にすでに実現された例があったのだ。トモエ学園の校長小林宗作先生は本当に素晴らしい。子供のことを深く理解し、その子の未来を明るく照らしだす指導を実践していたのだ。彼は2015年現在も到達しえてないところまで到達していた。

    理想の教育とはなんなのだろうか。詰め込み型教育やゆとり教育は結果として理想とは言いがたかった。これからは豊かな人間性を持ち、学習意欲が旺盛で、自ら課題を見つけ工夫し解決する力、一般に言われるところの「生きる力」の育成が重要であると言われている。しかし、本来子供はそういったものである。小学校1年生の段階では9割の子供が勉強が好きと答えるが小学校6年生では4割に落ち込むという。いわゆる講義型の授業では受け身になるばかりであり勉強の楽しさ、未知の知識を知ることの楽しさを得ることはできない。トモエ学園では課題は決められるがそれは自分の裁量でその日のうちいつでもやっていいことになっている、また時には学校を飛びだし散歩をし理科や様々なことを実践的に学んでいるのだ。これは我々大人が改革していかなくてはならない最大のポイントである。

    さらに学校(教員)、保護者(家庭)、地域の連携を通して幅広い包括的な教育が求められているのではないだろうか。子供の教育は他人事ではない。我々が年老いた時に日本を支えているのは今の子供達である。

  •  小学校1年生で学校を退学!?そんなトットちゃんを受け入れてくれた校長先生と仲間たちの、温かく笑いあふれる日々の物語。作者、黒柳徹子の自伝的物語になっていて、ストーリーは短編の集まりのようにも感じる。作者が当時を思いながら書いたエピソードは、主人公のトットちゃんが愛情を受けて育ち、それを誰にでも返しながら育った様子が伝わる。
     実は、ボク自身が小学生の時に、始めて母に勧められた1冊ながら、挫折していたもの。数十年の時を経て読み直してみたら、なんとも温かい気持ちになれた。

     子どもの目線のユニークなエピソードで笑うも良し。子育てや大人の目線で、子どもたちへの愛情あふれる思いに触れるも良し。楽しみ方は様々。

  • 戦前の、日本が暗い時代へ進んでいく中、いきいきと生きていた子供たちの姿がえがかれている。初めて読んだのは小学生の時だったが、再読して当時あまり深くとらえなかったところに気づいたりした。
    トットちゃんのような子供だった私も(現在、ADHDの疑いを持っている)トモエ学園に通っていれば、黒柳徹子氏のような素敵な女性に近づけたのかもしれない。今の自分を卑下するものではないけれど、子供のころに大人に自分を理解してもらうということの大切さを本書を通して改めて知った。

  • ずっと昔に読んだことがあるけれど、忘れてしまってるなあと思っていた本。実家に帰った時(2006年6月)に読んでみた。実家にあったのは亡くなった祖母が買った1982年6月の第52刷版のもの。<br>
    読み直してびっくりした。断片的にではあるけれど、かなりはっきりとした記憶で覚えていたことがたくさんあったのだ。忘れていたことを明確に思い出したような気持ちでいっぱいになった。「海のものと山のもの」「もどしとけよ」は、近所の商店でデンブを買ってもらった時のことや、昔汲み取り式だった頃の家の汲み取り口付近をイメージして読んでたことも思い出した。「畠の先生」も「トドロキケイコクハンゴウスイサン」は言葉を読んで昔強く印象に残っていたなあと思い出した。<br>
    今回ふと思ったのだけれど、この物語のトットちゃんは小学1年生で最初に入学した学校を退学になり、物語の舞台になったトモエ学園に転校し、それはそれは素晴らしい楽しい毎日を送っていた。私は最初に入学した小学校を3日行っただけで新しい学校に転校して、(親の転勤が決まった時期と、小学校の入学手続き上の事務的な処理の事情だったそうだ)その学校でとても楽しく過ごした。小さな頃の私がいつトットちゃんを読んだのかは全然覚えていないけれど、小1で新しい学校に行く、という珍しい経験を私もしている、トットちゃんと一緒だ!と、当時は全く気がつかなかったけど、心のどこかで感じ取っていたのかもしれない、だから覚えていることも多いのかなあと思った。<br>
    今は私も大人になり、トットちゃんではなく、先生や親に近い世代になった。「ママは、『何々をしなさい』とかは、決していわなかったけど、トットちゃんが『何々をしたい』というと『いいわよ』といって、別に、いろいろ聞かずに、子供では出来ない手つづきといった事を、かわりにやってくれる」ような母親になれるだろうか。あとがきで触れられてるように、退学になったことや次の学校でもダメだったら「どうするの!」なんて言ってしまうような大人になってしまいそうではないだろうか?プールは裸で、と聞いて、その根底にある目的や願いを理解できるだろうか?<br>
    「こんなに長い時間、自分の話を聞いてくれた人はいなかった」「その長い時間のあいだ、一度だってあくびをしたり、退屈そうにしないで、トットちゃんが話してるのと同じように、身をのり出して、一生懸命、聞いてくれた」校長先生のような姿勢で子供と向かい合えるだろうか(小1の子供の4時間の話という迫力すごさ)。高橋君が感じた「トモエに最初に行った日のこと」が分かるだろうか。<br>
    大人になっても先生の教えが残っていて、違った角度から見てこんなに深い意味があったのだと気付く。あの教えがあったから今までの自分がある。そんな先生や学校に出会えたら幸福だなあと改めて思う。

  • 戦後最大のベストセラー。「校長先生の肩に、お昼の光が、やわらかく止まっていた」というフレーズが昔からすごく好き 第二次世界大戦直前のすごい奇跡みたいに思える優しい時間がぎゅっとある
    「同じ電車で旅をする仲間」っていうのもいいなぁ

  • トットちゃんこと、黒柳徹子。
    平日の昼間、自らの部屋に多くの芸能人を招き入れる、あの黒柳徹子の幼少期を綴った作品である。
    言葉を選ばずに言ってしまえば、変わった子だ。みなさんの近くにも1人は居たはず、とは簡単に言えないほどに。しかし、変わっていることがダメだということではない。
    彼女は、トットちゃんは、小さな体で多くの風を受けながらも、颯爽と歩いている。その姿は、黒柳徹子の背中が微かに見えるものである。

  • 菅田理一先生 おすすめ
    83【その他】914.6-KU78

    ★ブックリストのコメント
    きみは、本当は、いい子なんだよの意味を考えてみよう。

  • 菅田理一先生 おすすめ
    91【その他】914.6-KU78

    ★ブックリストのコメント
    「きみは、本当は、いい子なんだよ」の意味を考えてみよう。

  • 3月5日 1981年窓ぎわのトットちゃんの発刊日

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著者プロフィール

黒柳徹子(くろやなぎ てつこ)
1933年生まれの女優、タレント、声優、司会者、エッセイスト。他にもユニセフ親善大使、平和運動家、パンダ保護協会名誉会長など様々な立場を兼任する。愛称はトットちゃん。テレビ創成期から活躍を続ける、放送史を代表する芸能人の1人。『徹子の部屋』は、同一司会者によるトーク番組の最多放送世界記録保持者としてギネス記録更新中。累計800万部を記録した代表作『窓ぎわのトットちゃん』は、戦後最大のベストセラー。

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