窓ぎわのトットちゃん

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061458406

作品紹介・あらすじ

「きみは、ほんとうは、いい子なんだよ!」。小林宗作先生は、トットちゃんを見かけると、いつもそういつた。「そうです。私は、いい子です!」 そのたびにトットちゃんは、ニッコリして、とびはねながら答えた。――トモエ学園のユニークな教育とそこに学ぶ子供たちをいきいきと描いた感動の名作。

感想・レビュー・書評

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  •  今年80歳になった義母からの依頼で「続 窓ぎわのトットちゃん」を図書館予約しました。そしてこちらの作品は、義母は読んだことはあるようだったけど、復習のためにもいいかなって読んでみてもらいました。義母は、読めてよかったと大変喜んでくれました。なので、私も読んでみることにしました。

     主人公はもちろん、黒柳徹子さんで、トットちゃんの愛称で親しまれています。トットちゃん、小学1年生から2年生にかけてのお話、第二次世界大戦の直前から開戦後にかけてというところです。トットちゃんは、落ち着きがなく周りが予想だにしない行動をとることで授業の妨げになると、通学していた小学校を退学になりました。そして、新たに通学するようになった「トモエ学園」…。「トモエ学園」には、個性豊かな子供たちが通学し、ユニークな教育方針のもと、トットちゃんものびのび楽しく毎日通学できています。そんな楽しい学園生活ですが、戦争が始まってしまいます…。

     いきいきと描かれるトットちゃんのあれこれ…時には悲しいことやつらいこともあったけれど、毎日毎日を一生懸命生きている、そんな様子が読みとれます。長年読み継がれ、沢山の国々の言葉で翻訳もされているこの作品は、ほんのりあったかく、ちょっと切なくも素敵な作品だと感じました。黒柳徹子さん、テレビでよくお見かけしますが、もう90歳なんですね…すごくお元気なので、そんなご高齢だとは思ってもなかったんだけれど…。もう、ね…頭が下がります!

    • かなさん
      1Q84O1さん、おはようございます。
      昨日から今日にかけて寒いですね…。
      こちらでは雪が降りました(*_*;
      まだそこまで積もらなか...
      1Q84O1さん、おはようございます。
      昨日から今日にかけて寒いですね…。
      こちらでは雪が降りました(*_*;
      まだそこまで積もらなかったから、よかったけど…
      まだ、タイヤ交換してないのでドキドキでした!!

      お義母さんは、とっても元気でアクティブなんです。
      自分で図書館に車を運転していくこともできるんですが
      図書館予約のシステムは使ったことがないみたいだったんで、ね。

      1Q84O1さんは娘さんと、どんな本を読んでいるのか、
      会話をされるのだって、すごくいいことですよねっ♪
      うちの息子は、本をあまり読まないので
      ちょっと羨ましいです(*^^*)
      2023/11/14
    • 1Q84O1さん
      かなさん、おはようございます!
      いきなり冬がやって来ましたね…
      そして、雪が振りましたか…ヮ(゚д゚)ォ!
      うちの方は気温だけグッと下がりま...
      かなさん、おはようございます!
      いきなり冬がやって来ましたね…
      そして、雪が振りましたか…ヮ(゚д゚)ォ!
      うちの方は気温だけグッと下がりました
      寒さ対策をまだしてなかったのでちょっと困りましたが…(^_^;)

      娘は、私が読んでいる本には興味がないので「◯◯読んでるよ」って言ったら「ふーん」で終わりですw
      まぁ、自分が読みたい本を読んでくれたらそれで良いんですけどね^_^
      2023/11/14
    • かなさん
      1Q84O1さん、おはようございます。
      今朝も寒いですねぇ…

      1Q84O1さんと、娘さんとの会話
      たとえ「ふーん」で返されたとして...
      1Q84O1さん、おはようございます。
      今朝も寒いですねぇ…

      1Q84O1さんと、娘さんとの会話
      たとえ「ふーん」で返されたとしても、
      でも本に興味があることには変わりないので
      とってもいいことだと思います(^-^)
      2023/11/15
  •  小学校1年生で学校を退学!?そんなトットちゃんを受け入れてくれた校長先生と仲間たちの、温かく笑いあふれる日々の物語。作者、黒柳徹子の自伝的物語になっていて、ストーリーは短編の集まりのようにも感じる。作者が当時を思いながら書いたエピソードは、主人公のトットちゃんが愛情を受けて育ち、それを誰にでも返しながら育った様子が伝わる。
     実は、ボク自身が小学生の時に、始めて母に勧められた1冊ながら、挫折していたもの。数十年の時を経て読み直してみたら、なんとも温かい気持ちになれた。

     子どもの目線のユニークなエピソードで笑うも良し。子育てや大人の目線で、子どもたちへの愛情あふれる思いに触れるも良し。楽しみ方は様々。

    2021.09.21 再読読了

  • 戦後最大のベストセラー。「校長先生の肩に、お昼の光が、やわらかく止まっていた」というフレーズが昔からすごく好き 第二次世界大戦直前のすごい奇跡みたいに思える優しい時間がぎゅっとある
    「同じ電車で旅をする仲間」っていうのもいいなぁ

  • こんなにいい本、ここまで読まずに来たなんて!と思う反面、今だからこの教育の素晴らしさが理解できるんだとも思う。ちょうどいいタイミングだったんだろう。

    黒柳さんの子供時代、自分の子供時代をこんなに客観的に描けるものかと、徹子さんの文才に感銘。

    そして、こんなに自分を尊重され、人に手を差し伸べ合うことを実践しながら子供時代を過ごしてきた方なら、黒柳さんがやってこられている国際支援の活動も腑に落ちる。

    徹子さんの個性を受け入れたお母様も素晴らしいなぁと我が身を振り返りながら思う。

  • 小学1年生でとある学校を退学になったトットちゃんこと黒柳徹子さんはトモエ学園という一風変わった学校に再入学することになった。トモエ学園での活き活きとした生活を描いた私小説。

    あまりにも有名な本過ぎて逆に読む機会を逸していたのだが、ようやくそのチャンスにありつけた。現代で言えば発達障害、ADHDなどど診断されるのであろうが、当時はただの迷惑ものという認識しかなかったのであろう。しかし、トモエ学園の校長先生は違った。そういった概念がなかった時代であっただろうに(勉強不足で勝手な推測ですが)しっかりと生徒一人一人と向き合い、個別に必要な教育的ニーズを把握し、指導する。現代さかんに騒がれている教育相談や特別支援教育を戦前から実践していたのである。さらに付け加えればトモエ学園にはトットちゃんのような発達障害の児童や小児性麻痺の児童、身体的障害を抱えた児童、特に障害のない児童(ここは曖昧だが)が全員一緒のクラスで勉強をし、お互いがお互いを尊重しあい助け合う学園が実現しているではないか。これこそまさに盛んに議論されている「インクルーシブ教育システム」そのものではないだろうか。人間の多様性を尊重し、障害のある者がその能力を最大限に発揮し、自立し自由な社会の中で積極的に活躍できる共生社会の実現を目標に障害のある者とない者が共に学ぶ仕組みの構築がインクルーシブ教育システムである。驚くべきことに戦前にすでに実現された例があったのだ。トモエ学園の校長小林宗作先生は本当に素晴らしい。子供のことを深く理解し、その子の未来を明るく照らしだす指導を実践していたのだ。彼は2015年現在も到達しえてないところまで到達していた。

    理想の教育とはなんなのだろうか。詰め込み型教育やゆとり教育は結果として理想とは言いがたかった。これからは豊かな人間性を持ち、学習意欲が旺盛で、自ら課題を見つけ工夫し解決する力、一般に言われるところの「生きる力」の育成が重要であると言われている。しかし、本来子供はそういったものである。小学校1年生の段階では9割の子供が勉強が好きと答えるが小学校6年生では4割に落ち込むという。いわゆる講義型の授業では受け身になるばかりであり勉強の楽しさ、未知の知識を知ることの楽しさを得ることはできない。トモエ学園では課題は決められるがそれは自分の裁量でその日のうちいつでもやっていいことになっている、また時には学校を飛びだし散歩をし理科や様々なことを実践的に学んでいるのだ。これは我々大人が改革していかなくてはならない最大のポイントである。

    さらに学校(教員)、保護者(家庭)、地域の連携を通して幅広い包括的な教育が求められているのではないだろうか。子供の教育は他人事ではない。我々が年老いた時に日本を支えているのは今の子供達である。

  • 戦前の、日本が暗い時代へ進んでいく中、いきいきと生きていた子供たちの姿がえがかれている。初めて読んだのは小学生の時だったが、再読して当時あまり深くとらえなかったところに気づいたりした。
    トットちゃんのような子供だった私も(現在、ADHDの疑いを持っている)トモエ学園に通っていれば、黒柳徹子氏のような素敵な女性に近づけたのかもしれない。今の自分を卑下するものではないけれど、子供のころに大人に自分を理解してもらうということの大切さを本書を通して改めて知った。

  • ずっと昔に読んだことがあるけれど、忘れてしまってるなあと思っていた本。実家に帰った時(2006年6月)に読んでみた。実家にあったのは亡くなった祖母が買った1982年6月の第52刷版のもの。<br>
    読み直してびっくりした。断片的にではあるけれど、かなりはっきりとした記憶で覚えていたことがたくさんあったのだ。忘れていたことを明確に思い出したような気持ちでいっぱいになった。「海のものと山のもの」「もどしとけよ」は、近所の商店でデンブを買ってもらった時のことや、昔汲み取り式だった頃の家の汲み取り口付近をイメージして読んでたことも思い出した。「畠の先生」も「トドロキケイコクハンゴウスイサン」は言葉を読んで昔強く印象に残っていたなあと思い出した。<br>
    今回ふと思ったのだけれど、この物語のトットちゃんは小学1年生で最初に入学した学校を退学になり、物語の舞台になったトモエ学園に転校し、それはそれは素晴らしい楽しい毎日を送っていた。私は最初に入学した小学校を3日行っただけで新しい学校に転校して、(親の転勤が決まった時期と、小学校の入学手続き上の事務的な処理の事情だったそうだ)その学校でとても楽しく過ごした。小さな頃の私がいつトットちゃんを読んだのかは全然覚えていないけれど、小1で新しい学校に行く、という珍しい経験を私もしている、トットちゃんと一緒だ!と、当時は全く気がつかなかったけど、心のどこかで感じ取っていたのかもしれない、だから覚えていることも多いのかなあと思った。<br>
    今は私も大人になり、トットちゃんではなく、先生や親に近い世代になった。「ママは、『何々をしなさい』とかは、決していわなかったけど、トットちゃんが『何々をしたい』というと『いいわよ』といって、別に、いろいろ聞かずに、子供では出来ない手つづきといった事を、かわりにやってくれる」ような母親になれるだろうか。あとがきで触れられてるように、退学になったことや次の学校でもダメだったら「どうするの!」なんて言ってしまうような大人になってしまいそうではないだろうか?プールは裸で、と聞いて、その根底にある目的や願いを理解できるだろうか?<br>
    「こんなに長い時間、自分の話を聞いてくれた人はいなかった」「その長い時間のあいだ、一度だってあくびをしたり、退屈そうにしないで、トットちゃんが話してるのと同じように、身をのり出して、一生懸命、聞いてくれた」校長先生のような姿勢で子供と向かい合えるだろうか(小1の子供の4時間の話という迫力すごさ)。高橋君が感じた「トモエに最初に行った日のこと」が分かるだろうか。<br>
    大人になっても先生の教えが残っていて、違った角度から見てこんなに深い意味があったのだと気付く。あの教えがあったから今までの自分がある。そんな先生や学校に出会えたら幸福だなあと改めて思う。

  • 情景が目に浮かんでステキな教育を感じれた。一度は読んでおくといいと思う。

  • トットちゃんこと、黒柳徹子。
    平日の昼間、自らの部屋に多くの芸能人を招き入れる、あの黒柳徹子の幼少期を綴った作品である。
    言葉を選ばずに言ってしまえば、変わった子だ。みなさんの近くにも1人は居たはず、とは簡単に言えないほどに。しかし、変わっていることがダメだということではない。
    彼女は、トットちゃんは、小さな体で多くの風を受けながらも、颯爽と歩いている。その姿は、黒柳徹子の背中が微かに見えるものである。

  • 愛のある知恵が本ぜんたいに散りばめられています。お弁当には「山のものと、海のもの」を必ずいれるように、という校長先生の教え。なんでもすきなものから勉強してよくって、早くに勉強が終わったら散歩に行ける。プールには裸ではいり、運動会の商品は野菜にする。きっと、うんうん唸って、子どもたちのことを想いながら閃いたんだろうなという、キラキラしたアイデアでいっぱいですね。黒柳徹子さんの、あののびやかなキャラクターは小学校のころ、こうやって育まれたのだな、と思って読むと、おもしろさもひとしおです。笑

    自分のなかの子どもがケラケラ笑ってるような気がしました。

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著者プロフィール

女優・ユニセフ親善大使。東京都生まれ。自伝的著書『窓ぎわのトットちゃん』でも描かれたトモエ学園から香蘭女学校を経て東京音楽大学声楽科を卒業、NHK放送劇団に入団。NHK専属のテレビ女優第1号として、現在にいたるまで大活躍している。『窓ぎわのトットちゃん』(1981年)は、800万部というベストセラーの日本記録を達成し、全世界で2500万部を売り上げている。アジア初のユニセフ(国連児童基金)親善大使として、長年にわたりアフリカ、アジアなどを各国を訪問、めぐまれない子どもたちのことを知ってもらうための活動に力を入れている。

「2023年 『トットちゃんの 15つぶの だいず』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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