ふたりのイーダ (講談社青い鳥文庫 6-6)

著者 :
制作 : 司 修 
  • 講談社
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本棚登録 : 117
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061470118

感想・レビュー・書評

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  • お母さんの仕事の都合で広島の「花浦」の祖父母の家に預けられた直樹。まだ「ふたちゅ」の妹のゆう子と。
    近所でコトコトと歩き、話す椅子に出逢った直樹は廃屋の洋館に迷い込む。
    「この家いいなあ。きれいにして、ぼく、住みたいや。」と直樹がいう洋館が素敵。

    椅子の謎、イーダの秘密。
    妹ばかりが家族の話題の中心なことにむくれていた直樹が、椅子のゆう子への執着に妹を守るお兄ちゃんになっていく。
    ゆう子の言葉や行動の可愛さ、直樹の無謀にも思える一生懸命さ。
    戦争のお話というので、かげおくりのような悲惨な最後を想像して読みながらも憂鬱だった。
    もちろん、戦時の話は悲しい。でも、最後の前向きさに胸がギュッとなる。
    「キノウノキノウ」の出来事を忘れず、「しあわせな日が、もう一度くる」ように。

  • 「子どもを本好きにする10の秘訣」>「命・生き方」で紹介された本。

  • な作家さんがおすすめの童話として紹介しておられ、
    読んだことがなかったので読んでみました。
    子供の時に読んでいたら衝撃を受けたのではないかと思いますが
    今大人になってから出会ったのにはそれなりの良さもあり
    良いタイミングだったかもしれません。


    動いて話す椅子と少年が出会うというファンタジーでありながら
    物語は日本の近代の歴史に切り込むちょっとしたミステリーであり
    史実でもあるというストーリーが素晴らしいです。


    大人である自分の視点だと、母親と妹はちょっと身勝手に感じるのですが
    直樹がそんな環境で親に振り回されつつも妹の面倒を見て
    出会ったおねえさんにも失礼を働かないようにと幼いながら気を遣い
    健気だなと思いました。
    そしてさらに、ほんにんとしては「キノウ」か「キノウノキノウ」としか認識していないとしても、
    ずっとずっとひとりでイーダちゃんを待ち続けた椅子もとても健気で切ないです。
    椅子がいつか、自分の覚えているイーダちゃんはもう戻ってこないけれどこの人はイーダちゃんだと認識してくれる日がきたなら良いのですが。
    せめて、りつ子の言っているような”イーダちゃんが戻ってくる日”が訪れることを願わずにはいられません。

  • 2017/5/13
    映画を観た。

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    「イナイ、イナイ、ドコニモ…イナイ…。」直樹とゆう子の兄妹は、おかあさんのいなかの町で、だれかをもとめてコトリ、コトリと歩きまわる小さな木の椅子にであい…。原爆の悲劇を子どもたちに語りつぐ古典的名作。

  • ひらがなだらけ、漢字にはルビ振られまくり、言葉遣いも子供向けなのに、それが全然気にならなくてすごい。

    小学生で初めて読んだときはもっとこわくて打ちのめされて眠れなくなったのに、通勤電車と昼休みで読み終えられてしまったのがさみしかった。

  • 毎年この季節になると無性に読みたくなる一冊。
    子どものときは、なんだかぞっとするなあという印象しかなかったけれど、大人になってから読むと、原爆の悲惨さを伝えるのにこんな描き方もあるんだなと感銘をうける。

  • 広島の原爆を背景にした創作物語。最後の本物のイーダちゃんについては、腑に落ちないところもあるが、戦争を考えるという意味で読んで欲しい一冊。きちんと理解し読むには、高学年以上か?

  • 子ども時代に読んだことがあると思う。

    突然いなくなった女の子を探して動き回る椅子の謎を解きながら、原爆の落ちた広島に出会っていく子どもたち(小四の直樹と3歳直前のゆう子)の話。

    先日読んだ『屋根裏部屋の秘密』より、同じ兄妹が主人公となる第一作にあたるこの『ふたりのイーダ』の方が、ストーリーの組み立ても複雑で、かつ心に染みる。(屋根裏〜の方が直接的)

    戦争の描写とは関係がないが、もうすぐ3歳になるゆう子の描き方がとてもリアルでかわいらしい。

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プロフィール

1926年東京生まれ。児童文学作家。戦時中の1943年、童話『とかげのぼうや』を執筆。戦後、坪田譲治に師事し、1951年に『貝になった子供』を出版。1955年、瀬川拓男と結婚後、ともに民話の採訪に取り組み、共著『信濃の民話』『秋田の民話』を皮切りに、民話の採録・再話をつづける。
『龍の子太郎』(国際アンデルセン賞優良賞)、『ちいさいモモちゃん』(野間児童文芸賞)以降のモモちゃんシリーズ、『いないいないばあ』以降の「あかちゃんの本」シリーズや「あかちゃんのわらべうた」シリーズ、『朝鮮の民話』全3巻、『私のアンネ=フランク』(日本児童文学者協会)、『あの世からの火』(小学館文学賞)など著書多数。民話に関する著作に『昔話十二か月』全12巻、『現代民話考』全12巻、『現代の民話』など。

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