星からおちた小さな人―コロボックル物語 3 (講談社青い鳥文庫 18-3)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061470347

作品紹介・あらすじ

空とぶ機械の飛行テストをしていたコロボックル--ミツバチぼうやが、ゆくえ不明になった。知らせを聞いたコロボックルたちは、むかしからのおきてをやぶって、ぼうやをさがしだし、すくいだそうと力を合わせて動きだした。せいたかさんの子どものおチャメさんも大かつやくします。


 もくじ

  はじめに

 <質問>コロボックルって なんのこと。
     ★答えを知ってる人でも読んでごらん★

 第一章 空とぶ機械

 第二章 この世にただひとりとなるべし

 第三章 臨時マメイヌ隊員

 第四章 あまがえる作戦

 第五章 夕やけ雲



<A日本の名作 小学上級・中学から>

感想・レビュー・書評

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  • ひょんなことから人間に捕まってしまった1匹のコロボックルを助けるお話。

    ある日1匹のコロボックルが何かを背負って飛んでいる!
    試験飛行をしているのだ。
    コロボックルも人間同様一度は空を飛びたいと思うのだ。
    その夢が今叶おうとしているのだ。
    しかし...。

    面白かったです。
    コロボックルを拾った男の子がコロボックルを宇宙人(・・?)だと思うのは仕方ないと思いました。
    『ルルルルルルルル』って聞こえたもんね。

  • コロボックル物語の3作目です。
    今までは「人間に捕まったコロボックルは一人きりで生きていかなければならない」という掟がありましたが、せいたかさんとママ先生の協力もあってコロボックルの小さな国は発展しており、その掟を変えて捕まえられたコロボックルを助けに行きます。

    電気も使うようになり、空を飛ぶ機械も発明しているコロボックルたち。

    さらには、せいたかさんのひとり娘、オチャメさんも活躍し、シリーズの世界が重層的になっていて読み応えがあります。

    昔の作品ですが、「古さ」を感じさせない力を感じます。

  • 人間に捕まってしまったコロボックルを助ける冒険。

  • ミツバチ坊やといちゃお君がかわいい。とにかく現実にもあるかも、みたいな臨場感がたまらない作品です。以前作にも書いたが、児童のときに出会っていたら人生狂わされてたかも笑

  • コロボックルシリーズ3冊目。
    2冊目からは4,5年経ってるかな?
    今度は一人称ではなく三人称です。そのためコロボックルたちの行動と人間の行動両方が語られます。
    1、2冊目で出てきたコロボックルたちの立場はそんなに変わっていないようですが、若手コロボックルたちが育ってきて、コロボックルたちの国も飛行機械を作るほどに発達してきました。
    人間のほうは、せいたかさんの出番は少なくなって、その子供世代に話は移りつつあります。

    今回の事件はコロボックルたちが開発した飛行機械の事故から始まります。
    飛行機械の運転をしていた若いコロボックルのクルミノヒコ、通称”ミツバチぼうや”が、人間の少年”おチャ公”に捕まります。
    コロボックルの国の掟で「この世でただひとりとなるべし」つまり助けは難しい、仲間の事は言わずに死ぬまで一人でいるしかない。
    しかし今のコロボックルの国では時代に沿った新しい規則作りが進み、人間との関係も見直そうとしている。
    コロボックルたちはミツバチぼうやを救出し、これを機会に人間とコロボックルの関係が新しくなるのか…

  • 相変わらず小さな人間じみたコロボックルは人間社会の発展をなぞるかのように文明的発展(?)を遂げ続けています。  でもさすがに著者の佐藤さんもコロボックルという存在が人間模倣生き物ではいけないと感じられていらしたらしく(?)ところどころに、人間のやることをひたすら真似ているわけではないというような趣旨の記述がみられます。  

    そんな作者の迷いのようなものに接してみて、KiKi もちょっと考えさせられました。  よくよく考えてみればこの物語が書かれた時代は、それまでとは見違えるような変化が生活のあらゆる面で目まぐるしかった時代だったわけです。  しかもそれまでは「夢物語」と思われていた様なことが日常生活レベルで実現できるようになってきた進歩の時代。  さらには進歩≒良いことという価値観が大きかった時代でもあるわけで、KiKi が前作の Review で書いた

    「どうせなら擬人化した小人ではなくどこか人間とは価値観とかものの考え方に大きな差がある生物であってくれた方が異文化交流の雰囲気が出てきてハチャメチャかもしれないけれどもっともっと楽しい物語になったんじゃないかと思わないでもありません。」
    というような感想は後出しじゃんけんみたいな意見なのかもしれないなぁ・・・・と考えさせられました。  実際、KiKi もある年齢までは都会でバリバリ働いて、必要なものは稼いだ金で買えばいいという価値観で生きてきたわけで、ここ何年かで初めてそんな生活スタイルに「待った」をかけるようになったわけです。  そういう意味ではあの都会生活時代であればコロボックル社会の発展する様を「よし、よし」と上から目線で納得していたかもしれないなぁ・・・・と。



    さて、そんなプチ人間化しつつあるコロボックルたちが飛行機まで作っちゃって(と言ってもそのスタイルは人間社会の飛行機黎明時代の人力・脚漕ぎ飛行機そのままだけど 苦笑)テスト飛行と洒落こんでいる時に大事件発生。  ちょっとしたトラブルで墜落しちゃったテスト・パイロットがコロボックルの味方である「せいたかさん」でもなければ「ママ先生」でもない、別の人間の子供に捕まってしまいます。

    この子が実にいいんですよね~。  KiKi の子供時代にはこういうクラスメイトが少数ではあってもいたっけなぁと思わせるやんちゃぶりです。  捕まっちゃったコロボックルの方もこの子のことがだんだん好きになっていって、仲間のコロボックルたちに救出された後には「たまには又遊びに行くよ。」と約束するぐらいになっていきます。  こうしてコロボックル達の存在は少しずつ人間に知られていくようになるんですねぇ。

    因みにその「捕獲されたコロボックル救出作戦」の中で意外な働きを見せるのが「せいたかさん」と「ママ先生」の間に生まれた愛娘のおチャメさん。  この子は両親からもコロボックルたちからもちゃんとコロボックルのことを教えられたわけではないのに、彼らの存在を日常的に感じ、尚且つそれを「秘密にすべきこと」と心に決めている繊細な神経の持ち主です。  このおチャメさんのアップの挿し絵があるんだけど、その挿し絵がこれまた素晴らしい!  いかにも日本人の小さな女の子。  しかも邪気のない顔をしていて、挿し絵ながらもギュッと抱きしめてあげたくなっちゃうような可愛らしさです。

    さて、こうして少しずつ人間の知り合いが増えていくコロボックル達の今後はどうなるのかしら?という疑問を残し、第3作は幕となりました。  次に図書館に行ったらこの続編の「ふしぎな目をした男の子」と「小さな国のつづきの話」を借り出してこの物語の完結をちゃんと我が目で確認したいと思います。

  • おちゃめさんの考え方と行動は小学2年生ながら、私が憧れている姿で、せいたかさんの娘はさすがだな、と思いました。また、世話役が登場したときには安心感と偉大になられて、、という誇らしい気持ちにもなります。

  • 「空とぶ機械」
    試験飛行の最中に。
    こればかりは偶然が重なり起こった不幸としか言いようがないが、無事を願うしか出来ないだろう。
    道も知らぬのに勝手に動き回って、帰り道を見失ってしまうだなんて困った子供だよな。

    「この世にただひとりとなるべし」
    緊急事態は続いて。
    人間が沢山いる場所に落ちたというだけでも大事件なのに、まさか拾わるとは誰も思わないだろう。
    冷静になって考え直してくれたおかげで、延命されたようなものだが危険な状態だろう。

    「臨時マメイヌ隊員」
    予想通りの状態に。
    こんな状況に陥ってしまったら、仲間が助けにくるなど希望を抱くだけでも苦しくなってしまうな。
    自分にとって信用できる相手だったとしても、ふとした瞬間に口にする危険はあるのに。

    「あまがえる作戦」
    ほんの少しの油断。
    しっかりと機械の事を理解していれば、あんな過ちを犯してしまうことなく大人しく居ただろうに。
    自身たちの力で出来る限界を超えた時に、頼れる者がいるというのは心強いことだろう。

    「夕焼け雲」
    助けてくれた者は。
    誰もが想像すらしなかった者だったろうが、幼い頃から少しでも教えてもらっていたからだろうな。
    子供だから出来る事も多かっただろうが、この子がしっかりしているのが一番大きいな。

  • おチャ公いいやつだった。

  • せっかく機械を使って飛べるようになったのに、鳥に見つかって落とされて、かわいそうだなと思った。また、大丈夫かな、とも思った。
    鳥に落とされたコロボックルがおチャ公にかくまわれていて、怪我していたけれど無事で、よかったなと思った。

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著者プロフィール

1928年、神奈川県横須賀市に生まれる。1959年、『だれも知らない小さな国』を出版し、毎日出版文化賞、国際アンデルセン賞国内賞他を受賞。コロボックルシリーズをはじめ、『かえるのアパート』、『おばあさんのひこうき』などの名作を次々に発表。日本の児童文学の代表的作家の一人。

「2009年 『もうひとつのコロボックル物語 ヒノキノヒコのかくれ家 人形のすきな男の子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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