クレヨン王国の十二か月 (講談社青い鳥文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 109
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061470439

作品紹介・あらすじ

大みそかの夜、ユカが目をさますと、12本のクレヨンたちが会議をひらいていた。クレヨン王国の王さまが、王妃のわるいくせがなおらないうちはかえらない、といってゆくえをくらましたのだ。おどろいた王妃は、ユカといっしょに王さまをさがしもとめて、ふしぎな旅に出る。

感想・レビュー・書評

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  • 読み終えると、12色のクレヨンが欲しくなってくる。色んな世の中の色を確かめたくなってくる。読後感が心地良い。
    フラミンゴが簡単に大量に死んだりと、あっさりとした残酷さはたまにあるが、そうゆう気軽さで読んで楽しむ物語。ただ明るいだけでないのが読み応えがあって面白い。

  •  大みそかか元日に読みたかったけど、少し出遅れ。12か月を12色で彩り、シルバー王妃の12の悪いクセを1つずつ改めながら、逃げたゴールデン王を探す旅に出る。小学生の頃にこの美しい世界にすっかり魅了された。なぜ今はそんなに人気がないのか不思議。ついでに三木由記子さんの挿絵付きが至高。
     中でも、6月の人形の町の世界各国の人形とごちそうがとても魅力的。何回も再読しているのでどの月も鮮明に覚えており、好きな話しかない。10月の少し切ない終わり方も良い。新しい月になるたびに、次の月の色の服に着替えるのが少女心をくすぐられる。

  •  クレヨン王国のシルバー王妃と共に、12の町を旅する少女・ゆかの成長を描いた児童文学の名作。

     大晦日の夜。
     世界の光が、逃げた!

     金色と光を司るクレヨン王国の王様。そんな彼が逃げ出したのは、お妃であるシルバー王妃が原因でした。
     散らかしぐせ、お寝坊、嘘つき…美しい王女が抱えていた十二の悪癖。それをすべて直すまで、王様は帰らないというのです。
     王妃とともに旅立つゆか。十二の町を彩るのは季節の植物やユニークな動物たち。それぞれの町で、たくさんの人々と出会います。
     ゆかとともに過ごす十二ヶ月の旅の中で、彼女の悪癖はひとつひとつ、愛らしい美点へと変わってゆくのでした。

     小さな子どもの皆さんにはもちろん、大きな子どもの皆さんにも、読んでほしい作品です。
     読み返すたびに、少女の頬が、少年の瞳が帰ってくるような、新鮮なワクワクが溢れてきます。
      読んだことのない方はもちろん、むかし読んだという方も、もう一度手に取ってみてください。

     何度でも、新しいクレヨンの箱が開かれるはず。

  • クレヨン王国第1作目。
    小2のユカとクレヨン王国のシルバー王妃が王妃の性格が嫌になって逃げ出したゴールデン国王を追っていく。行きて帰りし物語という大まかな流れがある中で、12か月、一月一色一つずつストーリーを組み立てていく、最高に素晴らしい!三木さんの絵が想像を補いつつ引き立てる!やっぱりもっと評価されるべき!

  • 子どもの頃大好きで何度も読み返した本。
    高校生の頃に大人にならなくちゃと手放してしまったけれど、手放してすぐに後悔した。
    ずっと思い続けていたけれどこのほどようやく中古で再購入。
    いい大人になっても面白くて、やっぱりシルバー王妃が大好きだった。
    シリーズの中でも一番好きな作品。

  • 小学生の時にワクワクしながら読んだ作品の1つでした。
    自分の12の悪い癖のせいでお城を出ていってしまったゴールデン王様を連れ戻すべく
    小学生2年生のユカと共に自分の癖を改めながら旅をすることになったシルバー王妃。
    他人のふり見てわがふり直せといった感じで
    最初はわがままでどうしようもない王妃も
    ユカの支えもあり、少しずつ成長していく様はなんだか温かい気持ちになります。
    こんな内容だったんだっけ?
    と随分昔に読んだ内容に新鮮さや懐かしかしさを感じつつ楽しく読み進める事が出来ました。

  • 子どもの頃から大好きなクレヨン王国シリーズを再読。
    小学2年生のユカが、欠点を12個も持つ王妃(大人の女性)と旅をする。大人と子どもの役割が逆転しているのが面白い。
    ストーリーセンスも抜群。
    そして久しぶりに読んで、文章の美しさに改めて気づいた。
    最終章の初日の出を見る場面、「色が、おきてくるのです。/かくれていたところから、でてくるのです。そして、木の芽のように、ぐんぐん、そだつのです。」なんて、秀逸。

  • クレヨン王国シリーズが大好きなんですが、1冊目は不思議と未読でした。古本屋で状態のいいものが売られていたので思わず購入。これがシリーズ第一作目なんだと思うと、なんだか感慨深いです。
    12の町をめぐり、王妃の悪い癖を治しながら王様を探すという構成で、登場人物たちもユニークでおもしろい。福永さんは文章がとてもお上手なので読みやすく、頭の中にイメージが湧きやすいのも素晴らしいと思います。また、初期の頃の三木さんの挿絵は本当に素敵で大好きです。
    物語としては2作目からのほうが好きなので★は4つにしましたが、永久保存版として大切にしたいと思います。

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    クレヨン王国の十二か月

    講談社 青い鳥文庫 20-1

    著者:福永令三(ふくなが れいぞう)
    画家:三木由記子(みき ゆきこ)

    1980年11月10日 第1刷発行
    1990年1月2日 第31刷発行

    ☆第5回講談社児童文学新人賞受賞作
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    カバー裏表紙より
    大晦日の夜、ユカが目を覚ますと、12本のクレヨンたちが会議を開いていた。クレヨン王国の王様が、王妃のわるいくせなおらないうちはかえらない、といって行方をくらましたのだ。おどろいた王妃は、ユカと一緒に王様を探し求めて、不思議な旅に出る。
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    この本を手にした理由
    家族が子どもだった頃、一時期このシリーズが大好きで読んでいた。このシリーズの本が沢山出てきてその当時自分は読まなかったけど、どんなお話だったのか興味を持ったので。
    シリーズ化されていること、児童文学新人賞なる(権威はよくわからないけど)賞を受賞していることから当時の人気作品だったのかなと期待して読んでみた。
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    ガバー表紙には主人公のユカ(パジャマすがた)と王妃と数本のクレヨン大臣たちが何処かへ疾走るすがた。
    カバーを外してみると、(モノクロなのでわからないけれど、王冠をかぶっているから多分)王様がスタコラサッサと走っている。逃げている様子。
    子どもの本って、こんなところにも想像の種が撒き散らされていて、それをどのくらいの人たちが気がつくか、気に留めているかは不明だけど、創り手たちのいたずらな気持ちや、お話の余韻まで楽しめるようにって言う気遣いなどが見れて、宝探し的に楽しんでしまう。
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    もくじ
    ふしぎな大みそか
    雪だるま競争
    月りょこう
    ホントザクラ
    青井青太(あおいあおた)のこと
    にげたこいのぼり
    にんぎょうの町
    森のまつり
    海と空の旅
    けちんぼ所長
    だるまおやじ
    まよい道
    がいこつ島
    お正月
    あとがき
    解説(西沢正太郎)
    目次の挿絵は逃げる王様と追いかけるクレヨン12本 パジャマのユカとシルバー王妃。
    目次をめくると著者さんの言葉がある
    「大人が大きな子どもであるように、
    子どもは小さな大人である。」 福永令三

    こどもを 子供ではなく 子どもと表記するところも著者さんがその年令の人達をどう見ていたのかを知る一端と感じた。子どもと、言葉に真摯に向き合う人だったのではと勝手に想像する。
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    大みそかのよるです。/「あけましておめでとう、マリねえさん。ことしもよろしく、ね。」
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    王妃の悪い癖
    散らかしグセ・おねぼう・うそつき・じまんや・ほしがりぐせ・へんしょく・いじっぱり・げらげらわらいのすぐおこり・けちんぼ・人のせいにする・うたがいぐせ・おけしょう三時間
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    このシリーズは1980年のこの一冊を皮切りに、シリーズは続き新装版1冊を含み2015年にベスト・コレクションまで48冊が出ている(その後の有無は不明)
    画家さんが変わり新装版も出ているようです。
    アニメもあるようで、色がベースにあるお話だし、テンポよく場面が変わるので人型キャラクターが漫画チックでなければ楽しめそうです。

    作者さんについて
    (1928年~2012年) 名古屋市生まれ 早稲田大学文学部国文科卒業。1956年、第9回オール読物新人杯1963年モービル児童文学賞。1964年「クレヨン王国の十二か月」で第5回講談社児童文学新人賞を受賞。

  • 子供の頃読んで、その空想に浸ったお話。
    今読んでもすっと頭に入ってくるし情景が浮かぶ。大好き。
    しかし改めて読んでみると結構シルバー王妃とユカは大量殺戮しているし、冤罪とは言えど裁判やいろんなものから逃げ出しているし、『無責任』という印象も拭えなくはない。
    逆に言えば、『どうにもならないことからは逃げていい』というメッセージなのだろうか。王さまも初っ端から話し合いもせずに相手に委ねて世界を天秤にかけて逃げるし。
    まあ、小学二年生の夢なので仕方がないのか、あるいはユカ、学校や家庭が楽しくないのか。友達や家族のことを一切考えない描写は、小学二年生だとあんなものかな?
    大好きだけど、今の仕事についてからの僕は、ユカのことが少し心配だ。

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著者プロフィール

名古屋市生まれ。早稲田大学文学部国文科卒業後文筆活動に入る。1956年 オール読み物新人賞受賞。1963年 モービル児童文学賞受賞。1964年 『クレヨン王国の十二か月』で第5回講談社児童文学新人賞受賞。1968年から1988年まで、自然に親しむ心をもった児童を育てる目的で学習塾を開く。
2012年逝去。主な著書に『クレヨン王国』シリーズ47タイトル、『静かに冬の物語』(以上すべて講談社刊)などがある。2012年逝去。

「2016年 『クレヨン王国黒の銀行(新装版) クレヨン王国ベストコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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