- Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061471030
作品紹介・あらすじ
ウサギのロぺは、ちほと健治きょうだいの大のなかよし。ある日、ゆくえ不明になった健治たちをさがしに出かけたちほは、ロぺの案内でクレヨン王国へ。そこで、悪魔のアオザメオニと対決することになったが、それには、どうしても伝説の花ウサギのすむヤマボウシの木を見つけなければならない……。『クレヨン王国の十二か月』の姉妹編。
感想・レビュー・書評
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自然破壊・環境問題について深く考えさせられる作品。山へハイキングへ行ったちほの兄・健治と同じ班の児童3人、校長先生が悪魔のアオザメオニによって虫や鳥、魚などに姿を変えられてしまう。ちほと飼っているウサギのロペは兄の救出へ向かう。
ヒキガエルが毎年産卵する池へ向かう途中に高速道路が敷設され、多くの仲間が死んでしまったり、せっかく水辺を見つけても洗剤などで汚されていたり、無数の生き物が棲息する池が工事により枯渇の危機に陥ったり。生き物の目線から描くことで、自然破壊の影響を間近に感じることができる。
ヒキガエルのエピソードは特に印象的で、幼少期から深く心に残っている。今はカエルや虫とふれあったりはできないが、生き物側の視点は忘れてはいけない。
レモン色の満月と白いヤマボウシの花の描写がとても幻想的で、やさしい挿絵もたまらなく好き。 -
子どもの頃、この本を読んで『ヤマボウシ』の木が欲しくなって親に頼んで買ってもらった思い出があります。今でも家の『ヤマボウシ』は元気です。そろそろこの本のように上の方が雪のように白くなります。
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子どもの頃は「クレヨン王国の十二か月」が好きすぎて、ユカちゃんやシルバー王妃が登場しない上に知らない植物の名前が多すぎてあまり面白いと思えなかった。
けれど何となくずっと気になってはいたので、今改めて読んでみたら、とても素晴らしい作品だった。
三木さんの挿絵もあってとても愛らしい印象だけれど、自然破壊に警鐘を鳴らす辛辣な内容で、大人な今の方が断然胸に響きました。
クレヨン王国だけに色の描写が美しい。 -
クレヨン王国の中でも、身近な自然破壊に対する嘆きや憤りが強く伝わってくる作品。
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クレヨン王国シリーズの中でも、好きな作品。
ちほとうさぎのロペがあくまに変身させられたお兄ちゃんを救うための冒険物語。
クレヨン王国のテーマである自然の大切さをテーマに、元気なちほとロペが大活躍する。虫や魚に変えられてしまったお兄ちゃんたちの、それぞれの視点から見つめる自然破壊の悪影響も、私の自然に対する考え方を育ててくれた。
子どもにも、ぜひこの本やその他のシリーズを通して自然を感じてほしい。 -
私も昔うさぎを飼っていたので、読んでいて子供のころの思い出が蘇っていろいろな気持ちが押し寄せました。ロペは福永さんが飼っていたうさぎさんの名前なのですね。植物への観察眼がすごい福永さんですが、うさぎを見つめる目も優しく、心が温かくなりました。(私は子供のころ、こんな風に生き物を見つめることはできなかったな…、と反省もしました)
巻末にロペちゃんの写真が掲載されていてかわいかったです。
物語は今回も秀逸で、校長先生や子供たちがカエルやテントウムシになって懸命に生きる様子がなかなか考えさせられます(特に、フナになったお兄ちゃんの行動は感動的でした)。人間は自然をもっと大切にしなければと嫌でも思ってしまいます。
とても面白い本なので、みなさんにおすすめしたいです。