子鹿物語 (講談社青い鳥文庫 (64‐1))

  • 講談社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061471191

感想・レビュー・書評

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  • 本を読んで初めて泣いた本。

    母親に「どうして可愛がっていた子鹿を殺さなければならないのか」と
    質問攻めにした記憶が・・・。

    現実は厳しいということを人生で初めて教えてくれた思い出の本です。

  • 児童文学。
    好きなだけじゃやっていけないのね。
    現実を知って苦しくなった本。
    アメリカ?の田舎生活もいいね。

  • (2010.01.06読了)
    偕成社文庫の「子鹿物語」は、(上)(中)(下)の三巻、光文社古典新訳文庫の「鹿と少年」は(上) (下)二巻です。手元にある読んだ本は、280頁ほどで、一冊のみです。原作をかなり省略しているのでしょう。でもずいぶんおもしろく読ませてもらいました。名作のひとつなのでしょう。

    物語の舞台は、フロリダ半島の原生林で生活するバクスター一家です。
    家族は、背の小さいお父さんのペニー・バクスター、よく太ったお母さん、それとジョディー少年(13歳)の3人です。
    「松の島」と呼ばれる高台に住んでいます。森へ移り住んだのは、広々として、人里離れた森の静けさに引きつけられたから、でした。(29頁)
    一番近くの隣人は、6キロ離れたフォレスター家で、「松の島」は、フォレスター家から買い取った物です。
    家畜を養い、作物を作り、野生の動物を狩って暮らしています。狩りのための犬もいます。
    お父さんとジョディーが、いなくなった豚を探している時、お父さんがガラガラ蛇にかまれてしまいました。ヘビの毒を吸い取るためにやむを得ず、子持ちの雌鹿を殺してしまいます。鹿の肝臓が毒を吸い取ってくれるのだそうです。
    残された子鹿をジョディーが飼うことになるのですが、何度も作物を荒らすので、鹿のフラッグを殺さざるを得なかった、という話です。作物が収穫できなければ、一家は暮らしてゆけないのです。

    ●豚がクマに襲われた(61頁)
    「獣には、盗むなんてことはわからんのさ。獣だって生きていかにゃならんし、そのために死に物狂いなんだ。この土地はわしが買い取ったもんだなんてことは、獣にはわからん。わしらは豚をくわにゃ生きていけんが、そんなことは、クマにゃ分らない。」
    ●フラッグのいたずら(237頁)
    フラッグは、育つにつれて、ますますいたずらになった。豆の入ったなべをひっくり返したり、眠っているお母さんの顔に鼻を押しつけてびっくりさせたり、煙草の苗床を踏みにじったり、という具合なのだ。ジョディーは、何とかフラッグのいたずらをやめさせようとしたが、効き目がなかった。

    自然の猛威、自然の恵み、野生と闘うための人間の知恵、等、いろんなことが盛り込んであります。意地悪な人間、優しい人間、いろんな人間が登場します。

    作者 マージョリー・キンナン・ローリングズ
    1896年、アメリカのワシントン特別区生まれ
    大学を卒業後、新聞記者となる
    1928年、フロリダ半島に居を定める
    1938年、「The Yearling」(子鹿物語)でピュリッツァー賞を受賞
    1953年、脳出血で死去、享年57歳
    (2010年1月14日・記)

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