- Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061471283
作品紹介・あらすじ
盲腸の手術をした5年生の正君におばあちゃんが12色のクレヨンをくれました。そのクレヨンの1本1本が、正君のねむりの中に順々にあらわれて、むらさきはスミレの花、みどりはヘチマ、黄色はエンゼルの話……12のお話をはじめました。楽しくて、すこし心がいたむ「クレヨン王国」シリーズ4作め。
感想・レビュー・書評
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盲腸の手術をした正くんのもとに、おばあちゃんが差し入れてくれた12色のクレヨン。そのクレヨンが語る色とりどりの12の物語だが、タイトルとあらすじから想像する可愛らしさからは少し離れた作品が多い。自分の悪口を聞いてどんどん性格が歪んでいく『ドングリのかくれんぼ』、友情の嫉妬に狂った月が世界を破滅の危機に追いやる『ラッパふきのエンゼル』、住処を理不尽に奪われていく『野原のひっこし』、自らに想いを寄せるカレイを食材としてしか見ていない少女が登場する『水色の自転車』。中でも『ブタ別荘』の玉光のセリフ「いちばんすきな人が、いちばんこわい人なのだ。育ててくれた人が、ころそうとする人なんだ。」は心にずっしり重く響く。今読んでも十分楽しめる。
もちろん『レールの中のスミレ』や『北風フーと青空スー』のような児童文学らしくほっこりするものもあるので安心して読める。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2008/03/25読破。
クレヨンの色の名の付いた12話の短編集。作者の意見、意思が直に伝わって来る作品。
文体は柔らかだが、中身は怖くなる。なぜなら、子供だけの心を失ってしまった私たちが、本来考えねばならない問題を
直接的に訴えてくるからだ。そして、真実を突きつけて来るからだ。
育ててくれた人が殺そうとする人。と言うフレーズが離れない。 -
少し切ない話が多かった。
小石とスミレの花の話が1番好きかな。
どんぐりが報われ無さすぎる。そんなところで根を張っても、いずれ枯れてしまうのではないか。
色に因んだ短編集だが、もっといちご村の話が欲しかった。 -
クレヨンたちが語る12の物語。
クレヨン王国シリーズ4作目にして初めての短編集。
自然と人類の共生をテーマに、向日的な明るい作品や、人類を痛烈に批判する作品など、バラエティーに富んだ作品が並ぶ。
自然の描写が豊かなので、目の前に情景が広がってくるようでとても楽しい。 -
子供の頃に何度も読んで、本棚ごといつのまにか親に処分されていたけど、最近古本屋で再会しました。
お互いを思うスミレと石たちの話が痛いほど胸に迫って、ぼろぼろ涙が出て止まりませんでした。
児童向けと思って外で読むんじゃなかった。
恐ろしくも哀れな月や、その勇気に心の中で一生懸命応援してしまう風の子。
今でも私にいろんなことを思い出させてくれました。
子供だけでなく、大人に読んで欲しい。 -
入院したぼくの夢に、くれよんの各色それぞれの物語がでる。オムニバス。さいごはいちご。
C8793 -
ハッピーエンドは少ない。そこがかえって良い。考えさせられる小話集。
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クレヨン王国は短編集もけっこう好き。シュールなのとか、容赦ないのとかもきちんと入れてくれるから。「ラッパふきのエンゼル」「北風フーと青空スー」「野原のひっこし」
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オムニバス形式の短編集です。色彩豊かに、ユーモラスな話、考えさせられる話をとりまぜてあります。私がおすすめなのは「水色の自転車」です。
詳しくは http://d.hatena.ne.jp/ha3kaijohon/20120702/1341215506 -
盲腸の手術をした正くんに
おばあちゃんがくれた12色のクレヨン。
その夜から夢の中に1本1本現れるコレヨン達が
12色のお話を語りだす。
クレヨン王国シリーズで
いちばんすきだった1冊。
三木由記子さんの挿し絵は
大きくなってから見ると
本当に美しい。