クレヨン王国 月のたまご PART1 (講談社青い鳥文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061471900

感想・レビュー・書評

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  • 小学校の頃読んだものを再読。
    わざわざ図書館で全巻借り。
    それくらい心に残っている作品。
    児童書だから大人向けではない、とは違う。
    ただ単に夢と希望で満たせばいいわけじゃない。
    今読み返すと、その部分が胸に響いてくる。

  • 冒頭の試験から落ちたという現実的なショック。そこから、三郎と会って、アラエッサやストンストンと会って、クレヨン王国に行って、準備して、という流れまでまゆみと同じように冒頭の出来事など吹き飛ぶくらいワクワクした。
    後半は、第二次世界大戦の戦死者がこけしとして登場したり、まゆみがクレヨン王国から出て目が覚めると広島の原爆跡地にいたり、思ったより重いテーマが少し出てきた。月のたまご自体が人間たちの憎しみなんかを回収する役目があるため、その月のたまごを守り育てる婆さん(人間とは逆の歳の取り方をし、最後は赤ん坊になる)が脱皮する度に憎しみの生物を落としていき、アラエッサとストンストンのやりとりで明るさがあるものの、思ったより暗い話だった。
    落ちも三郎のその後は不明で、まゆみ、アラエッサとストンストンらだけそれぞれ元の場所に戻る。
    まゆみは帰り際、階段を登りながらこれまでの冒険のことを1人語りながら登るよう助言を受けて従っていたが、現実では意識不明で入院していたまゆみが急に喋りだしたので慌てて先生らが録音しつつ、両親らも聞いていた。
    そして起きてみるとまゆみから冒険の記憶は全て消えており、病室で語っていたことも知らない。
    合格祝いに、と父親が買っていたのは、何かに導かれるようにして買った、三郎がまゆみに渡したものと似ている指輪。
    まゆみは指輪をはめながら、私、思い出せないの、とつぶやく。思い出せないけどこの指輪が重要だったことは覚えているという、切ないけど素敵な終わり方だった。

    解説で、三郎に関する解説があり分かりやすかった。あとがきによると、元々はこの1冊で終わる予定だったが、ファンレターで2人をくっつけて欲しい要望が多く、続編にいたったらしい。

  • 小学生の頃から何度も読み返した月のたまご全8巻。私の原点といったら大げさか。
    大人になった私は、人間や世界が美しいばかりじゃないことを知ってしまったけど、まゆみのような澄んだ心を持ち続けていたい。
    「してはいけないことは、いつだってしてはならない」当たり前だけど、簡単じゃない。
    今だからこそまた読みたい本。

  • 中学受験に落ちたまゆみが、三郎についていってしまうあたり、「児童文学でそんなこと書いちゃダメー」って老婆心もわきましたが(笑)
    『パトロール隊長』も、これは本当に児童文学か!ってくらいに、つらい過去と現在、そしてつらい決断と涙の連続だったけれど、月のたまごもこんなすごい話だったっけ……これは、これはそりゃ、この話がここで終わったら、手紙書ける子なら訴えるよねえ。そうだよねえ。ここじゃ終わりじゃないよ。
    これじゃあ現実に帰れない。

    ヒロシマの話とか、悪意の旗兵士とか、黒髪山の婆が悪意を浄化しながら進むとか、サードへの敵対勢力とか……
    クレヨン王国が美しいだけの国ではないことが、ひしひしと迫る。

    まゆみ、心がきれいで……到底十二歳には思えない大人びた少女。
    まゆみが自分の中の悪い心を吐き出して(あんなにいい子なのに、醜い心を持っていたことに、安堵でもなく人間らしさ親近感を覚える)いるとき
    「旗江の方がいい点を取ったっていうだけなのに」
    と、事実を事実としてだけ見て、自分が負けたという点を別の見方で消化しようとしたことに驚いた。
    それは年を重ねただけの大人でも難しいこと。
    福永さん、まゆみは理想の少女に過ぎる。こんな心、とても持てない。

  • 小学生の時に読んだ本を読みなおしました。当時夢中になって読んだ記憶が…ただ昔は気にならなかったんですが、今では三郎がロリコンなのが気になり ます。

  • 2011.03.23
    中学受験に失敗し、希望を失っていたまゆみは、青年・三郎と出会い、クレヨン王国へと足を踏み入れる。
    子ブタのストンストン、ニワトリのアラエッサと共に4人で始まった「月のたまご救援隊」の冒険の物語。

    この物語に出会ったのは小学生のとき。
    当時自分より年上だったまゆみは年下に、三郎とは、見た目に関していえば同い年になった。
    わたしは、サードという名前より三郎という名前のほうが好きだ。
    三代ごとに生まれる第三王子は、生まれる前からきっと「サード」と呼ばれていたのだろう。
    それは三郎にではなくその特殊な役割に付けられた名前である。
    三郎がまゆみに「三郎」と名乗ったのは、自分を一人の人間として見てほしいと思ったからなのではないか。
    憎しみを浄化して光にかえる黒髪の婆
    しかし絶えず人間は憎しみを生み出し、原子爆弾という形でさらに婆を追い詰めた。
    「まんぞくしないものが、まんぞくしているものを攻撃する、これが人間の歴史だよ。ーーだからまんぞくしてると、危険なのだ。」
    という三郎の言葉がある。
    この物語は25年も前に書かれたものであるが、なんら人間は変わっていない。
    話のいたるところにまゆみの詩は、まるで挿絵のようである。
    生きて帰れるかもわからない旅の読者の緊張をほぐすような、そんな役割も果たしていると思う。
    続刊がないほうがよかったという声も多いが、わたしはどこか心に穴があいてしまったままのまゆみを見ていることはできない。

  • 小学校の図書館へ行っても、
    当時改築したばかりの市立図書館へ行っても、
    『クレヨン王国』シリーズがたくさん並んでいました。
    が、シリーズにちゃんと手をつけ出したのは
    小学校卒業してからだったような気がします。
    多分、小さい頃最初に読んだ『クレヨン王国の十二か月』
    がとっつけなかったからと思われ。

    『月のたまご』シリーズは、『クレヨン王国』の中でも
    一番作品の多いシリーズです。
    『月のたまご』だけでPART1〜8まであり、
    更に後日談が4作品。
    それだけに、登場人(?)物もの数もスケールも大規模。
    PART1の出版が1986年1月って、ちょうど
    私生まれたときだなぁ、とどうでもいいところで反応。

    長い長い作品だけど、まともに記憶が残っているのは
    やっぱりPART1かも。
    福永氏自体が戦争を体験している人だけに、
    『クレヨン王国』シリーズには
    戦争の悲惨さが描かれたものがちょこちょこあります。
    PART1もしかり。
    PART2以降は、病気蔓延(今話題のパンデミック)や
    女の嫉妬から来る執念だったり、軍事政権だったり、
    ”月のたまご”はそっちのけで話が進んでたように思います。

    ぶたのストンストンとにわとりのアラエッサは
    結構人気だったらしいですね。
    アニメ版にも登場していたそうです。

  • 小学生の時に読んで大好きになりました。
    高校生の時に再読してやっぱり好きでした。
    そろそろまた読みたいです。

  • とても思い入れのある話。そもそもはこれで完結する予定だったんじゃなかったかな。この結末は当時受けいれがたくて、でも今となっては必要な結末だったと思える。もっとも、すでに続きを読んでいるから言えることなんだけれど。PART1と書いていない、昔の装丁の月のたまごを探して古本屋をめぐっているのだけれど、まだ見つからない。

  • 子どもの頃夢中になって読んだクレヨン王国シリーズ。その中でも好きだった月のたまごシリーズを、久し振りに読んでみました。

    あまりのメッセージの多さに圧倒され、昔ほどストーリーに夢中になれませんでした。

    まゆみの三郎への思い、月のたまごの使命、黒髪山の役目、アラエッサとストンストンの人間臭さ(鶏と豚だけど)
    それを受け止める自分は大人になってしまったんだという事が、少し残念であり、悲しくあります。

    大人になった今、小中学生のようなみずみずしい感性を取り戻したい。そして、同時に物語のメッセージを大人として受け止めていきたいと思いました。

    私の好きな場面は、PART1ではなかったようです。なかなか手に入れにくい本になってしまったようですが、何とか最後まで読み返したいです。

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著者プロフィール

名古屋市生まれ。早稲田大学文学部国文科卒業後文筆活動に入る。1956年 オール読み物新人賞受賞。1963年 モービル児童文学賞受賞。1964年 『クレヨン王国の十二か月』で第5回講談社児童文学新人賞受賞。1968年から1988年まで、自然に親しむ心をもった児童を育てる目的で学習塾を開く。
2012年逝去。主な著書に『クレヨン王国』シリーズ47タイトル、『静かに冬の物語』(以上すべて講談社刊)などがある。2012年逝去。

「2016年 『クレヨン王国黒の銀行(新装版) クレヨン王国ベストコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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