クレヨン王国の赤とんぼ (講談社青い鳥文庫)

  • 講談社
3.39
  • (7)
  • (12)
  • (37)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 141
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061472228

作品紹介・あらすじ

美奈代の家には、壁にじっとしたままの"ふじみ"という赤トンボがいる。"ふじみ"は、うっかりとオーブンで焼いてしまった童話から出てきたのだ。美奈代・菊菜・良恵は、この童話の作者、由美をさがした。由美の心が明るく健康的でないと、"ふじみ"は、いきいきした赤トンボになれないのだ。そこで、アメリカにいる由美と、3人の少女たちの文通がはじまった…。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 先生のユニコーンの童話が素敵だった。
    どの童話もユーモアがあって面白い。
    そもそも、オーブンで童話集を焼くと赤とんぼが登場するというのが奇天烈。
    さらに童話の作者とリンクしているという。
    手紙のやりとりからは先が気になり、感動的だった。

  •  児童文学作家さんの五感は子どもの頃で止まっているんだろうか。読んでいると小学生の頃の世界の見え方が想起され、タイムトラベルをした感覚に陥る。
     物語は間違って童話集をオーブンで焼いてしまい、そこから1匹の赤トンボ“ふじみ”が飛び出した所から始まる。童話をオーブンで焼くという発想!そして死なない赤トンボが浮き彫りにする少女の生について。正直クレヨン王国シリーズの詩はむず痒くなってあまり好みではないのだが、本書の詩は琴線に触れた。心が澄み渡る1冊。

  • 心臓の病気やって言ってるのになんでそんなこと書いた手紙送りますか。
    ニューヨークを歩けるから入れ替わりたいとか、言われた方、今苦しんでいる当人からすれば、変われるものなら変わりたいよと思うでしょう。
    お母さんまで、夢にも思いませんでしたとか、気楽すぎます。
    ふじみにトンボらしく生きろなんて、誰がそんなこと言えるのですか、それぞれが、それぞれらしく生きるのが大事ではないのですか。
    普通なんてクソくらえです。
    彼女たち家族こそ、もっと広い世界を見て回らなければならない気がします。
    ふじみはそのきっかけになったのでしょうか。

  • 赤トンボがパリっと翅を打ちたくて、というあたりは覚えていたけれど、他はかなり忘れてた。
    でも、安心して読んでいたから、やっぱりなんとなくは覚えているのね。
    大きな冒険もなく、暗い話で、あまり売れなかったと福永さんが書いてらしたけれど、子供は正直、まあそうかも(笑)

    よく覚えていたのは、
    「遊んでいると、こんなことをしていいんだろうかって思うし、勉強していると、遊びたくなる。
    勉強に追われてる。勉強に追われてるってのは、勉強の時間にじゃなくて、勉強しなきゃっていう気持ちに」
    っていうようなくだり。

    そうだよねー百パーセントで遊べることって少ないんだよね。

    やさしい、いい話でした。
    きっと子供を持った親が読んだら、もっと違う感想になるんだろうな。
    子を思う親心の話でもある。

  • 子供の頃にはあまり理解出来なくて、冒頭の魔法使いを探す遊びしか覚えていなかった。
    何度も読んだはずなのに、断片は覚えていても全体のストーリーが頭に入らなかったのだ。
    肝心の赤とんぼの名前も「よしえ」だと勘違いしていた。(ここが一番のテーマでもあるのに!)

    今改めて読んでみると、経済や教育、人々の生活の変化などいろんなものが揺り動いた昭和の時代を切り取っていたことに驚く。
    例えば各家庭の教育方針の違いだとか、美奈代たちのお母さんがシングルマザーでバリバリ働いて他の母親から奇異の目で見られているところなども、まだこの時代には新しかったとも思うし、今の時代に通じているとも思う。
    そういえば田舎であった実家の周りでも、この頃から教育ママとか塾とか、激しくなってきていたなあ。

    最後に、全体的に良い話ではあるのだけど、美奈代のお母さんの「子供をもうけて命を繋ぐことが生きること」という持論は、今の時代には受け入れられるものではないだろう。
    美奈代、菊菜たちも当時小六なら現在は四十六歳くらいか。
    今の四十代は必ずしも子供がいるとは限らない。
    命を繋がないが自分のためだけに生きているわけでもない、第三の選択をした女性たちも増えてきた世代なのだ。

  • ふじみと家族の物語。クレヨン王国の現実舞台の話は少し暗いめのものが多い気がするけれど、これは温かい。『うそ800メートル夢街道』がなんだかとても好き。

  • クレヨン王国からやって来た「じっとしていて、なにもしないで、そのかわり、死なない」トンボのふじみ。
    ふじみはどんどん本物のトンボへ変化していきます。
    生きるってどういうこと?
    クレヨン王国哲学編。

  • もっともクレヨン王国シリーズらしくない一冊。ファンタジーというよりもリアルな描写が光ります。

    ネタバレは http://d.hatena.ne.jp/ha3kaijohon/20120713/1342174272

  • 遠く離れていても、つながっている。つながっている。

全10件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

名古屋市生まれ。早稲田大学文学部国文科卒業後文筆活動に入る。1956年 オール読み物新人賞受賞。1963年 モービル児童文学賞受賞。1964年 『クレヨン王国の十二か月』で第5回講談社児童文学新人賞受賞。1968年から1988年まで、自然に親しむ心をもった児童を育てる目的で学習塾を開く。
2012年逝去。主な著書に『クレヨン王国』シリーズ47タイトル、『静かに冬の物語』(以上すべて講談社刊)などがある。2012年逝去。

「2016年 『クレヨン王国黒の銀行(新装版) クレヨン王国ベストコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

福永令三の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×