クレヨン王国 新十二か月の旅 (講談社青い鳥文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061472365

作品紹介・あらすじ

わるいくせをなおしたシルバー王妃は、いまでは申し分のない王妃。飲む人の口からわがままを吸いとる、野菜の絵のついたカップを使って、“完全”な王妃を保っていました。でもそれは、とてもつまらなくてつかれる生活でした。ある日、1年牢というおそろしいブラックホールに落ちた王妃は、カップからぬけだした野菜たちと、12か月の旅へ……。

感想・レビュー・書評

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  • 野菜は健康に一番!
    たくさん食べんと、大きくなれん、よ〜!

    上の台詞は無いが笑、アニメではおなじみの野菜たちが登場。十二か月の旅でシルバー王妃の12の悪い癖は直り、野菜のカップに他の悪い癖12も封じ込め、王妃らしい王妃になった。が、逆に退屈すぎると王様や街の人達が感じる。
    欠点も美点であるという話。

  • 欠点が長所にもなり得る、の意味が子どもの頃にはわからず、ニンジッピとレンコポッチくらいしか好きになれなかった。野菜たちはもちろん、干支の動物たちもみんな魅力的。大人になって、多少の欠点には目をつぶれるようになったということだといいが。
     「十二か月」には負けるが、こちらも彩りゆたかな四季の旅で、ゆっくり1日1章ずつ味わって読みたくなる。郵便ヒツジがお気に入り。

  • ありのままの自分でいるということ。
    欠点をなくしていくことが素敵な人になるわけではない。
    じぶんらしくいられる場所とは

  • 子どもの頃に持っていました。
    今は挿絵がアニメ風に改訂されていますが、クラシックバージョンを見つけて迷わず購入。三木由記子さんの絵がほっこりします。

    12の野菜達のキャラクターが豊かで愛らしい…。
    個人的には砂漠の学校の章が好きです。
    児童書ですが、大人にもお勧め。

    「あたしは、あたしだから、しあわせなのだ。なんだって、そんなばかな、きまりきったことが、こんなに新鮮なんだろう。」

  • 「十二か月の旅」で、欠点を直して国に帰った主人公。それが王様の望みだったはずなのに、長年経つと、非の打ちどころがない王妃はなぜかくすんで見える…。今度は、欠点を取り戻す旅に出る。
    父親の前では娘に戻る王妃、手紙を運ぶのに疲れた馬など、「十二か月」より大人向きの内容ですが、そのぶん一枚深い気がします。

  • こどもの頃は欠点がない人がカッコイイって思ってたけど、

    今は欠点がある人の方が魅力的に感じる

  • 小学生の頃に買ったシリーズその2(再購入しましたが)
    実は、こっちの話のほうが好きだったりする。
    原作者さんのご冥福をお祈りします。

  • そうだった、野菜たちはワニエモンの作ったカップだった。そうして、悪い性格を吸い取ってくれるものだった。だから善良じゃあないけれど、悪い奴でもないんだった。

    シルバー王妃は、ここでまた欠点だらけの王妃に戻るんだったね。
    でも、あの欠点を一度克服して、やっぱりそのままの自分でいい、と戻ったとき。そのときに戻った自分は、もう前の自分じゃなくて、欠点が魅力につながる自分。自分の我がままだけを押しとおす自分じゃなくなっているから、あんなに魅力的に素敵な王妃になったんだねえ。

    七夕馬ディックの出てくる話はこれだったか。
    銀河鉄道の夜を彷彿とさせた表現。それでいて別物。福永さんの言葉はやはり美しい。

    p179
     川面が、チカチカと、まぶしく見えました。
     水は、生きているように、しなやかに青光りしています。
     王妃は水べにしゃがみ、髪を洗おうとしました。
     群青色の川底のあちこちに、水色のヒトデのようなものが明るく浮きでて見えます。
     まぶしくかがやくまるい貝。それは、白といういろの奥をほりかえしたときにあらわれる稲妻のような色で、白とも黄とも表現のできないふしぎな光です。
     もう小さな光のなミアが、夜光虫のような群れとなって、おどりながら通過していきます。
     つめたい水の中で、王妃のなびく銀の糸のような髪の上に、宝石のような光のつぶが、たえまなく流れていきます。


    年の瀬側の光景、泣いてしまったわ。
    クレヨン王国の国家も素晴らしいけれど、さすがこの歌はアニメ化のときに福永さんが押しただけある。
    私の中のイメージを壊したくなくて、見なかったけれど。

    p222
    この花も その花も
    ありのままに
    色美しく

    あの人も どの人も
    ありのままに
    心やさしく

    あの町も その町も
    ありのままに
    ほこり気高く

    この月も どの月も
    ありのままに
    めぐみ豊かに


    ああ 光の空の下
    わきたつ命は 神のみわざ
    同じみわざ
    みんなが一つ
    一つがみんな

    ああ かがやく大地の上
    ふきだす命は 神の血しお
    同じ血しお
    みんなが一つ
    一つがみんな




    ありのまま、っていうのは、本当にそのまま、あるままではなくて、あるべき理想である「他者をいたわり、いつくしみあう心」があった上でのありのまま、なんだなとつよく思う歌。


    p283
    「なぜ、すぐとんできてくれたの。あたし、あなたになにかいいことした? なんにもしなかったわ。それなのに、どうして、こんなにしんせつなの?」
     しばらく返事はありませんでした。それから、
    「しんせつって、理由なんかないもんだよ。」


    なんて……なんていい子なんだ……(涙)

  • 無性に読みたくなったので読む!

    一年牢こわい。
    クレヨン王国って何かちょっとこわいんだけど、でも優しいというか…独特な感じがする。

    今作のシルバー妃と同年代になってしまった衝撃。

  • 懐かしい!泣いた。完全に泣いた。ご冥福をお祈りします。

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著者プロフィール

名古屋市生まれ。早稲田大学文学部国文科卒業後文筆活動に入る。1956年 オール読み物新人賞受賞。1963年 モービル児童文学賞受賞。1964年 『クレヨン王国の十二か月』で第5回講談社児童文学新人賞受賞。1968年から1988年まで、自然に親しむ心をもった児童を育てる目的で学習塾を開く。
2012年逝去。主な著書に『クレヨン王国』シリーズ47タイトル、『静かに冬の物語』(以上すべて講談社刊)などがある。2012年逝去。

「2016年 『クレヨン王国黒の銀行(新装版) クレヨン王国ベストコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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