アラビア物語 ジュハーおじさんのお話 (IV) (講談社青い鳥文庫)

  • 講談社 (1991年1月1日発売)
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  • 本 ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061472747

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  • ジュハーおじさん再び。ユーモアとトンチのきいた9編の物語集。教訓じみた話が多く、ややロマンに欠けるかも。

    <おかしな出世物語> はド直球のあげまんストーリー。無理がある展開が続くものの笑い話として本巻では最も幸せな結末。

    <スイカの代金> <夢> はこれまたド直球なお説教。こういう話は、本当に読んでほしい人には届かないものだが、ジュハーおじさんが子どもたちに語って聞かせるという体裁が示す通り、子どものうちに染み込ませるのが正解なのだろう。

    <魔神もにげだしたもうれつ妻の物語> は設定が面白い。しかし、主人公たちの行動と結末が理不尽なので、いまいちすっきりしない。もう少し展開をひねれば面白くなりそうなのだが。

    後半はファンタジー色の強い寓話。教訓を含んだ短い小話が続き、筋書きとしては今ひとつだった。本シリーズは奇数巻が「みどりの文庫」、偶数巻が「ジュハーおじさんのお話」となっており、全4巻で完結。1990年前後の出版なので現在は古本や図書館で探すしかないが、アラビアンナイトへの導入として十分に魅力的なのでオススメしたい。

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著者プロフィール

1948~1993年。大阪府に生まれる。メキシコ大学でスペイン語を専攻ののち、1972年より京都外国語大学アラビア語科、田中四郎教授の研究室に学ぶ。その間、アラブの人々の生活・風俗習慣についてのエッセーを多数発表。おもな訳書に『スペインむかし話』『アラビア物語』(講談社)、『漁師と魔神』『王様の指輪』(国際情報社)などがある。

「2014年 『アラジンと魔法のランプ 新編 アラビアン ナイト』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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