クレヨン王国 月のたまご PART8 (講談社青い鳥文庫)

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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061472808

感想・レビュー・書評

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  • 悪役は漆に被れて刑務所に入り、ダマーニナは海の小人の世界の王様に、みんな揃って大団円。
    サードの登場が微妙だった。カメレオン元総理を助けたのは良かったが、ぎっくり腰から動けず、その後海の小人と出会い導いてもらったが、その間に他方で色んなことがありすぎてサードの活躍がショボイ。また、ナルマニマニの話はとても好きなのだが、伝書鳩の手紙を貰ってシルバー王妃に伝えにいったものの、肝心のシルバー王妃はその後登場しなかったのも残念。
    話自体は面白く、最終巻まで読んでよかった。
    アラエッサとストンストンの旅をまだまだ見ていたい笑

  • 小学校時代、図書館に通って読みふけったクレヨン王国シリーズの中で最も衝撃を受けた「月のたまご」。本を読んであんなに泣いた事はなかった。「本を読む」ということの本当の面白さをはじめて実感したのはこのシリーズだったかもしれない。
    あの当時にあの体験が出来た事に感謝したい。福永さん、三木さん、ありがとうございました。大好きです。

  • 結局三郎さんは何をしていたのだろう。
    王子さまは遅れてやってくる…か。
    しかしそれにしてもそのタイミングなのか。

  • 小学校の頃、クレヨン王国シリーズは夢中で読みましたが、「月のたまご」は特に好きです。まゆみがすごく大人に感じた当時。アラストコンビが大好きです。

  • 久々にpart1から8まで一気読み。
    児童書は、読む年齢によって受け取り方が変わるとはよく言われますが、初読時がまゆみと同じ、中学受験を控えていた小6のころ。あれから10数年を経て、いろいろと言いたいことが増えてしまった(中盤から三郎さんあまり役に立ってない!とか…)のは、今の私がまっすぐにクレヨン王国に行けなくなってしまったからなのか…。
    けれど、最後まで読めばそういった自分のもやもやも吹っ飛ぶ。小さなころに夢中で読んだものは、今も好き。いまだに大団円で締めくくられる物語が好きなのは、きっとクレヨン王国の影響が強いのだろうと思います。
    現在、クレヨン王国シリーズの多くが絶版状態であると聞いて、寂しく、また憤りもあります。これは絶対に読んでほしいと願っているのに!と。もし復刻するのであれば、新装版などにせず、この三木さんの挿絵のままで世に送り出して頂きたい。

  • ナルマニマニは、月のたまごpart2以降、ちいともいい思いをしていない……
    カメレオンは三郎とふざけたり、おいしいもの食べたりしているのに、ナルマニマニは初恋の思い出を振り返って傷ついたり、三郎に対する裏切りのように、まゆみを守れなかったことを悔いたり。海の小人の暗号解いたのに、ダガーに握りつぶされて有効活用されず……
    カメレオンが陽気なのに比して、ナルマニマニはこの苦労のせいで、老人さがより増している。悲しみばかりだ。


    ダガーがうるしにかぶれた様の描写が、おそろしくておそろしくて……もんのすごく、かゆそう!
    勉強のために書き写そうかと思ったけれど、これはやめたほうがいいわ……


    ダマーニナがタナムシ教授のおかげ……おかげか?で、色々なものを捨てて、まゆみとも仲直りして……と、まゆみとダマーニナふたりばかりの決着で、えー……やっとこさ登場しましたが。三郎、何もしてない!
    わあ、かつて読んだときには、再会のうれしさで気づかなかったわーアラエッサもストンストンも、当然まゆみも、三郎を心の支えにしているから、すごい人なんだろうけど。月のたまごpart1ではすごかったけど。part2以降は、弱るわ、復活してもどうしようもなく追い込まれちゃうわ遭難寸前だわ(笑) 王子様、しっかりなさいって感じだ(笑)

    宝石の雨、美しいなあ。
    つかめないとしても、浴びたい。ぶつかって痛いのは困るけれど、こんなに美しい言葉からなった宝石の雨を浴びたいなあ。

    アラエッサは世知に長けてる(笑)
    足をくじいたふりしなさいとまゆみに耳打ちして。
    「こういうぐあいに、ときどき心配させてやらないと、だめ。」
    あなた、どこの世話焼きおばさん(笑)


    ナルマニマニだけちょっと悲しいけど、アンナと仲よくグルーニカの思い出を語れるようになりますように。
    大団円!
    ダマーニナも、彼女にふさわしいところへ行けて、よかった。
    ピーターとスーダンが取替えなのだけが、意外。設定上そうなのはわかるけれども、あーそうか、ダマーニナにはスーダンしかいなかったけれど、これから彼女にはもっとたくさん大切な人たちが出来るから、スーダンとはお別れなのか。

    まゆみの国、すなわち人間の世界に行くことをためらう三郎に、カメレオンお説教。
    p238
    「おまえにしろ、まゆみさんにしろ、これ以上、どんな愛の誓いが必要だというんだ。明日が見えないだって? 明日は、つねに霧の中だからこそ明日なのだ。だから偉大なのだ。それが神の慈悲なんだ。生きる力のひみつなんだ。先のわからないことには手をつけない。これを臆病者という。」
     それだけ一気にいうと、ひといき入れて、
    「いいか、よく思いだしてみろ。『月のたまご』の探検にでかけるとき、おまえには、どこまで先が見えていたというんだ? 見えないからこそ、飛び込んだのと、ちがうか。」
    「…………」
    「どのみち、きみらは傷つく。ああ、傷つくさ。もちろん。だが、自分の傷がさんぜんとかがやくのが人生だ。自分の傷をちりばめてきらめきわたるのが人生だ。ちがうか。」
    「…………」
    「無傷の幸せ者など顔のないのっぺらぼうの健康体にすぎん。不幸きわまる。どうだ、ちがうか。」
    「いまをにがすんじゃない、サード。」
    と、ナルマニマニが、三郎の肩を痛いほどの力で、ぎゅうぎゅうおしつづけながら言いました。
    「おれは、それで、いま、後悔してるんだ。ずっとこの先も後悔しつづけるんだ。おれは、おまえとまゆみさんを鎖でしばってでも、ロケットをつけて、東京へぶっとばしてやる。」

    三郎、カメレオン、ナルマニマニは幼なじみなのに、この書かれようの違い。(三郎は通常の人の三倍の寿命を持っているので、今年齢だけなら高齢)
    人が老いるときは、心がその年月を重ねてきて、やわらかさを失うかわりに知恵をつけて。そこでやさしくなったり、経験で思慮深くなるのだと思っていたけれど、その年月や老いを自覚して、心が磨かれるためには「やり直せないことを知る」ということが、大きいのかな。
    過ぎたものは取り戻せない、自分の体が若いときのように動かない。やり直そうと思っても、本人は出来るつもりでも、周囲が年齢を理由に切り捨てる。自分の年齢を自覚せざるを得ない。そうして、若い世代にゆずっていき、循環するのが、世界だと理解して。
    だから、老いが遅い三郎だけ、こんなに若いというか幼いんだろうなあ……

  • 十年ぶりくらいに読み返した。
    内容をほとんど忘れていたのに、楽しかったことだけがずっと思い出として残っていた。今、二十二歳だけど、やっぱり面白い。
    当時は月のたまごシリーズしか読んでいなくって、かなり出ているクレヨン王国シリーズのたった一部しか読んでなかったんだなあと、未読のシリーズをリストアップしている。

    お正月の読書を月のたまごシリーズに費やしてしまった…けど、今年の目標はクレヨン王国の探索に決めた。

  • 「月のたまご探検隊」の三郎は海の小人の国へ、まゆみはダマーニナにとらわれて鏡の城に。アラエッサとストンストン、キラップ女史は、それぞれの思いを胸に鏡の城へ。王国の乗っとりをたくらむダガーは、まゆみとダマーニナを消すために「鏡の森を焼きはらえ」と命令。同時にキラップ女史を迎えに行くようマート=ブランカに命じることで、二人をも死に追いやろうとする。王国の運命をかえる午前零時が刻々と迫っていた・・・。サードたちはダガーの企みを止めて王国を救えるのか!?

    いったん「月のたまご」シリーズがこの8巻で完結しますが、このシリーズは私にとってものすごく大切で、小学生のとき出会って、それから10年以上が過ぎたけれどいまだに色褪せることなく大事です。価値観や考え方を変えるほどに鮮烈だった。落ち込んでもアラスト組の言葉を思い出して元気になったり、サードとまゆみのその後を妄想してみたり、とにかく一時期は月のたまごが頭の全てを占めてました(笑)
    あの当時は図書館で何度も借りたけど、今は絶版でもう市場には出回ってないんですね・・・。何とか新品を入手できたけど、今の子たちはこれを手元で読めないんだなと思うと泣けてくる。児童書だけど、大人になってもしみじみと思い返せる要素がたくさん詰まってます。まゆみがサードに会えるか心配だったり、ダマーニナはどうなるのかドキドキしたり、一度読んで楽しむのはもちろん、忘れた頃に読み返してほしいのになあ、もったいない。ぜひ復刊して欲しいものだと切に願っています。

  • 0608

    1日で一気読み。

  • いよいよ最後にやってきました。うまくまとまったけれど、なんとなく物足りない感じがするかも・・・と思っていたら結構月のたまご探検隊でその後の話が続いている事が発覚!これは是非チェックしなければ。。。やっぱり、私はキャラの中では一番サードが好きかなぁ。。。個人的にはやっぱりパート1が一番良かった。でも、パート1で終わってしまってたらもの凄く落ち込んだ。さて、クレヨン王国に私も行きたくなっちゃった♪

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著者プロフィール

名古屋市生まれ。早稲田大学文学部国文科卒業後文筆活動に入る。1956年 オール読み物新人賞受賞。1963年 モービル児童文学賞受賞。1964年 『クレヨン王国の十二か月』で第5回講談社児童文学新人賞受賞。1968年から1988年まで、自然に親しむ心をもった児童を育てる目的で学習塾を開く。
2012年逝去。主な著書に『クレヨン王国』シリーズ47タイトル、『静かに冬の物語』(以上すべて講談社刊)などがある。2012年逝去。

「2016年 『クレヨン王国黒の銀行(新装版) クレヨン王国ベストコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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