アトピー性皮膚炎に苦しむ女の子が湯治に行く話。湯治のために1ヶ月学校を休めたり、混浴なのでおじさんも入ってきてふざけながら女の子の体を見にきたり、時代を感じる。
表紙のホルトダヌキの絵が可愛い。
学校は刑務所みたいなもの。仕方なく過ごしているが、1人の人間として本当なら早く働きたい。みんなそう思ってると思う。自由な時間が欲しい。学校があるせいでアトピーになったのだろう。学校へ行かなくていい今が幸せ。このまま続けばいいのに。大人も1日学校へ通ってみればいい。うんざりするはず。
のようなことを語る場面があり、私も子供の頃は大いに共感しただろう。
大人になった今は、大人だけの学校なら素直に学ぶために通いたいが、小学校〜高校など、無邪気な子供らの中に自分も元の子供の姿でまた通いたいかと言われると微妙だ。学校という空間は割と好きだけれど、学校特有の人間関係が嫌い。
上下巻なので、最後の方で学校から汚染水が出たのは山の中で業者がたぬきの糞だまりの近くでわざとパイプを破壊したせいではないかと痕跡を見つけるミステリー展開や、ホルトダヌキ(鏡たぬき)らに誘われてオチバフライ(土の神様)の前で"学校を取り壊しはしない"という宣言をしてしまう。