- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061485297
作品紹介・あらすじ
太平洋戦争末期の沖縄本島の南部。この日本最大の激戦地で、逃亡の途中、兄弟たちとはぐれたわずか7歳の少女が、たった一人で戦場をさまようことになった。しかし、偶然めぐりあった体の不自由な老夫婦の献身で、白旗を持って一人でアメリカ軍に投降し、奇跡的に一命をとりとめた。この少女の戦場での体験をおった愛と感動の記録。小学校上級から。
感想・レビュー・書評
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だいぶ前の話だが、この白旗の少女のドキュメンタリー番組を観た。恥ずかしながら本を読んだことがなかったので、夏休みの課題とした。
比嘉さんが生き延びたのは、本当に奇跡だと思う。「鉄の暴風」と呼ばれる米軍の総攻撃、島民の4人に1人が犠牲になった。年端もいかぬ少女が家族とはぐれ、流れ弾が飛び交い死体が散乱する中を逃げる姿を想像するだけで、胸が苦しくなる。しかし、運だけではない部分もある。彼女は父親の教えを忘れず、それを守ることが彼女の命を救ったとも言える。
自分も親として、どれだけ真に大切なことを子どもに伝えられているか…考えさせられた。
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第二次世界大戦下の沖縄。戦地となり大量に人が死ぬ中で、奇跡的に生き残った著者、富子の実体験を綴った本。
自然な言葉で書かれており、小学校高学年から読めそう。しかし内容は悲惨でむごたらしい。当時の状況が目に浮かぶ。
ウジ虫のわいた水を飲んだり、兵隊さんの死体から金平糖をもらって食べたり、ネズミが落としていったサツマイモを食べたり。
家族とはぐれた富子は、最後、洞穴(ガマ)の中で見知らぬ老夫婦と過ごす。おじいさんは自分の最期が近いことを悟ると、富子にふんどしで作った白旗を持たせる。「これは世界に通じる安全の印だから。」と。
その姿がアメリカ兵の写真に撮られたのは、昭和20年6月25日。後の1987年に、著者が白旗の少女は自分がだと名乗り出て脚光を浴びたそう。 -
#白旗の少女
#青い鳥文庫
#比嘉富子
#沖縄戦
沖縄戦のことを知ると、本当に胸が苦しくなります。沖縄の平和資料館も苦しかった。でも戦争とはどんなにむごいことか、知らないと、繰り返されてしまう。6歳だった比嘉さんがたった一人で生き抜き、見た光景を教えてくれます。 -
p92
富子、人のまねはするな。いつも自分の頭で考えなさい。
どの時代のどの年代の人にも、通じるすばらしいひとこと。
読んだことがないなら、必ず読んで欲しい。とのおすすめで読んだ本。
6歳の子がこんなことできるのか、今の私でも自信がない。
ガマのおじいさんおばあさんが富子の人生を変えた。この夫婦も、また素晴らしい。
図書館にきっとあるので、読んだことのない人に、本当におすすめしたい。
この年齢からでも、私も人まねではなく自分で考えて行動しようと思う。 -
私が生まれた年に出版された本。恥ずかしながらこの本の存在を知ったのは最近のこと。戦争は人間を信じられないほど狂わせてしまう、著者の言葉通りの恐ろしさと悲しみがこの本の中にあった。生き続けられるだけ生きる、そうありたい。
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今の時代からは考えられないほど過酷な状況を、小さな女の子が生き抜いた。そういう現実を、同じ国で生きる人として忘れてはいけないと思った。
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この写真は教科書で見て、著者の沖縄戦での経験やガマでの老夫婦との生活、白旗のを掲げる経緯は報道で知った記憶があります。今回改めて当時の事を読んで沖縄戦の悲惨さ、追い詰められた人間の恐ろしさ•••。著者に日本刀を振り上げた日本兵や仲間や民間人を手にかけた日本兵も、平時であれば普通のどこにでもいる善良な市民だったのでしょう。重症の仲間を苦しませたくない、米軍に無惨に殺されないため、他の人間を守るためと彼等なりの理由があったのでしょう。沖縄の犠牲を私たちは忘れてはいけない、改めて思いました。
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小学校の頃に課題図書で読んだが、今でも忘れられない。
少女の行動に何度も驚きと感動を得た。