なぞの転校生 (講談社青い鳥文庫)

著者 :
制作 : 緒方 剛志 
  • 講談社
3.43
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本棚登録 : 127
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061486430

作品紹介・あらすじ

ある日、となりに引っ越してきた、核戦争に異常におびえる、なぞの転校生――
あいつは、いったい何者?何者?何者?

広一(こういち)の通う中学に、転校生が入ってきた。名前は山沢典夫(やまざわのりお)。美形のうえに勉強もスポーツもよくできるこの少年は、しかし、ふつうの高校生ではなかった。エレベーターに乗りあわせ、ふしぎな行動を見てしまった広一は、かれがひきおこす奇妙な出来事から目がはなせなくなり、やがて驚きの事実を知ることに……。学園を舞台にしたSFジュブナイルの傑作、第2弾!

感想・レビュー・書評

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  • ジュブナイル小説ということもあり
    ストレートで読みやすく素直に面白いと思えるです。
    込み入った仕掛けや回りくどい展開がなく、気持ちが沈む描写が基本的にありません。
    出て来る人たち、特に大人たちも、マスコミを除いて
    みな柔軟で理解がある人たちで、
    昭和時代の中学校という舞台設定も相まってほっとします。

    楽園を探して移ろいを繰り返す人が間違っているとは言い切れません。
    そうした人に来て欲しくないという人がいることも、
    暴力は論外ですが理解できます。
    今いる場所で努力することもまた大切です。
    生き方が違えば考え方も習慣も違うわけで、
    郷に入っては郷に従え、従わずに我儘に振る舞えば当然軋轢も生じます。
    表面上だけさらっと読むとSFとして普通に楽しめますが
    深読みしようとすればいくらでも深読みできる、
    様々な問題が内包された小説だと思います。

    個人的には大阪という舞台だからこそ
    言いたいことを言い合う、理解してくれる大人が存在する
    という展開も成り立ちやすい気がしますが
    他の方がレビューされているように、大阪弁をはじめとする大阪らしさがもっとあっても良かったかもしれません。

    ドラマにもなっていたそうで、見てみたいなと思いました。

  • この話を読んで典夫君がうらやましかったです。なぜかというと、初めてなのに卓球に勝っていたからです。私もそんなことができればいいなと思います。もう一つうらやましいことがあります。それは転校生が来たからです。この物語では違う世界から転校生が来て、次々と不思議なことがおこりました。ちょっとドキドキ・ワクワクしたけれど、最後は分かれてしまったので、ぷつんとおわってしまった感じでした。

  • テレビ東京の連続ドラマを見て数十年ぶりに再読したが、設定、展開、完成度のいずれもドラマの水準を期待すると裏切られる。

    ドラマは今クール(2014冬)のベストであった。

  • 中学二年生の広一のクラスに転校してきた典夫。彼とその仲間たちは、理想的な社会を求めて別の次元へと移動することができる、次元ジプシーだった。

    彼らがこの世界になじめず、絶望し、別の次元へ旅立とうとするとき、
    広一はなんとか思いとどまってもらえるよう必死に訴える。

    「理想の世界なんてどこにもない。そう思わないと、僕たちのように、この世界でしか生きられない人間は、いつまでも救われないんじゃないでしょうか。皆さんは、なまじっか別の次元へと移れるから、よりごのみしてしまう。…」

    このメッセージは果たして届いただろうか…

  • 軽く読めます。
    ただ、内容は結構シリアス。
    異質なものを自分たちの中にどううけいれていくか、
    という問題は、(今の時代)改めて考えてみたほうがいいと感じます。

    2012/05/31

  • 会話の言葉遣いがすごく丁寧。
    最近のライトノベルのような奇抜さや複雑さはないけれど,ジュブナイルらしく正義感や友情,淡い恋,社会への疑問などが織り込まれる。
    高度な文明をもつ放浪民をめぐる処遇が甘いなぁ・・・とか思ったりして。
    対象は小学校中学年くらい?

  • 小学生か中学生のときに読んだなぁ。すっかり忘れてた。美少年が出てきたかな。ちょっと「時をかける少女」と混ざってるかも。

  • 2008

  • SFジュブナイルの名作ですな。今回青い鳥文庫版で読みましたが、過去の名作が今の子どもたちに向けて新装版で読み継がれるのはいいですね。
    自分たちと異なる存在をどう受け容れるか。ここでは異次元人ですが、この問題は日常どこにでもある問題と根は同じ。それを堅苦しくなくエンターテインメントで示すのが面白いです。

  • この本を読んでみてSFチックな話でした。なかなか緊張する内容でけっこう好きなジャンルでした。なので、なかなかおもしろく読めたと思います。それに映画版やドラマ版もあるそうです。そして核戦争のことも書かれており、ちょっと怖かったですが、すべて読むことができました。この本を一度読んでみてください。おすすめしたいと思います。

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著者プロフィール

眉村卓(まゆむら たく)
1934年、大阪市西成区生まれ。大阪大学経済学部卒。耐火煉瓦会社勤務の傍ら、SF同人誌「宇宙塵」に参加。61年、「SFマガジン」第1回SFコンテストに投じた「下級アイデアマン」が佳作入選し、デビュー。63年、処女長編「燃える傾斜」刊行。その後コピーライターを経て、65年より専業作家に。企業社会と個人の関係をテーマにしたいわゆるインサイダー文学論を唱え、ショートショートやジュニアSFでも健筆をふるい、絶大な人気を博す。71年、未来の管理社会を描いたインサイダーSF「司政官」シリーズを開始。79年、その長編第一作『消滅の光輪』で第7回泉鏡花文学賞を受賞。癌を患った妻に日々、自作のショート・ショートを捧げた。妻が逝去したのち『妻に捧げた1778話』として発刊、大きな反響を呼んで2011年1月に映画化、代表作の一つに数えられる。

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