霧のむこうのふしぎな町 (新装版) (講談社青い鳥文庫)

著者 :
  • 講談社
4.04
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本棚登録 : 932
レビュー : 91
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061486683

作品紹介・あらすじ

心躍る夏休み。6年生のリナは1人で旅に出た。霧の谷の森を抜け、霧が晴れた後、赤やクリーム色の洋館が立ち並ぶ、きれいでどこか風変わりな町が現れた。リナが出会った、めちゃくちゃ通りに住んでいる、へんてこりんな人々との交流が、みずみずしく描かれる。『千と千尋の神隠し』に影響を与えた、ファンタジー永遠の名作。

感想・レビュー・書評

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  • R2.2.23 読了。

     タイトルに魅かれて衝動買いした本。人里からちょっと離れた神社の脇を抜けていくと、そこは魔法使いたちが住むパラレルワールドでした。主人公のリナはその世界の個性的な住人たちとの交流を通して、大切なことを学んでいく。小学生の頃に出会いたかったなぁ。
    柏葉幸子さんの他の本も読んでみたい。
    是非ともいろんな人に薦めたい。

    ・「欠点がない人間ほどつまらなねえものもねえんでさ。」
    ・「わたしたちは、おたがいをよく知らないから、こわいのかもしれない。正面からぶつからないで、遠くから見ているだけだから。」

    • りまのさん
      こんにちは。私も大好きだった本です。本棚の中に埋もれているはず。読書虫さんの感想を見て、読み返したくなりました。
      こんにちは。私も大好きだった本です。本棚の中に埋もれているはず。読書虫さんの感想を見て、読み返したくなりました。
      2020/07/18
  • 大人になってから読んだ「青い鳥文庫」の名作。
    出来ることなら主人公と同い年くらいの時に読みたかったな。
    本当の「少女」だった時代の夏休みに。
    このお話に、どんなにワクワクさせられただろう。

    小6のリナは、夏休みにはじめてひとりで旅に出る。行き先は「霧の谷」。
    そこでの様々な出会いが、リナを大きく変えていく。
    よくある成長物語だが、親元から離れてひとりで体験していくことが大切ですよ、なんていう簡単なメッセージだけではない。
    宮崎駿が「千と千尋の神隠し」の発想のヒントをこの作品からもらったと明言しているのは、ちゃんと深ーい訳がある。もちろん、両者ははっきりと別物ではあるけれど。

    特に可愛くもなければ何かが出来るわけでもない。
    格別取り柄のない主人公が、次第に変わっていく様が、うっかり読み落としそうになるほど自然に書かれている。途方にくれて怯えてばかりいたリナが、誰にでも素直に真っすぐに接していく姿は本当に気持ちが良い。
    相手が自分をどう思うかなど、つまらないことだ。
    自分が相手を大切に思えば、それでいいのだと教えてくれる。
    その時その場で出来ることを精一杯していく主人公は、いつか周りさえ変えてしまう。
    言われるがままにぼんやりと生きてきたリナが〈自分のすべきこと〉を見つけていく様は、ワクワクせずにいられない魅力があるのだ。
    ナウシカやポリアンナには到底なれない。でもリナにならなれる。そこが共感を呼ぶ。

    意地悪で手厳しいピコットばあさん。発明家のイっちゃん。コックのジョン。汚部屋のトーマス。おうむのバカメ。威張ってばかりいる王子様。口下手なシッカ。超お喋りなナータ。
    一筋縄ではいかないキャラクターだらけ。
    今度こそダメかも・・と心配しながら読み進む子たちが目に浮かぶようだ。

    序盤の、霧の中で見つけた可愛い家々の描写がとてもいい。
    小さな頃憧れだった「お菓子のおうち」を連想させる。
    お約束どおり最後は別れになるが、ここでもちゃんと小さな奇跡を用意してある。
    禍々しさとは程遠い、あくまでも清々しくやさしい作品。
    ハッとする言葉もたくさん登場する。
    ああ、それにしても、12歳くらいで読みたかった!

    • ロニコさん
      nejidonさん、こんばんは^_^

      「似ている英語」にコメントを下さり、ありがとうございます。

      柏葉幸子さんは、「つづきの図書館」を読...
      nejidonさん、こんばんは^_^

      「似ている英語」にコメントを下さり、ありがとうございます。

      柏葉幸子さんは、「つづきの図書館」を読んだことがありますが、主人公がおばちゃんの図書館司書なので、思わず自己投影しながら読みました。

      「似ている英語」ですが、知っていても使い分けを知らない英単語って結構あるんですよ〜(私はですけど^_^;)

      例えば、atlasとmap。
      前者は地図帳で後者は広げて使う地図。日本ではatlasの方が多く利用されているけれど、世界的にはmapの方がよく使われているということです。
      確かに、図書館の地図帳にatlasって書いてある物があったな〜、なんて再認識したりしました。
      他にも色々ありますが、書いちゃうとつまらないので^_^

      図書館が再開したら、是非借りてみて下さい!

      2020/04/21
  • 児童書もたまには読みます。どこかで「千と千尋の神隠し」の元になったお話し、ということを読んで興味を持ち図書館で借りました。働かざる者食うべからず、というコンセプトで主人公のリナが霧の街でいろいろな人のお手伝いをして成長していく、みたいなお話。小さい子が読んで目覚めることもあるかもと思います。

  • いろいろな版で出ているロングセラー。
    有名なシリーズの1作目です。
    子どもの頃に読みたかったな~。
    大人でも十分、読めますよ。
    大人なら、さらっと気楽に。童心に帰って、わくわくと。
    楽しい出会いにちょっとした驚きと冒険、経験値が上がる夏休み~心温まります。

    小学6年生のリナは、父親に長野へ行くなら霧の谷へ行けばいいと勧められる。
    駅についても迎えはなく、交番で聞いても今はもう住んでいる人もいないかも知れない、そこへ行く人は珍しいという。
    それでも、行ってみると…

    山の上に突然現れた不思議な町。
    赤やクリーム色のかわいい洋風の家が並ぶ「めちゃくちゃ通り」は、魔法使いの子孫が暮らしている町だった。
    ピコット屋敷にたどり着くと、そこは下宿屋。
    ピピティ・ピコットという小さなおばあさんに、「はたらかざる者、食うべからず」ときびしく申し渡されるリナ。

    屋敷に下宿している住人達は、発明家で気の良いイッちゃん。
    掃除や洗濯をしているというキヌさん。
    ビヤ樽のように太った名コックのジョン。
    そして、ジェントルマンは、金色の毛と緑色の目をした大きな猫。

    次々に町の家を訪ねて、そこの手伝いをして働くのは面白い経験だった。
    まずは本屋のナータさんのところ。
    おむかいにはトーマスの店があり、口の悪いオウムのバカメがいる。
    せともの屋のシッカさんのところでは、店の掃除をして、壺や皿を磨くことに。
    その中には魔法で姿を変えられていた虎も。
    これが大人しい虎で、もとはサーカスにいて、タマという名前なのだった。
    おもちゃ屋のマンデーさんのところにも。ここにはサンデーという男の子もいて、タマと仲良くなるのだった。
    でも、サンデーはお面をつけたきり、はなそうとしない…?

    白地に赤い水玉で、ピエロの頭が柄になっているお気に入りの傘。
    といった小物も魅力的。
    リナの父も子どもの頃に、来たことがあったのだ…
    すっかり仲良くなった人たちと、別れの時が来る。
    楽しい思い出を胸に。
    宮崎駿さんが影響を受けたというのもよくわかります。
    著者は1953年岩手県生まれ。

  • ガーナのおすすめ本商会(9)

     今回紹介する本は、「霧のむこうの不思議な町」です。作者は柏葉幸子さん、絵は杉田ひろみさん……。この本を手に取ってみようと思った理由は、新聞です。最近、朝日小学生新聞を読むのにハマっていて、2020年からスタートした新連載が柏葉幸子さんの「魔女の産家」というものだったのです。その連載の隣に「柏葉幸子さんのファンタジー三部作を読もう」と書かれていて、そのひとつが今回紹介する「霧のむこうの不思議な町」でした。最初、3部作のどれから読もうかなぁと迷いましたが、スタジオジブリの「千と千尋の神隠し」にも影響を与えた日本初の名作ファンタジーと書かれていたので、それは気になる、読んでみたいなぁと思い、インターネットで注文をしました。

     これは、夏休みに電車を乗りつぎ、ひとり旅に出るリナが主人公のお話です。お父さんが言っていた「霧の谷」はどこ?と探しても見つからず、森の中で泣きそうになっていると、霧の中から風変わりなかわいい町が現れて、へんてこりんで心やさしい人たちと“めちゃくちゃ通り”という不思議な町の通りにある“ピコット屋敷”という下宿屋で、夏休みのあいだ、生活をしていくという話です。

     この物語のいいところは、これまでに読んだことの無い柏葉幸子さんの独特な感じが出ていたところです。何が独特かというと、いままでの私は、ファンタジーとは少し後味が悪く、最後まで不思議に包まれているものだと思っていたのですが、この本を読んで少し考えが変わりました。この物語は、大きなやさしさにふんわりと包みこまれたようで「あの時こうなっていれば……」みたいなことは考えずに、すんなりとリナとめちゃくちゃ通りのみんなの物語へ入っていけました。

     もうひとつのいいところは、めちゃくちゃ通りに住む仲間達です。それは、いじわるで、ツンデレなおばあさん“ピコットばあさん”だったり、機関銃のようにしゃべり続けるオウムの“バカメ”だったり、いろいろな仲間たちが、どれもこれも変な奴ばかりなんですが、みんなとってもいい奴だというところです。最初にも書いたと思いますが、この本はファンタジー3部作の1作で、柏葉幸子さんのデビュー作でもあります。

     ちなみにそのほかの2作「地下室からの不思議な旅」という話と「天井うらのふしぎな友達」も読みましたが、同じようにやさしい気持ちになれるファンタジーでした。その2作もぜひ読んでみてください。

    最近、King Gnuのライブのチケットが当たって喜ぶガーナでした。

    2020/02/13

  • 小学校4年生のときに初めて出会い、6年生までの2年間に何回も何回も図書館から借りた大好きな本です。
    なんで私は何回も借りたのだろう…と思いながら読み返しました。
    たぶん、小学生の私は、「ふしぎな町」の入口を見つけたかったのだと思いました。
    どうしても、「ふしぎな町」の石畳を歩いてみたい、魅力的なお店に行ってみたい、とすっかり大人になった今も思っています。
    「ふしぎな町」の入口は、いつもそばにあるようです。

    • atamaxさん
      あたしも大好きー!!!です。
      小学生の時、寝るのも惜しんで夢中になって読んだ記憶とワクワクした思いが立派な大人になってしまった今でも忘れられ...
      あたしも大好きー!!!です。
      小学生の時、寝るのも惜しんで夢中になって読んだ記憶とワクワクした思いが立派な大人になってしまった今でも忘れられません。色あせることないファンタジーの最高傑作!だと思っています。3部作全部おすすめ。
      2011/06/21
    • hama6171さん
      小さい頃に読んで、大人になってから最近また読みました。夏休みを待ち焦がれた気持ちや、ひと夏を両親の田舎で毎日ドキドキワクワクしながら過ごした...
      小さい頃に読んで、大人になってから最近また読みました。夏休みを待ち焦がれた気持ちや、ひと夏を両親の田舎で毎日ドキドキワクワクしながら過ごした思い出がよみがえってきます。いくつになっても夏を待ち遠しく感じるのは、誰の中にもリナのような思い出が存在するからなんでしょうね。
      2011/07/06
  • 高校生の頃に初めて読んでから、以来ずっと本棚にあるので何度も読み返してる。
    私もリナになりたい、と切実に思う。

  • 霧の谷の町のめちゃくちゃ通りでの過ごしたリナの夏休み。

    「千と千尋の神隠し」のモチーフとなった作品とのこと。

    いいなあ、こういうファンタジー大好きです。

  • 映画「千と千尋の神隠し」に影響を与えた、とされる書で、なるほど言われてみれば、全く違う演出ながら通じるところが何カ所も見えてくる。ファンタジーの児童文学としてとても出来が良く、大人が読んでも面白い、一種の手本にしたい物語。

  • 塾で文章を読んでから先が知りたくて買ってもらった本です^^ファンタジーにちょこっと入りかけの、でもどこかにそういう街がありそうな感じがすごく素敵な話でした。
    表紙の絵、変わっちゃったんですね、前の絵の表紙大好きだったからそれはちょっと残念かな・・・

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「前の絵の表紙大好きだったから」
      何か揉め事が発生して、,竹川功三郎から杉田比呂美に代わったとか、、、
      「前の絵の表紙大好きだったから」
      何か揉め事が発生して、,竹川功三郎から杉田比呂美に代わったとか、、、
      2013/07/02
    • しずさん
      そうだったんですね・・・コメントありがとうございます^^大人の事情が入り込んでいたんですね・・・私の家にある本は古い絵のほうなので大事にした...
      そうだったんですね・・・コメントありがとうございます^^大人の事情が入り込んでいたんですね・・・私の家にある本は古い絵のほうなので大事にしたいなと思います^^
      2013/07/07
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「大人の事情が入り込んでいたんですね」
      詳しくは↓
      http://www.linkclub.or.jp/~takekawa/
      「大人の事情が入り込んでいたんですね」
      詳しくは↓
      http://www.linkclub.or.jp/~takekawa/
      2013/07/31
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著者プロフィール

1953年、岩手県生まれ。東北薬科大学卒業。『霧のむこうのふしぎな町』(講談社)で第15回講談社児童文学新人賞、第9回日本児童文学者協会新人賞を受賞。『ミラクル・ファミリー』(講談社)で第45回産経児童出版文化賞フジテレビ賞を受賞。『牡丹さんの不思議な毎日』(あかね書房)で第54回産経児童出版文化賞大賞を受賞。『つづきの図書館』(講談社)で第59回小学館児童出版文化賞を受賞。『岬のマヨイガ』(講談社)で第54回野間児童文芸賞受賞。ほかの著書に、『竜が呼んだ娘』(朝日学生新聞社)、『モンスター・ホテルでオリンピック』(小峰書店)、『あんみんガッパのパジャマやさん』(小学館)など。

「2020年 『ぼくと母さんのキャラバン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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