小さな人のむかしの話 -コロボックル物語別巻- (講談社青い鳥文庫)
- 講談社 (2005年4月15日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061486836
作品紹介・あらすじ
せいたかさんがツムジのじいさまから聞いた、コロボックル--小さな人たちのむかしのお話。「コロボックル物語」ファンの方に贈るお話のプレゼントです!
<A日本の名作 小学上級・中学から>
もくじ
まえがき
第一話 スクナヒコとオオクルヌシ
第二話 水あらそいとヒコ
第三話 アシナガのいましめ
第四話 虫づくし
第五話 長者さまの姉むすめ
第六話 モモノヒコ=タロウ
第七話 虫守りのムシコヒメ
第八話 ふたりの名人
第九話 藤助の伝記
ツムジイのあとがき
あとがきにかえて コロボックル物語余話
青い鳥文庫版あとがき
感想・レビュー・書評
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コロボックルたちのむかしの話
『コロボックルの話は、本当にあれでおしまいなんですか。あのあとどうなったかもう書いてくれないんですか。』
わたしわなんとなく後ろめたい気持ちで答えてきた。
『第五巻は完結編ですから、あれでもうおしまいです。コロボックルたちがそうきめたようですよ…。』
面白かったです。
最後の方に『あとがきにかえて』って言うのがあってそれが意外と長くってびっくりしました。
でも……続編出して欲しい(笑)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
コロボックルの話しは5話で終わり。それはコロボックルたちが「人間たちに知らせるべきことはすべて知らせました」というからだ。
しかし読者からの要望に答えるために、「コロボックルたちの昔の話なら聞けるかもしれません」として書かれた話。
スクナヒコとオオクニヌシの時代から始まる神話、人間と共存していた頃の昔話、コロボックルたちはどこから来た?何故人間と距離を置いたのか?
そして終盤では作者によるコロボックル物語への想いが語られます。
実際の世界としてのコロボックル物語をどう終わらせるか…
その苦心の結果が最終作「小さな国の続きの話」であるわけですが。
昔語りとして、コロボックルの国の成り立ちが神話の時代から書かれます。
民族に神話ができたら存在の意義が高くなります。
コロボックルの国は創作を超えて実際にある世界としての存在感を示して物語は終わります。 -
「スクナヒコとオオクルヌシ」
偶然産まれた生命は。
全ての始まりの物語なのだろうが、神話に近しいものであり本当かは分からないな。
「水あらそいとヒコ」
人間の争いを止める。
自分たちの言い分ばかりで協力しようともせず、勝手に敵と認識し襲った罰かもな。
「アシナガのいましめ」
恩を返しにいったが。
同じ様な考えの者が居るなど予想外だったろうが、信念を貫き通した結果なのだろ。
「虫づくし」
共に生きてきたもの。
同じ目線で暮らしているもの達だからこそ、互いに気付き助け合ってこれたのかも。
「長者さまの姉むすめ」
願い事はただひとつ。
辛い時に寄り添ってくれたからこそ、想いを寄せるようになり選んだ道なのだろう。
「モモノヒコ=タロウ」
取り残されたが故に。
どんな状態であろうと、先に干渉し手を出したのだから文句を言う事はできないな。
「虫守りのムシコヒメ」
迷い込んでしまった。
故意ではなくとも巣に現れ暴れられたら、誰だって敵襲だと思い攻撃するだろうな。
「ふたりの名人」
器用な者だったから。
手際よく丁寧な仕事をする者だったからこそ、複雑なものも作る事ができたのだろ。
「藤助の伝記」
見える者に合う仕事。
単純に目がいいというだけでなく、反射神経も優れていたからこそなれたのだろう。 -
シリーズ別巻。
3~5巻はとりあえず飛ばして
有川浩さんの新作に行くつもり。
この世界観を損なうことなく
でも新しい風が吹いてる事を祈る。
【蔵書・再読・11月10日読了】 -
短篇集 それなりに雰囲気があっていい。
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小さな人達の先祖の話。ぶっちゃけ、人間との関わりの問題で非常に興味深い。
神話に出てきたり、一寸法師に良く似ていたり、まるで「蟲めづる姫君」のようなコロボックルの少女が出てきたり…。これは非常に卒論で愉快なこと書けそうな。。
そして、最後の佐藤さとるの「あとがきにかえて」の解説文のようなものも大変面白い。
さーて、そろそろ内容考え出さなきゃか!?
著者プロフィール
佐藤さとるの作品





