勉強してはいけません! (講談社青い鳥文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061487055

感想・レビュー・書評

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  • 勉強ぎらいの進太郎はある日突然別の世界にトリップしてしまう。そこは進太郎の世界と瓜二つなのだが、スーパーコンピューターが世界を支配して勉強が禁止されているのだった。

    児童書の世界でファンタジーは大人気です。怖い話(ホラー)も強い人気を持っていますし、ミステリも定番です。ではSFはどうでしょうか?
    一時期児童向けSFは花盛りでした。ジュブナイルと言えばSFを指すくらい定番でした。
    しかし今は宇宙も未来も在りし日よりも遠くなったのかもしれません。だからこそ児童向けSFを推していきたいのです!

    今作はSF作家横田順彌氏が1989年に書いたものを2005年に時代に合わせて大幅に書き改めたものです。そうかこれも14年も前になるのか。
    何と言いますか懐かしの冒険SFのノリで、冒険SFのパターンをこれでもかと詰め込みつつ駄洒落を交えて展開されます。パラレルワールド、もうひとりの自分、コンピューターの暴走、高度な文明を持った宇宙人、などなど。難しい理論よりも、そういうものだと飲み込ませておき、そんそん物語は進んでいきます。この不思議な世界を楽しむことにより、子どもたちのSFの扉が開かれたらいいなと願わずにいられません。

    作中でSF的要素が出てきた時に、登場人物たちはまんがやテレビで見たことがあると理解するのです。今の子にとってそれは共通認識としてあるのかなという疑問はありました。いやきっと「ドラえもん」で知ったということも多かろうと思うのですけどね。

  • 勉強嫌いの進太郎くん(小5)が迷い込んだのは…
    法律で「勉強」が禁止されている世界。
    ここでは勉強をすると、なんと捕まってしまうのです。

    この世界で、勉強を教えた罪で捕まってしまった
    お母さんを助けるために、進太郎くんが大活躍。

    勉強が好きという人は多くないかもしれませんが
    でも、禁止されると色々なことで困ってしまうようですね。
    さて、あなたはこの本を読んだ後でも
    「勉強なんていらない」と、自信を持って言えますか?
    当たり前のようにしている「勉強」について、この本を通して
    その理由を考えてみるのはいかがでしょう?

  • 青い鳥文庫のHPを見ていたら面白そうなタイトル発見
    これは青い鳥文庫のf シリーズです。

    f シリーズとはあなたの空想のつばさを広げる物語をお届けする、青い鳥文庫(fシリーズ)。fはSF、未来(future)、ファンタジー(fantasy)、そして、ふしぎ(fushigi)のfです。 ~青い鳥文庫HPより~

    うちのN(小5)は『そんないい本あるの?勉強しちゃだめなんだね』と喜んでいましたがそんなわけありません(笑)

    この本は図書館に置いていなくて買った本なのでいつでも読めると思っているのかまだNは読んでいないのですがぜひ読んでほしいですね~♪

    誰でも『してはいけない』と言われるとやりたくなるもの。
    これはそういう話ではないのですがタイトルのつけ方がいいなぁと思いました。

    子供の頃は…いえ大人になってからも勉強はやりたくないですよね。
    と言うより自分のすきなことなら年齢に関係なく勉強するでしょう。

    別に国語や算数といった教科だけが勉強ではありません。
    手芸、昆虫、ファッション、パソコン…趣味と呼ばれるものだって立派な勉強です。

    それらすべてが禁止にされる世界。
    それがどんな結果をもたらすのかは本を読んでのお楽しみv


    ~勉強や学習、知識の吸収というのは、決まった形ではなく、百人の人間がいれば、百通りのやり方や、受け止め方がありますね。人間として最低限、必要な勉強もあるし、全員には必要ないけれど、興味のある人がやればいいものもあります。~(本文より抜粋)


    だからといってやっぱり押し付けられるような学校の勉強が好きになるわけではないけれど
    どうして勉強が必要なのかな?と考えるきっかけくらいになるといいですね。


    ちなみにこの本、ダジャレ冒険SF小説と紹介されているように上記のようなまじめな文章はそうありません(笑)
    だからこそ大切な部分が伝わりやすいのかも知れません

  • 勉強嫌いの主人公が
    ある日法律で勉強が禁じられた世界へスリップしてしまうというお話です

  • “勉強したくない病”にかかっている時に読んだ作品。
    少しばかし怖かった。

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著者プロフィール

横田順彌(よこた・じゅんや)
1945-2019年。佐賀県に生まれる。法政大学法学部卒業。70年、「少年チャンピオン」にショートショートを発表し商業誌デビュー。SF、冒険小説作品の他、古典SF研究、明治文化研究の分野でも精力的な執筆活動を行った。88年、『快男児押川春浪』(會津信吾と共著)で第9回日本SF大賞、2011年『近代日本奇想小説史 明治篇』で第32回日本SF大賞特別賞、第24回大衆文学研究賞大衆文学部門、2012年、第65回日本推理作家協会賞評論その他の部門をそれぞれ受賞。他に『幻綺行 完全版』『大聖神』(竹書房文庫)などがある。

「2022年 『平成古書奇談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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