- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061487499
感想・レビュー・書評
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三田誠広「小説を深く読む」の中、言及されていたので新訳を読む。
内藤濯の定訳とは読み心地が違う。とりわけキツネとの会話など。
サン=テグジュペリ自筆の挿し絵が、ほぼモノクロームというのは目に寂しい。とりわけ黄色い毒ヘビなど。
王子さまが活火山の熱でオムレツを調理する記憶があった。そんな描写は無い。幼い私が挿し絵からふくらませた妄想だった。ニワトリが王子さまの星にいないことはキツネとの会話で明らかだ。傾倒する余り、サン=テグジュペリの肖像が刷られた旧50フラン紙幣を入手しておいてこのありさま。 -
純粋。
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2015.11.23
一つ前に読んだ『君の膵臓をたべたい』の桜良が唯一読んだ本であり、今星の王子さまの続編が映画公開されているので、自分の中で読み時かなーと思って読んでみた。何回目かな?
あとがきを読まないとバオバブの意味も分からなかったし、私にはまだ意味を読みきれていないことが分かった。
ただ、内容の理解等は別として、文章が読みにくい。
また次に読んだ時には母親になれているだろうし、違った感想が持てるのかな? -
大人気、世界の名作が青い鳥文庫に登場!ほんとうにたいせつなことが見えてくる1冊。
オール“ふりがな”つきで読みやすさも抜群!
『星の王子さま』特製ポストカードつき
「お願い……。ヒツジの絵を描いて。」「なんだって?」「ヒツジの絵を描いて。」雷が落ちたみたいにおどろいたよ。立ちあがって目をこすり、声のしたほうを見つめた。するとそこには、とてもふうがわりな、小さな貴公子がいて、悲しそうにこちらを見ていた(本文より)。こんなふうに、目の前にふいに現れた王子さまこそ、小さな星の王子さまなのです。 -
新訳を読み比べをしていますが、三田訳には多分(私自身が仏文で読んでいないので不明確ですが)、オリジナルにはない解説的なものがかなり書かれているように思います。 子供向けと言うことで難解さを避けようとしたのだと思いますが、それが意味あることなのか私にはかなり疑問です。初めて読む「星の王子さま」としてはワタクシ的にはお薦めしません。
これまで疑問だったことがあってそれを補完する解説書的なものとしての価値はあると思います。 -
手元に置いておきたくなる。
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■概略
ある日砂漠で飛行機が故障し、ひとりで修理をしていたぼくの前に、星の王子さまが現れる。
「お願い・・・。ヒツジの絵を描いて。」
話をするうちに、ぼくは王子さまの抱える悲しい過去を知る。
これは遠い星からきた王子さまが教えてくれた、たくさんのおとなが忘れてしまっている、大切なお話。
■感想
童話のような語り口で書かれてるけど、結構シビアなメッセージが感じ取れます。
それまでいた小さな自分の世界を飛び立ち大人の世界を旅するが、
目的を見失った大人やわけのわからない機械を見て疲れきってしまった王子さま。
確かに、自分が子供のころは「大人ってわけわかんないや」ってよく思ってました。
「大人って『そういうもんだよ』とか『事情がどうたら』とか言い訳する、カッコ悪い人間だ」と。
そして、大人になってしまった今、残念ながらそういう感覚はもう取り戻せません。
それでもこの本を読んでいると、子供のころの感覚がよみがえったような気がします。
■一般的見解
日本語訳では、フランス語の原文独特の雰囲気が失われてしまっている、というものがありました。
「ライ麦畑で捕まえて」を原文と日本語訳とで読み比べた時にも思ったことですが、どんな言葉も訳によって別の言葉に置き換えてしまうと、その作者独特の語り口からくる雰囲気が失われてしまうというのはよくある話です。
それと、多くの人が言っているのは「子供のころと今とでは、見える世界が変わってしまった」というようなものでした。
子供のころは道端のガラスや砂浜の貝殻、原っぱのトンボといった些細なところに宝物を見つけることができた。
それが、今の自分はどうだろうか・・
自分が大人になってしまったということに気づかされると、やはり少し切なくなります。
■総括
この本は子供向けの童話として解釈しても面白いし、
大人向けの社会批判として受け取っても面白い見方ができる、いい物語だと思います。