秘密の心理 (講談社現代新書 812)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061488120

作品紹介・あらすじ

秘密のメンコ・ビー玉のような子ども時代の宝物から、少年期の夢精・自慰のような親にも隠す心や性へと、人間は誰でも発達段階の初期から、他人に対して秘密をいだき始める。自他のあいだに境界線をひく力。自他をグループにくくる力。人間関係を分節し、さまざまな精神病理現象を発現する裏には秘密がある。自己に仮面をつける人みしり、対人恐怖、恥、排除としてのいじめなど、人間形成の原初の場を精神分析する。

感想・レビュー・書評

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  • 精神分析学の立場から、他人にはいえない秘密をもつことが人間の心理と社会関係にとってどのような意味をもっているのかということを考察している本です。

    ひとは秘密をもつことで自己と他者との境界を設定し、秘密を共有することで他者との内密な関係を形成します。さらに本書では、人見知りや対人恐怖症といった現象をとりあげて、そこに見られる人間心理に迫ろうとしています。

    秘密というテーマをあつかうのであれば、統合失調症における自他の境界の融解などのケースも考察の対象にするべきではないかと思うのですが、本書にはそうした観点からの考察はあまり深められておらず、やや常識的な自他関係の確認にとどまっているような気がします。

  • 幼児の発達する過程で秘密が自我の確立を促し、会社での派閥、処世術、スキャンダリズムへつながっていく。万人向き。

  • [ 内容 ]
    秘密のメンコ・ビー玉のような子ども時代の宝物から、少年期の夢精・自慰のような親にも隠す心や性へと、人間は誰でも発達段階の初期から、他人に対して秘密をいだき始める。
    自他のあいだに境界線をひく力。
    自他をグループにくくる力。
    人間関係を分節し、さまざまな精神病理現象を発現する裏には秘密がある。
    自己に仮面をつける人みしり、対人恐怖、恥、排除としてのいじめなど、人間形成の原初の場を精神分析する。

    [ 目次 ]
    第1章 自と他を分ける秘密
    第2章 自己感覚としての秘密
    第3章 見知られる不安
    第4章 秘密への羨望と憶測
    第5章 秘密を漏らす
    第6章 秘密を暴く
    第7章 原光景社会の心理構造

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著者プロフィール

1930年東京府生まれ。日本の医学者・精神科医、精神分析家。学位は、医学博士。1954年慶應義塾大学医学部卒業。1960年「自由連想法の研究」で医学博士の学位を取得。慶應義塾大学環境情報学部教授、東京国際大学教授を歴任。フロイト研究や阿闍世コンプレックス研究、家族精神医学の分野では日本の第一人者である。著書はいずれも平易な記述であり、難解な精神分析理論を専門家のみならず広く一般に紹介した功績は大きい。2003年没。主な著書は『精神分析ノート』(日本教文社,1964年)、『モラトリアム人間の時代』(中央公論社、1978年)、『フロイトとの出会い―自己確認への道―』(人文書院、1978年)など。

「2024年 『フロイト著作集第7巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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