- Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061488144
作品紹介・あらすじ
連日のデモ、国会議事堂をとり囲む大群集、学生たちと警官隊の激突…。「日米安全保障条約」の改定問題をめぐり、1960年の日本は、大揺れに揺れた。国民のあらゆる階層をまきこみ、空前の規模で展開された戦後最大の政治ドラマ。そのなかで人々は、何を考え、どう行動したか?現代史の転換点となった"政治決戦"の全過程をつぶさに検証し、跡づけた歴史ドキュメント。
感想・レビュー・書評
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60年安保闘争の推移をたどったノンフィクション作品です。
事実の流れを概観するためには有益ですが、日米安保条約をめぐる国際政治状況についてはあまり触れられておらず、岸信介個人の権力志向に問題を局限させてしまっているように感じます。
著者は、1970年前後の全共闘運動は「あくまでも知識層とその予備軍の“反乱”にすぎなかった」と述べ、これに対して60年安保闘争は「小学生や中学生にまで何がしかの影響を与えたし、社会生活から身を退いた老人たちも岸首相への憎しみをかきたてた」としていますが、そのエネルギーがなににもとづくものだったのかということは、本書を読んでもあまり明瞭にされていないように思います。全共闘運動については、小熊英二の『1968』上下巻(2009年、新曜社)や絓秀実の『1968年』(ちくま新書)など、その社会的・文化的な背景にまで踏み込んだ考察が多くなされていますが、本書にはそうした方面への言及はほとんどなく、すこしもの足りなく感じてしまいました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
4061488147 230p 1986・5・20 1刷
著者プロフィール
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