ユダヤ人 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061488342

作品紹介・あらすじ

流亡の民・聖書の民・キリストを殺した民、ユダヤ人。紀元70年に国を失って以来、強固な民族性を保ってきた謎。ナチスの大量虐殺を頂点に、数々の迫害を受けてきた理由。マルクス、アインシュタインなど優秀な人物を輩出してきた秘密。ロスチャイルドに代表される大富豪がいる一方、極貧にあえぐ人々がいる。権力に取り入った者がいると思えば、革命家になる者もいる。毀誉褒貶のはげしいユダヤ人の謎を歴史をたどりながら解明する。

感想・レビュー・書評

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  • 1986年出版の本。聖書の時代から通史的にユダヤ人への視線を述べる。
    改めてイディッシュ文学を読んでみたくなった。

    追記

    なぜこの本を読んだかというと、テレビで「戦後75年」のさまざまな番組をやっていて、Eテレで放映されたアンネフランクの日記をテーマにした番組、NHK特集でアウシュヴィッツのゾンダーコマンドが埋めた文書の番組を見たから。

    ポグロムやホロコーストのことはなかなか言葉にするのが難しい。

  • ソ連崩壊前の本なので少し古めの印象。ユダヤ教の苦難の歴史はある程度概観できた。

  • ■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
    【書籍】
    https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/0000134656

  • 文化、歴史、人種まで広く浅くユダヤを扱った書。ユダヤ入門にはとても良い。何よりも、なぜユダヤ人は嫌われるのかの説明、筆者見解。こんな事書いてユダヤ人から苦情来ないのかな、と幼稚な心配しつつなるほどと思う。自分達は選ばれし民族と言う誇りは尊いが同時に敵も作る。
    なぜユダヤ人が金融業に強いのかは、当時はそれが卑しい職業でそれしか就くことが出来なかったから。そこで財を成したユダヤ人をさらに外国人が嫌うという負の連鎖。今でも日本でも世界中で見られる。
    私のユダヤ人の印象が変わりました。頭いい人で頑固者多いけど、この本読んだから上手く付き合えるかな。
    同じ著者に続ユダヤ入門を書いていただけるなら、言葉編、名前編を書いてほしい。

  • ユダヤ人・ユダヤ教とはなんぞやということに関しての解説本

    目次
    <blockquote>第1章 古代のユダヤ人
    第2章 イスラム・スペインのユダヤ人
    第3章 中世ヨーロッパのユダヤ人
    第4章 東欧ユダヤ人
    第5章 ヨーロッパ近代のユダヤ人
    第6章 シオニズムへの道
    </blockquote>
    きっかけは、ユダヤ人の影響力は大きいとする、とある有力者の発言だった。
    そんで、本当にそうなのか、そもそもユダヤ人とは何なのか……ということを知らないので、
    twitterで友人に推奨してもらったのが本書。

    客観的にユダヤ人というものを歴史を紐解きつつ、嫌われる謎についても解かれているので、
    入門書としては適切だろう。

    歴史の観点から大事なのは、迫害によって、中東からヨーロッパ、そしてアメリカへ移住してきた点。
    これは特定の国と地域にユダヤ人という存在を内包するきっかけだったことは明らか。

    また、英知を高めることになった理由も大きい。著者はユダヤ系アメリカ人文化人類学者、ラファエル・パタイが挙げた下記7点としている。

    1.異教徒の迫害・差別
    2.最も優秀な学者同士の交配・生殖
    3.学問に最も高い価値があるとするユダヤの宗教的、文化的伝統
    4.家庭環境における極度に刺激的な性格
     ←子供の才能を伸ばす為には何でもする
    5.何世代にも渡る都市志向、および実際上も都市や町へ集中していること
    6.異教徒の商業の強制により知性が磨かれたこと
    7.異教徒の文化的雰囲気の挑戦
     ←いわゆる「鬼っ子」。集団の中の部外者というポジションであったこと。

    嫌われる理由も興味深い。著者は4点を挙げる

    ・宗教的理由
     ←選民への羨望と嫉妬
    ・社会的・経済的理由
     ←ユダヤ人の世界支配、金融支配
    ・競争によって生じたもの
     ←社会のエリート
    ・人種理論によるもの
     ←近代の人種論・エスノセントリズム

    なかなかに、歴史が創り上げた、難しい民族と言えるのではないだろうか。

  • 第一章 古代のユダヤ人
    第二章 イスラム・スペインのユダヤ人
    第三章 中世ヨーロッパのユダヤ人
    第四章 東欧ユダヤ人
    第五章 ヨーロッパ近代のユダヤ人
    第六章 シオニズムへの道

  • 新書文庫

  • 離散しながらも何千年も続く民族ってすごいなー。

  •  古代、聖書の中に現れるユダヤ人から、中世のヨーロッパ、特にスペインや東欧のユダヤ人、そして近代ヨーロッパを経て、シオニズムの運動が起こったり、ロシアやドイツでの迫害が起こったり、というユダヤ人の歴史。著者はイスラエルの大学に留学したこともあるイディッシュ語・イディッシュ文学の専門家。
     ナチス時代のホロコーストの話は最後にちょこっと載っているだけで、現代に至るまでの中世、近代の話がメイン。まず聖書において、「排他的で妬み深い」(p.16)ヤハヴェ神を、ユダヤ人が「唯一神教として信ずることにより、一方では神は彼らを他の民族に増して愛し、保護する。しかし神がこのようにユダヤ人を選民とし、ユダヤ人もまたヤハヴェを彼らの民族神としたことが、その後何世紀も続く異教徒のユダヤ人嫌いをひきおこすことになるのである。」(pp.16-7)という形で、分かりやすくまとめられている。その後、各地域でのユダヤ人の活躍、評価などが取り上げられるが、その中でも特に驚いたのが、スペインがユダヤ人に対する追放令を公式に解除したのが1968年12月16日(p.56)という部分だった。また、ドイツ語に対してイディッシュ語があるように、スペイン語に対して「ジュデズモ」というのがある(p.61)というのも初めて知った。そしてユダヤ人と言えば「高利貸し」というのが定番だが、「これはたとえ低い利率であっても、教会はこう呼んだのである。実際には彼らの商売のやり方は質素で、少しの利子を取ってお金を貸すだけであった。」(p.72)というのも、全く知らなかった。本当に高利貸しなのかと思っていた。あとは、ユダヤ人はペストにかかることが少なかった、という事実(p.82)。「その理由は彼らの間には衛生学や医学の知識が普及していたし、また隔離された生活を送っていたこともある」(pp.82-3)らしい。そしてさらに驚いたのは、作曲家のワーグナーは反ユダヤ主義者だった、ということ。ワーグナーの曲は「イスラエルの公けの場では演奏されないことになっている」(p.173)らしい。物を知らないというのは恐ろしい。偏りのない、客観的なユダヤ人史を扱った新書。(15/11)
     

  • ユダヤについて過不足なく、網羅的に扱われています。入門に最適だと言えましょう。突飛な論もなく、また著者のイスラエルでの体験談も交えられていて読みやすい。
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    なぜユダヤ人は虐げられるのか?
    なぜユダヤ人は強く、賢いのか?
    ドレフュス事件
    バルフォア宣言

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著者プロフィール

1928年生まれ。第四高等学校を経て、1950年東京大学文学部英文学科卒。大学院修了後、1955-61年『研究社 英米文学辞典』の編集を担当。日本英文学会、新日本文学会会員。訳書にE・ブロンテ『嵐が丘』、サリバン『ベートーヴェン』などのほか、『カーライル選集3過去と現在』などがある。

「2015年 『過去と現在』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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