「スキャンダル」の記号論 (講談社現代新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061488496

作品紹介・あらすじ

日陰の存在とされていた"スキャンダル"が、いまや、巨大なメディアのネットワークによって、商品化され、流通・循環・拡散する。スキャンダル情報氾濫現象の背後で、いま、何が起こっているのか?コミュニケーション回路の変容と、そのなかを浮遊するゴシップマニアとしての人間を分析して、ポスト・モダンの文化風景を浮き彫りにする。

感想・レビュー・書評

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  • 今週、あのお笑い芸人の不倫謝罪会見が開かれて話題になった。見ようという意欲がわいてこなかったので見なかったが、記者会見することかなと思った。




    今の時代も衰えることのない「スキャンダル」な報道。人がいる限り永遠になくなることがないなあ。



    今回の本は、1987年に発行された本だが、今読んでも興味深い。



    著者は、芸能誌・週刊誌が好んで芸能人・有名人のスキャンダルまがいの出来事扱うようになったのは、1960年代後半だった。



    その理由として、昔からあった「共同社会」の解体をあげている。村や町で共通の話題になった身の回りの人が、知らない人になり、それに変わるゴシップとして有名人や芸能人のスキャンダルが話題になった。まあ、その方が後腐れがなくてすむし、共通の話題になるからなあ。




    いろいろなところで話題になる浮気や不倫は、1960年代にはテレビドラマのテーマにならなかった。それが70年代後半になると、道徳的・教訓的な描かれ方をしなくなり、かといって肯定されるでもない「相対化」された状態になった。



    スキャンダルはこれからもなくなることはない。どのような形で行われ、どのような形で報道されるかに関わらず。



    あのお笑い芸人の場合、ひかりもなければのぞみもなさそうだな。刑事罰に問われることはなくても、忌み嫌われることをしたので。

  • [ 内容 ]
    日陰の存在とされていた“スキャンダル”が、いまや、巨大なメディアのネットワークによって、商品化され、流通・循環・拡散する。
    スキャンダル情報氾濫現象の背後で、いま、何が起こっているのか?
    コミュニケーション回路の変容と、そのなかを浮遊するゴシップマニアとしての人間を分析して、ポスト・モダンの文化風景を浮き彫りにする。

    [ 目次 ]
    1 氾濫するスキャンダル情報
    2 ジャーナリズムからスキャンダリズムへ
    3 文化装置としてのスキャンダル
    4 祝祭としてのスキャンダル
    5 スキャンダリズムのゆくえ

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