はじめての構造主義 (講談社現代新書)

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  • 講談社
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本棚登録 : 2026
レビュー : 212
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061488984

感想・レビュー・書評

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  • 1988年(昭和63年)発行の構造主義の入門書新書版。

    発刊当時は画期的な本で、図を入れながら新書の範囲で構造主義を解説している。80年代は、構造主義ってなに?海外では有名になっているぞ?みたいな状況で、その本質がわかっていない人が多かったような気がするので、その中でエッセンスを簡単に解説した本の価値は高かったと思う。今や図解や説明が簡単になったので構造主義の入門書としては本書にこだわらなくてもよいと思う。

    しかし、著者の橋爪氏は、四半世紀後に「不思議なキリスト教」でもヒットを飛ばすわけで、本当にすごい人だと思ってしまいます。

  • 読むと構造主義ってなんなのか何となく分かる。でもはっきりわからない。そんな感じ。

  • 構造主義とポスト構造主義についてかいつまんで分かりやすく解説したもの。数学の群の考え方が未開の土地での婚姻ルールになっているなど、知のありかは文明の如何に寄らないなどが描かれている。
    人間の関係性を幾何学等の数学で解き明かせるという気づきについて知ることができる。

  • いかにもキャッチーな切り口でソシュール、レヴィ=ストロース、神話論、記号論などの取っ付きにくい構造主義の思想をコンパクトに概観した入門書。今でも読まれてるかな?

  • 主にレヴィ=ストロースの定義した「構造」の解説、そしてレヴィ=ストロースが「構造」を発見するために必要となった諸概念と、「構造」を理解するための周辺知識を優しい文体で解説する本。もちろん親族体系と神話の構造分析についても触れている。そして西洋近代主義であるマルクス主義と実存主義をどのように批判し乗り越えていったのか、どうしてそれらを批判することになったのかを示す。フーコーやソシュールの言語学なんかにも触れている。

    もっとも、親族体系と神話についてはどちらも扱いは軽く、特に後者は軽くさらうような感じなので、より詳しく具体的な分析手法について知りたければ小田亮の『レヴィ=ストロース入門』(ちくま新書)がオススメです(こちらは読みにくいと思いますが)。

    特にこの本が良かったと感じたのは、現代数学で言う「構造」という概念からレヴィ=ストロースが文化人類学の「構造」を発想した、という部分の解説だった。なぜ現代数学的「構造」が親族体系と関係するのか、どのように応用されているのかを丁寧に、数学的な具体例も踏まえて解説している。

    他の書籍では、「レヴィ=ストロースは数学から発想を得た。数学の抽象的思考と何か関係があったのかもしれない。」くらいしか説明がありませんが、何か関係があったどころの話ではなく、構造主義の根本的な考え方と密接に関係している、ということが本書から分かる。
    数学における抽象概念である「構造」とはまず何であり、それをレヴィ=ストロースがどのように援用したのか、その周辺の話も含めて1章を割いている。
    これが個人的には大変わかりやすく、本書を読んでよかったと思える点であった。何故他の論者はこの部分に触れずに構造主義を語ろうとしているのか、全く不思議に思えてくる。

    巷では「『構造』という概念は分かりにくく勘違いされる傾向にある」と言いつつ、肝心の「構造」の定義についてはボンヤリとしか語っていない。勘違いされるのはそういう態度のせいではないんでしょうか。数学的な観点の話が抜けていてはそりゃ理解できまい、と思う。

    自分はこの本を読んで、「構造」が全くわかりにくい概念であるとも感じなかったし、数学的な背景があるなら(定式化されているはずなので)もっと理解しやすいではないか、と感じた。実際に本書の解説するレヴィ=ストロースの「構造」は、かなり明快に理解することができた(本書の解説は著者独自の理解かもしれない、という批判は別問題として)。

    構造主義に関する本はいろいろ読んだけど、結局なんだかわからずモヤモヤするなあ、という人にはオススメです。
    最終章である第五章の、構造主義とポスト構造主義周辺の議論の捉えなおしについては、自分にとってはあまり聞いたことがなかった論点なのでとても興味深かったです。


    ちなみに、先も述べたように、小田亮の『レヴィ=ストロース入門』(ちくま新書)を読むと、レヴィ=ストロースが「構造」を具体的にどう研究で用いているのかが分かると思います。
    他に、内田樹の『寝ながら学べる構造主義』(文春新書)。こちらはどちらかと言うと構造主義を中心としたフランス現代思想に関する解説で、構造主義そのものの解説ではない(と思う)。構造主義が結局何であるのか、その根底にあるアイデアについては解説されていないのでまずわからないとは思うが、上記の本でもあまり詳しくはない周辺の論者(ソシュール、フーコー、バルト、ラカンなど)の考えたことが解説されている。

    『はじめての構造主義』→『レヴィ=ストロース入門』→『寝ながら学べる構造主義』の順で読むとすっきりするかもしれない。(自分は真逆の順で読んでしまったので後悔してます…)
    1冊目で「構造」の定義と周辺概念を理解して、2冊目で具体的な研究手法を見つつ周辺思想との関連に触れて、3冊目でフランス現代思想全体を見渡す、という感じになると思うので、3冊読めば「結局構造主義って何なの/何だったの」という疑問はそれなりに晴れると思います。

  • 東大受験の現代文対策に挙げられてたり、
    東大の某ゼミで参考文献に指定されているほどの
    本格的入門書。

    「おませな中学生でも理解できるように書きました」

    とのことだが、


    1000%無理だろっ!!!


    その中学生は金田一か銀狼です(IQ180以上)。
    率直な感想を述べるなら、小難しいことをあくまで
    「やさしい言葉で」書いただけであり平易にはなってない。
    よって結構わからない。

    速読タイプの僕が読むのに一週間費やしました。
    そして本書の半分を構造主義誕生までに費やし、
    結局のところ構造主義ってなんなのかは…イマイチ…
    (てか論理が飛躍してたり、話のつながりおかしくない?)


    と、ここまで書いたところで
    ほかの人のレビューを見たら↓

    「本当に中学生でもわかる」
    「二時間で読めた」
    「珠玉の入門書」

    うーん、本気で俺は
    頭が悪いんじゃないかと心配になってきた…

    それくらい社会の上積みの方しか読まない本なんだろう。
    そう信じよう。。

  •  名前の通り初学者向けの本です。主に構造主義者の一人レヴィ・ストロースについて取り上げています。構造主義は大雑把に言うと、異なる制度や法則から共通の関係を抽出し分析するものです。彼がどんな過程を経て構造主義という物の捉え方にたどりついたかもストーリー調で言及されており、一緒に考えながら読み進めることができます。

  • 源流としてのソシュールとモース、そしてストロースのコミュニケーション三要素などには感嘆する。数学を柱としたギリシャから近現代までの歴史理解にも役に立つ。あとがきで表明される著者の懸念、近代を体現してこなかった日本のこれからのためには歴史学習が改めて必要なんだろう。構造主義じたいが歴史を排したとしても。
    フッサール現象学への対抗思想としての、「書き言葉」の問題、デリダ(エクリチュール)、フーコー(ディスクール)、クリスティバ(テキスト)、この辺にはあたってみなければ。

  • 現代思想の重要な柱である「構造主義」についての入門書。構造主義の祖といわれるレヴィ=ストロースの人類学、その発想の元となったソシュールの言語学、更に、ヨーロッパ世界の「理性による真理」の源流である数学(的思考法)の歴史に触れていく。難解に見えるが、物凄く平易な言葉(ときには砕けすぎに感じるくらい)で解説されており、読み易く分かり易い。数学史のくだりも、ごく最低限しか数式が現れない親切仕様。ただ、最後にもう一度くらい「構造主義って結局何なの?」というまとめが欲しかったなぁ、と。

  • わかりやすい良書。

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著者プロフィール

はしづめ・だいさぶろう 1948年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。社会学者。東京工業大学名誉教授。主な著書に『はじめての構造主義』(講談社現代新書)、『言語派社会学の原理』(洋泉社)、『政治の教室』(講談社学術文庫)、『面白くて眠れなくなる社会学』(PHP研究所)、『橋爪大三郎コレクション1~3』(勁草書房)、『丸山眞男の憂鬱』(講談社選書メチエ)、『政治の哲学』(ちくま新書)など多数。大澤真幸氏との共著に『ふしぎなキリスト教』『げんきな日本論』(ともに講談社現代新書)、『ゆかいな仏教』『続・ゆかいな仏教』(ともにサンガ新書)、『アメリカ』(河出新書)などがある。

「2019年 『小林秀雄の悲哀』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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