- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061489509
作品紹介・あらすじ
正義や倫理が犯罪と結びつき、刑事裁判に情状が働く。法的手段を嫌い、調停や行政指導に向う風土。義理と人情、雷同性など、日本人特有の法に対する深層構造をさぐる。
感想・レビュー・書評
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20年前に書かれたものだけど、残念なことに、今にも通用する。
「課題に直面することを猶予されている」「例外的に幸福な、恐るべき時期」を、まさに課題から目をそらして過ごしてきたばっかりに、いざ課題に直面した時に浅慮が露呈する。一度日本人論ブームもあったけど、あれは時代がこう移行してくる中で必然的な出来事だったんだろうな。うまく消化されているとはとても思えないけど。
天皇論・権利論・司法論等々、日本と欧米の文化的相違を軸に論じていて説得力があった。表面上はタテ、実質的にはヨコ社会。
ただ、記述のなかにあるように、ここには臨床にあたって書かれていることはない。「ではどうすれば?」というのは自分で考えなければならない。やれやれ…誰か頑張って(という態度がいけないんですねわかります詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ホリエモンや村上ファンドの事件の際によく耳にした「法さえ犯さなければ何やってもいいのか」という言葉。これは今でも一般的日本人の感覚だと思われるが、では、なぜ日本人はこういう感覚を持つのだろうか。日本人にとって「法」とはどういう存在なのだろうか。文字通り、「日本人の法感覚」を文化的側面から考察した書。実にバランスの取れた素晴らしい内容だ。これまで取り上げてきた中でも3本指に入るかもしれない名著である。こんな本が絶版だなんて本当に信じられない。復刊を強く望む。
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