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Amazon.co.jp ・本 (242ページ) / ISBN・EAN: 9784061489714
作品紹介・あらすじ
天安門広場に毛語録の波が揺れる。「造反有理」から「批林批孔」「四人組」まで、当時の中国はまさに混乱のるつぼであった。社会主義における変革とは何か。毛沢東のかかげた夢と、現実を膨大な資料の中から検証しつつ現代中国の起点といえる文化大革命の真相を、具体的かつ、実証的に抉り出した待望の書。(講談社現代新書)
現代中国に傷痕を残す文化大革命を振り返る。現代中国に大きな傷痕を残してしまった文化大革命とはいったい何であったのだろうか。豊富な文献をとおし、その意味と事実経過を辿り、中国の苦難史を解明する。
みんなの感想まとめ
文化大革命の実態を深く掘り下げた本書は、現代中国に残る大きな傷痕を振り返り、その意味を問い直します。著者は、単なる権力闘争としての側面だけでなく、共産党の官僚主義に対する危機感から始まったこの運動が、...
感想・レビュー・書評
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古本で購入。
「文化大革命」とは何であったか。
この一種途方もない問いから、中国の「失われた10年」を総括しようというのが本書。
一般的に(僕もだけど)、文革というのは
「大躍進・人民公社政策の失敗によって低下した権威を回復しようと毛沢東が引き起こした権力闘争」
というイメージが持たれている。著者はそれも事実であるとしながら、
「共産党の官僚主義化に対する危機感」
という分析をしている。
大衆路線を忘れ官僚主義化した特権を握る高級幹部(いわゆる「実権派」)こそ、文革における打倒対象であった。
しかし結局、毛沢東の「空想的社会主義」によって中国の経済は破綻し、農村は荒廃した。
文革の尖兵となった紅衛兵は毛沢東の制御を離れ、残虐なる迫害・弾圧の徒と化し、大衆テロに堕した。
事実上の「内乱」となった文革において、犠牲者は1000万人を超えると言われている(中国政府の見解は2000万人。この他3600万人説、7000万人説など諸説あるが、どれも異常な数字だ)。
教育の中断や青年の下放による人的資源の喪失も甚だしかった。
古い物の否定という価値基準の下、多数の文化財が破壊され、失われた。
文化大革命は失敗した。
毛沢東が打倒を目指した実権派は、文革以前と同様の、特権を行使する階級へと返り咲いた。
1981年6月の「歴史決議」において、中国政府は文革を
「指導者が誤って発動し、反革命集団に利用され、党、国家や各族人民に重大な災難をもたらした内乱」
「わが党が犯した最大の過ち」
とコメントしている。
建国20年に満たない中国で起きたこの狂気の一幕がいったい何であったのか。
現在も総括・清算のできていない重大事である。
それは文革時代に下放によって農村に送り込まれて上海市民権を失った人々が、その回復を求めていることからも明らかだ。その他にも社会のあらゆる部分へ爪痕を残していることだろう。
現代中国を知る上で、文革を知ることは欠かせない。
ざっとしたあらましを知っていないと少々わかりづらいが、簡潔で読みやすい本だと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
現在アメリカに次ぐ世界大2位のGDPを誇る中国。世界大2位の14億もの人口を有する中国は、習近平指導の元、共産党一党独裁が長らく続く。これだけの人民を抱える国であるから、指導部には、民衆を強力に押さえつけ、違反する分子は種が芽を出す前に駆逐しなければ、やがて大きなうねりとなって国家を転覆しかねないという危機感が常に付きまとう。幸い現代中国は様々な手法で国民を監視し、かつ巧みな情報操作で、そうしたリスクの未然防止に成功している。一方で、元来優秀な漢民族の知性と技術力を最大限に国策に活かして、世界最大の生産力や先進技術分野でも世界をリードする立ち位置まで発展させたのも、また共産党の力であると言える。人々を強力に時には不自由な生活も厭わず統制しながら、国家の発展に必要な施策分野への力の集中。民主主義で過度の個人尊重主義を全面に押し出し、物事が中々決まらない他の国々では、この様な動きかたはまず出来ない。超高齢社会のリスクも抱えながらも、技術進歩でそれらをカバー出来るよう、社会も変革を続ける中国が、この先(人口で遥かに圧倒している)アメリカ相手に世界第一位のGDP国家になるのも夢ではなく現実味を帯びている。
その様な一党独裁を形成する上で大きな役割を担ったのは、本書が題材とする文化大革命であったことは言うまでもない。中国人にとっても負の歴史とされる、この「文化大革命」の成果とは何か。そしてそれが齎した今尚中国が抱える課題やリスクが何か。それらを毛沢東中心に多くの人々との関係性や時代背景、毛沢東が掲げた政策や発言内容から紐解いていくのが、本書の内容となっている。1989年に書かれた書籍であるが、第二次世界大戦終結から現代中国に続く歴史の糸を辿り、現在の習近平体制に繋がる道筋を理解する上では、古さを全く感じさせない。寧ろ1989年6月の天安門事件から間もない時期に描かれていることで、よりリアルタイムに当時の中国情勢が入ってくる時期からして、中国という巨大国家を振り返る時期に丁度良いと言える。
本書はかなり膨大な書籍、文献を引いており(巻末の参考文献も長すぎる位)、関係者同士の手紙のやり取りなども含まれ、分析に必要な材料が新書サイズにコンパクトにまとめられている。だが天安門事件からも30年以上経過した現在読むなら、ある程度の中国に対する予備知識や人物に対する知識は必要だ。ざっと10人程度抜粋するなら、以下の通りである。予め知っておいた方が読みやすさは格段に上がる。
毛沢東: 中国共産党主席。文革(文化大革命の略)の最高指導者。権力の奪還と自身の思想・イデオロギーを徹底するため、運動を過熱・促進した張本人。
江青: その毛沢東の4番目の妻。文革を主導した政治グループ「四人組」のリーダー。文化芸術の検閲や政敵攻撃を指揮し、権力に対する強大な野心を持ち、毛沢東の代理人として権力を振り翳した。
張春橋: 「四人組」の一人であり、理論家として文革の正当性を理論武装した。上海での造反派の権力奪取を主導。
姚文元: 「四人組」の一人。文芸評論を通じて文革の事実上の口火を切る。メディアやプロパガンダを支配し、民衆を操作、先導することに寄与した。
王洪文: 「四人組」の一人。上海の工場労働者から造反派の指導者になる。その後は、毛沢東の後継者候補にまで急出世を続ける成り上がりの人。
林彪: 毛沢東の元腹心で国防部長として活躍。毛沢東語録を普及させて毛沢東の神格化を進める。一時は公式な後継者まで上り詰めたが、その後クーデター計画を主導し、これが発覚し失脚。最後はロシア亡命を企図した飛行機で墜落死。
上記に加えて、批判・迫害される側の実力者として以下も主要な登場人物である。
劉少奇: 国家主席。毛沢東の「大躍進」政策の失敗を指摘、修正を試みたことが、「資本主義の道を歩む実権派」筆頭として過酷な迫害を受ける。最後は獄死。
鄧小平: 共産党総書記。優秀な行政指導者として、劉少奇とともに実務的な経済政策を進めた事で、一緒に失脚した。だが文革後半には、毛沢東の許しを得て復帰。その後再び失脚。
毛沢東の死後は、最高指導者として奇跡的に復活を遂げ、現代中国に続く躍進の下地を作った。
また、文革における国内の混乱収拾や、終結に寄与した人物として、
周恩来: 国務院総理(首相)。文革の混乱の中で行政機構を維持し、極端な破壊から文化財や一部の幹部を密かに保護することに尽力。田中角栄との日中国交正常化に寄与。
華国鋒: 毛沢東の後継者として、毛沢東が亡くなった直後に「四人組」を逮捕。実質的な文革終結を成し遂げた。
これら登場人物に加え、用語的に頻出するものとして、予め知っておいた方が良いものとして、
修正主義: 「マルクス・レーニン主義の基本原則を捨てて資本主義の復活をめざすもの」として毛沢東らが批判した政治的レッテル。実際は経済立て直しのために市場的な要素や実務的な政策を主張した指導者層を失脚させるための名目として使われる。
走資派: 現実的な経済再建(生産力向上や農家の私有地容認など)を進めようとした実務派が「資本主義の道を歩む実権派(走資派)」=修正主義者とされた。劉少奇や鄧小平が含まれる。
階級闘争: 社会主義において、ブルジョアジー(資本家階級)や労働者階級との貧困格差などから、常に階級間の利害のぶつかり合いが発生しているという考え方。これが行き過ぎた状態が革命になるとされる。文革では党や政府の内部にこうしたブルジョワジーが潜り込み、権力を奪取しようとしているとされた。
プロレタリア独裁: 無産階級(資本主義における賃金労働者階級)が革命的な手段により有産階級(産業資本家)の支配機構を打破して作り上げる新型国家政権。その役割として、外敵による転覆と侵略を防止、人民内部の民主的運営が挙げられ、敵に対しては独裁を実行することが求められる。社会主義建設の順調な進行、共産主義への移行も。
本書を読むには、これら関連用語や人物を確認しながら読み進めると良いだろう。そうすることで、覇権主義的な動きを見せる中国の行動原理の理解、国民性の理解、今後の展望などに役立つ、多くの知識を得ることができる。 -
古い本のため、バーコードがついていなかった。
実権派、造反派とか、反革命分子、悪質分子などの抽象的な表現が多く、かつ階級闘争、経済闘争などの観念的な用語の羅列で、実際の人々の動きが分かりづらい。
まるで、1960年代などの学生運動で見かけたような表現脳オンパレード。
文化大革命乎巡る共産党幹部の間の権力闘争の様子を記述してあるが、文化大革命で人々は何をして、何をされたのかをもっと詳しく知りたかった。 -
毛沢東
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表現も構成も何ともわかりにくい。特殊な「文革用語」がポンポン出てきて、その度に引っかかる。自分のような予備知識のない者には不向き。
事前に持っていた文革のイメージは紅衛兵による文化財の襲撃くらいだったが、実はそれは文革のごく一部分であり、実態は『毛沢東が考えた最良の社会主義』建設を人民に強制する政変である。理想や動機は正しかったのかも知れないが、所詮出来もしないことを無理やり追い求めた結果があの結末である。
また六四天安門事件も、太子党で下放世代である習近平が現在進行形で進めている権力集中も、文革を踏まえて捉えると理解しやすいのは新たな気付きだった。その意味では今も文革は続いている。 -
文化大革命について知りたくて読もうとしたが、文化大革命について知っている人でないとわからない
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新書文庫
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この本の時代(1990年前後)の延長が、今の中国というのが信じられない。
歴史を否定しないと大国には成り得ないのか。 -
中国人の名前の区別がつかないこちらにも問題はあるが、しかしまあわかりにくかった。時代も行ったり来たり。
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文化大革命についての本。
文革について、私には教科書程度の知識しかないため、正直内容はよくわからなかった。
ただ文革のような政治的混乱がなかったら、
今の中国の様な急激な経済成長はもっと早く来てたんだろうなと思った。 -
文革の概要はおぼろげにわかったけど、難しかったです。とにかく毛沢東が許せない。
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現代中国史において文革は避けて通れない事件ではある
多くは語れないが、本当にあの時代はトチ狂っていたんだなあと思える
あまりいいたくないが、中国流の狂気は、そこいらの都市伝説よりコワイ -
中国史上もっとも暗い事件、文化大革命についての本。
人を中心に書かれているので、時系列でない分頭の中が整理しきれないが、
筆者の視点を通して人となりを浮き上がらせる。
四人組の江青など、名前のみしか知らないキャラクターについて、
理解が深まった。
毛沢東の強烈な情報統制の中で、何も発言できない、かつ何もしていなくても有罪になるかもしれない恐怖。
毛沢東独裁のとてつもない力が働いているのが感じられる。
なかなか勉強する機会のないテーマだけに、勉強になった。 -
文化大革命の真相は、実際には殆どの中華人民共和国国民を巻き込んだ粛清運動だった。
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