英語的思考 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061489905

作品紹介・あらすじ

「例外的な人」exceptional personは、日本で「変人」、海を渡ると「偉人」。英語で話せば人が変わる…。日本とは大きく異なる英語の文化的背景と論理をさぐり、具体的な表現を通してその背後の考え方にせまる。

感想・レビュー・書評

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  •  英語関連の本あるいは外国語関連の本は「語学的ノウハウ本」のイメージが強かっただけに、本書のような言語という枠で文化を論じることはとても新鮮。各章に設けられた訳付きの英文がそれほど難しいものではなく、解釈訓練としても非常に有益であるが、それよりも内容の文化論的価値が大きい。日本とは違った考え方を日本語ではなく、英語で読むことは思いの外思想形成的な影響が強いのである。「面倒でも原文にあたりなさい」という教えはこういうことなのか、と思う。

     言語は「意思伝達の手段」として貴重なツールであるが、その意思が相手に伝わった後にはその人の思考や行動に強く影響を与える。それが人格や周囲の世界を形成し、その先には世界をひっくり返すような影響があるかもしれない。言葉の認識にズレが生じることによって争いが起こる。これは同じ言語でもよくあることだが、それが外国語であればさらに頻発するだろう。国家間に紛争が生じるのはこうしたことにも原因があるのではないか。文化や宗教の問題で戦争が起こることと同様。そのように考えると、外国語の習得は単に「楽しくお話しましょう」以上のとても深い意義がある。

     英語で会話ができても、英語で「感じる」ことができる人というのはそれほど多くはないと思う。そうした感触は言語が身体に浸透することによって可能となるものであり、それは「経験」がものをいうのだろう。そうした「感覚」は日本で普通に生活していれば、いくら学校で英語教育を受けていてもなかなか身につくものではない。理想はすべての言語に触れることだが、短い人生でそれは極めて難しい。比較的習得しやすい英語を学ぶだけでも、言語とそれに伴う考え方の違いといったような独特の体験に辿り着くことができるのではないか。ただ、その前に多くの人が学生時代から持っている英語アレルギーの克服が最優先課題かもしれない。

  • 9/25fin

  • 読んでいて、「ぁ〜知ってるよ」という部分も多いかもしれない。
    新しい視点や発想があるわけでもなく、よく言われていることをまとめてある、といった印象。

    1、雄弁こそは金、沈黙は・・・・・・・
    2、個人主義と集団主義
    3、英米の教育
    4、英語表現にあらわれる心理
    5、比喩の意味するもの
    6、ていねいな英語とは何か
    7、婉曲表現のゆたかさ
    8、ユーモアの向こうに見えるもの

    例文を使いながら幅広くまとめてあるので、自分の知識がない部分だけざっと目を通すには良い1冊だと思う。

  • 990

  • 英語圏の文化について、例文をまじえながら色々と解説してくれています。

    例文は比較的簡単なものから、読みにくいものまで沢山ありますが、「むずかしすぎて読めない!」というものではないですし、英語を勉強しながら、アメリカやイギリスの文化についても色々と知ることができます。

    なかなか面白かったです。やっぱり、言語を学ぶときは、常にその言語圏の文化を意識しないといけないですね。

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