- 本 ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061489936
感想・レビュー・書評
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「クラシックの名曲・名盤」(1989年)の姉妹編。前著は名曲の名盤を紹介しているが、本書は演奏家の名盤を紹介している。
今(2024年)から遡ること34年も前の本なので、マニア以外の方がこれから読む意義は見出せない。同じように演奏家の名盤を紹介している本なら、2009年に出版された、中野雄氏、福島章恭氏との共著である「新版 クラシックCDの名盤 演奏家篇」をお勧めする。
ビギナーの方が、宇野氏の本を読むとその強烈な主張を鵜呑みにしてしまい偏見を抱く恐れがあるが、共著では、特に中野氏の意見は的を射ているものが多く、偏見を和らげる効果があるからだからだ。
さて、本書は内容はともかく、文章は巧みである。宇野氏の文章には慣れ親しんでいることもあるが、スラスラ読めてしまう。
宇野氏のフレーズを借りれば、「切れば血の出るような」といいたいその筆致は、一気呵成に突き進むスタイルで、他の評論家を一歩超えた至芸といえよう。
その内容が実用的かどうかは別として、宇野功芳氏は批評家・書き手としては一流ということは確かである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
宇野以外の評論からクラシック音楽に入門するのはよいが、初歩の段階を過ぎたら、他のもっと優れた評論、例として宇野功芳に移ってゆかなければならないのである。
ほんとうに優れた音楽評論は甘口専門ではない。もっと辛口で、苦い味わいを持っていたり、厳しく大衆を拒否したり、孤独で、深遠で、ときには近寄りがたい存在であるといえよう。
そこを通り抜けてこそ、初めて真実の音楽評論と巡り会えるのだといえよう。
僕は現代の評論家たちの、とりすました、きれいごとの音楽評論など、一切読む気がしない。時間の無駄だからである。
魂の歓喜には、どうしても本質をとらえた芸風が必要なのだといえよう。
著書に廃版が多いのは残念だが、日本の出版社は新刊中心主義なので仕方あるまいといえよう。
(パロディ、ネタ含む) -
配置場所:摂枚新書
請求記号:760.9||U
資料ID:59000272 -
[ 内容 ]
魂を揺すぶる指導者。
お気に入りのピアニスト。
同じ曲が演奏家によって輝きを増す。
ワルター、フルトヴェングラーからリリー・クラウス、チョン・キョンファまで深くゆたかな響きの世界へ極めつきの名演奏が誘う。
[ 目次 ]
1 指揮者(アルトゥーロ・トスカニーニ;ウィレム・メンゲルベルク;ピエール・モントゥー;ブルーノ・ワルター;パブロ・カザルス;カール・シューリヒト;レオポルド・ストコフスキー ほか)
2 ピアニスト(ウラディミル・ド・パハマン;マルグリット・ロン;アルフレッド・コルトー;ウィルヘルム・バックハウス;アルトゥール・ルービンシュタイン;クラウディオ・アラウ;ウラディミール・ホロヴィツ ほか)
3 ヴァイオリニスト・チェリスト・声楽家(フリッツ・クライスラー;ヨーゼフ・シゲティ;ヤッシャ・ハイフェッツ;前橋汀子;ギドン・クレーメル;鄭京和;天満敦子 ほか)
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[ 参考となる書評 ]
著者プロフィール
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