悪魔の話 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061490390

作品紹介・あらすじ

現われる時間は夜、好きな色は黒。人に禍いと死をもたらし、宇宙をも破壊しつくすすさまじい力…。世界の半分を支配する闇の帝王たちが物語るものはなにか?その誕生から性格、分類、材質まで、「悪魔」の観念が生みだした華麗な精神絵巻をよむ。

感想・レビュー・書評

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  • 悪魔入門、というより、
    悪魔および妖精などの民間伝承などを広く浅く集めた、という本。
    人間にこき使われる、間抜けでチャーミングな悪魔の存在を初めて知った。

  • 悪魔に興味があるかたはぜひ。
    悪魔学入門にはちょうどいいかと。
    悪魔の総数、材質から種類に至るまでがよくわかります。
    個人的には6章の魔女狩りの話がとっても興味深く読めました。社会の中で異端とされるものを排除する仕組みとして魔女という罪を発明したんだという話。
    けど、それって今の社会でもそこらじゅうでみかける出来事じゃないかと思いました。
    「あいつは犯罪を犯したから村八分にされて当然だ。」
    「なんかへんな奴だからいじめても構わない。」
    「自己責任なんだからバッシングされて当然。」

    みんな魔女を探してる。
    みんな魔女狩りをしてる。

    なんてことを感じてしまったり…


    「いたるところに悪魔がいる」の本当の意味は、宗教画の中だけの話ではないのかも。

  • 様々な資料から悪魔の変遷を見ていく。

    聖なるものよりも想像力を逞しくさせる邪なるものを例証し、そこから派生した白と黒の象徴性が人種差別などのひとの思想に入り込んでいく。

    また、ゲーテがメフィストの口を用いて批判した紙幣の存在が現代を支配していることを悪魔と結びつける。

    さらに、魔女狩りの章の最後ではラジオや新聞などの映像無しのマスメディアが大衆を盲目的に差別に傾かせることが述べられている。
    ネット掲示板という文字文化最前線の現代においても良く考えられるべきことだと思う。

    悪魔というものを軸に現代の問題に思いを馳せていく本。

  • 引用が多過ぎて考察が少ないのが残念

  • 主に西洋の悪魔の話である。

  • [ 内容 ]
    現われる時間は夜、好きな色は黒。
    人に禍いと死をもたらし、宇宙をも破壊しつくすすさまじい力…。
    世界の半分を支配する闇の帝王たちが物語るものはなにか?
    その誕生から性格、分類、材質まで、「悪魔」の観念が生みだした華麗な精神絵巻をよむ。

    [ 目次 ]
    1 サタン紳士録
    2 悪魔学入門
    3 闇の力
    4 黒と白
    5 飛行幻想―魔女狩り
    6 小さな町
    7 ファウスト博士
    8 不思議博物館
    9 流刑の神々
    10 気の好い悪魔たち
    11 魔除け
    12 いたるところに悪魔がいる

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    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
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    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 奇をてらったタイトルの新書が溢れる昨今、20年前にだされた「悪魔の話」というシンプルなタイトルが良い。内容も、文字通り「悪魔の話」に尽きている。ただしディープだ。この本の内容を真に理解し堪能するには、西洋の歴史や思想などに相当の博識が必要になるようで、凡人としては、面白そうな話だというのは解っても、実際は何を言っているのか解らなかった部分がかなりある。

  • ええー呼び出してみろって?呪文のってるよ!どびっくりさせられました。
    あわててバルスりそうになりましたよほんと。おもしろかったです!

  • 現われる時間は夜、好きな色は黒。人に禍いと死をもたらし、宇宙をも破壊しつくすすさまじい力…。世界の半分を支配する闇の帝王たちが物語るものはなにか?その誕生から性格、分類、材質まで、「悪魔」の観念が生みだした華麗な精神絵巻をよむ。

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著者プロフィール

1940年、兵庫県姫路市生まれ。
ドイツ文学者・エッセイスト。
主な著書に
『ゲーテさんこんばんは』(桑原武夫学芸賞)、
『海山のあいだ』(講談社エッセイ賞)、
『恩地孝四郎 一つの伝記』(読売文学賞)など。
訳書に
『カフカ小説全集』(全6巻、日本翻訳文化賞)、
『ファウスト』(毎日出版文化賞)など。

「2019年 『ことば事始め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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