西洋占星術: 科学と魔術のあいだ (講談社現代新書 1105)

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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061491052

作品紹介・あらすじ

星の告げる人間の宿命。古代バビロニアに生まれた運命決定論は、以後の西洋社会を暗く覆った。天のメッセージをいかに読み解くか。ホロスコープの理論を紹介、科学としての占星術を考える。

感想・レビュー・書評

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  • 占星術の歴史と科学との関わりについてしることができる。ホロスコープがインドから中国・日本へと伝わったことと、未開の時代には天よりも地上の生物現象がはるかに強烈で、未開人の説話には点の関心が出てこない。古代文明になってはじめて、人が天に関心を見せる余裕と必要が出てくるということが興味深かった。

  • 占星術に関する本には、二種類ある。占星術の実践本と、占星術を文化的な学問として捉えた本である。本書は後者に属する。本書は「西洋占星術」と銘打っているがアジア地域の占星術も随所に取り込んでおり、好感が持てる。占星術に限らずそれを包括する呪術は人類が普遍的に持っているものなので、世界中で発生するのは当然の事なのだ。占星術が、世界中の占星術と影響しあって発展していく姿がよく描かれている。

  • バビロニアにおける天文学・占星術の誕生、ギリシア・ローマ世界における受容、イスラム世界での発展、12世紀ルネサンス以降のヨーロッパにおける再受容、さらにルネサンス期以降、占星術が最終的に近代科学から脱落するまでを占星術の原理をまじえて解説。ただし近代科学の視点から迷信として断罪するのではなく、その時代における科学であったとの立場で筆をすすめる。またギリシア・ローマの学問の伝承におけるイスラム世界の重要性を指摘し、汎バビロニズムや中世ヨーロッパ暗黒時代史観を批判するなど、科学史家が初心者(例えば占星術について客観的に考えてみたいと思う高校生)に語るべき必要十分な内容をそなえた良書。

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著者プロフィール

1928-2014。科学史家。神奈川大学名誉教授。ハーヴァード大学Ph.D(科学史)。著書に『歴史としての学問』『帝国大学の誕生』『近世日本の科学思想』、訳書にクーン『科学革命の構造』など多数。

「2023年 『数学の文化史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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