- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061491632
作品紹介・あらすじ
人間心理の奥底を見つめ、「必ず勝つ」方法を冷徹に追求しつづけた孫子。勝算の冷静な分析、無勢で多勢に勝つ方法、リーダーに迫る五つの罠-など、しなやかな知と逆転の発想にみちた「最古最高の用兵理論」を読みとく。
感想・レビュー・書評
-
「孫子」の歴史と現代への影響度を概観し、その内容をお手軽に学べる新書。実は本書を読んだのを忘れていて2度読みしてしまった。(笑)それくらい気になる「孫子」。(笑)さまざまな事例と結び付けて解説を加えてあるので、とても理解しやすい。
孫子の兵法は人間の心理と世の理を巧みに利用し、それを事態の勝利へと結びつける総合人間学でもある。単に戦争だけでなく、現代社会での対処術にも活かせる理論集ともなっている。
「孫子」十三篇の内、自分は「九変篇」と「九地篇」が好きだ。
すなわち、「指揮官は利害を考え臨機応変に」「あえて窮地となる敵の懐に入り一気にかたをつける」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
難解
-
私が初めて読んだ新書です。たぶん中学生だったと思います。久しぶりに孫子を読んでみたいなと思って、およそ20年ぶりくらいに手にとってみました。まあほとんど覚えていませんでしたw
なんで孫子を読もうと思ったかというと、たまたま読んだビジネス書の中で引用されていたからです。2000年前に書かれたにもかかわらず現代のビジネスにも通じるとかなんとか書いてあったので、そういえば昔読んだのがあったなと思って読み始めたわけです。
ちなみに、なぜ中学生のときに孫子だったのかというと、当時歴史が好きだったからというだけです。特に戦国時代にご執心で、武田の旗が「孫子」に由来すると聞いて読んでみたわけです。
改めて読んでみると、これをビジネスに応用するっていうのはなかなか難しいなというのが正直な感想です。孫子は戦争のための本なので、それをどう自分の直面する仕事に当てはめるのかっていうのは、結構難しいです。
しかし、新たな視点を導入するためには、こういう本が手助けになることもあるでしょう。違う視点でものを見るって、なかなか難しいですから。 -
p85 日本では、目上の者に対する慎み深い態度や、周囲との協調性などが、個人の徳義として尊重される。これとは逆に、相手かまわず自己の信念に主張したり、あからさまに他人の思考の欠陥をしてきしたりする人間は、狭量な人物として排斥される。
そこで日本人は、国家の大事を決定する場合でも、周囲から(日本的な意味で)立派な人だといわれるように立ちまわり、自己の保身をはかる。したがって、自分は大勢に合わせただけで、なにも自己の信念で行動したわけでないと考えるから、みなが賛成して戦争を始めたはずなのに、敗北すると誰も自分が音頭を取ったといわない、巨大な無責任の構図が現れる。自分の確信なしに、ただ周囲の雰囲気に同調するだけの安っぽい協調性を否定しない限り、まともな廟戦の実行は不可能で、日本人は和を以って貴しとしながら、何度でも敗北するとするのである。 -
「最古最高の用兵理論」と謳われる孫子の兵法を、近現代の戦争例を挙げながら読み解く。
漢文→訳→解説、と順序よく書かれているので読みやすく理解しやすいです。
読めば読むほど孫子凄い。
戦記物の小説なんかを読む時に資料として持っていても楽しいかもしれません。
私は『銀河英雄伝説』のサブテキストにしてました(笑)。 -
孫子から学ぶところは戦争にはもちろん企業戦略にもあてはまることが多い。
”戦わずして勝つ” -
[ 内容 ]
人間心理の奥底を見つめ、「必ず勝つ」方法を冷徹に追求しつづけた孫子。
勝算の冷静な分析、無勢で多勢に勝つ方法、リーダーに迫る五つの罠―など、しなやかな知と逆転の発想にみちた「最古最高の用兵理論」を読みとく。
[ 目次 ]
序 現代と『孫子』
1 『孫子』の成立とその兵学思想
2 『孫子』の影響力
3 『孫子』を読む
4 『孫子』と日本人
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
孫子とは、史上最古の兵法の書物らしい。本書はその孫子の入門解説&読み下し本だが、決して戦争を勧めている本ではない。孫子を理解することで、現代の諸問題への応用を可能足らしめることを目的としている。孫子自体も、戦争はあくまでも外交・交渉の手段であり、できる限り戦争を避けたほうが、国家にとってリーズナブルであるという姿勢をとっている。最も基本的なところで、目的と手段を取り違えていないところが素晴らしい。--- 2008.08.16