パクス・イスラミカの世紀 (講談社現代新書―新書イスラームの世界史)

制作 : 鈴木董 
  • 講談社
3.22
  • (0)
  • (5)
  • (12)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 88
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061491663

作品紹介・あらすじ

ユーラシアを覆う「イスラームの平和」が生み出した空前の大交易時代。オスマン帝国など強大な三帝国の下で、イスラームの繁栄は第二のピークを迎える。イスラームから世界史を読み直すシリーズ第二巻は拡大と成熟の時代を描く。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「ユーラシアを覆う「イスラームの平和」が生み出した空前の大交易時代。オスマン帝国など強大な三帝国の下で、イスラームの繁栄は第二のピークを迎える。イスラームから世界史を読み直すシリーズ第二巻は拡大と成熟の時代を描く」

    「日本はエネルギー資源のほとんどを外国、中でも中東諸国に頼っています。ということであれば、日本は中東の歴史について鞭であることは許されないでしょう。そして中東の歴史を知るということは、イスラームについて知るということにほかならないのです。この本はイスラームを理解するための手頃な概説書です。
    『都市の文明イスラーム』ではイスラームの成立から16世紀初頭までのイスラーム社会の原型が形成された時期を、
    『パクス・イスラミカの世紀』ではオスマン帝国、サファヴィー朝、ムガル帝国を中心にイスラームが拡大した時期を、
    『イスラーム復興はなるか』ではヨーロッパ文明との対立と自己変革を模索する時期をそれぞれ描いています。」
    (『世界史読書案内』津野田興一著 の紹介より)

  • 杉山正明氏のモンゴル帝国分、鈴木董氏のオスマン帝国分のみ再読。モンゴルの寛容・先進性を説き、従来の野蛮、破壊者というイメージ、通説に対する反論、オスマンの寛容、柔軟性、先進性、成熟を説く二編。二十年以上たつが、コンパクトにまとまっており、両者とも現在も説がぶれてないように思える。

  • 20年近く前の発行だが、イスラム世界の歴史を学ぶには手頃と判断した。

    国や支配者の変遷を淡々と記述している章は退屈だったが、モンゴルやトルコの遊牧民的な規範などがイスラム世界の政治や社会に与えた影響や、イスラムが交易ネットワークの発展に果たした役割については勉強になった。

    ・ペルシア語を話すイラン系の人々はタージークと呼ばれた。
    ・オスマン朝は、アッバース朝以来の官僚組織や軍事制度を完成させ、高度に中央集権化された先進国だった。イスラーム法官による裁判、行政を担うヴェズィール(宰相)制度、奴隷軍人による常備軍を整えた。
    ・商行為はムハンマドも奨励した。イスラームが周辺地域に広がったのは、文明と富の象徴として意識されたため。
    ・10〜11世紀を境にバグダードを中心としたネットワークが衰退し、カイロを中心としたエジプト・紅海軸ネットワークが形成された。13世紀半ばから14世紀半ばには、イタリア諸都市が地中海に進出したが、マムルーク朝とモンゴル帝国によって新たな交易システムがつくられた。16世紀にオスマン帝国が東地中海に、スペインなどの西欧諸国が西地中海に進出した。
    ・16〜17世紀に日本やメキシコ・ペルーからもたらされた銀の流通によって、新しいヨーロッパ世界経済システムが形成された。

  • <a href="http://www.bk1.co.jp/product/00967275"><B>パクス・イスラミカの世紀</B></a><br>(講談社現代新書 1166 新書イスラームの世界史 2)<br> 1993.10<br><br><br>インドにはムガル帝国が、イランにはサファヴィー朝が、<br>そして地中海世界にはオスマン帝国が鼎立。<br>イスラーム世界が迎えた、拡大と成熟の時代を描く。

全4件中 1 - 4件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×