コーランと聖書の対話 (講談社現代新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061491694

作品紹介・あらすじ

イスラーム国エジプトには総人口の10パーセント強のキリスト教徒・コプトの人たちが住んでいる。少数派コプトの歴史と文化を浮き彫りにし、神の啓示という共通の根を持ちながら対立のみが目立つ両教の相互理解の道を、エジプトの人々との交流をふまえ考察する。

感想・レビュー・書評

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  • (2006.03.10読了)(2005.09.28購入)
    エジプトのキリスト教徒(コプト教徒)について書いてある本と思い読んでみたのですが、期待通りの本とは行きませんでした。
    エジプトとキリスト教との関係は、この本でも指摘されている通り結構深いものがあります。旧約聖書の「出エジプト記」のモーセは、エジプトで生まれ、エジプトで育ちパレスチナへと向かいました。新約聖書のキリストは、生まれてすぐにエジプトに逃れています。エジプトの何処で暮らし、何歳でパレスチナへ戻ったのかは知りません。
    エジプトのコプト教徒の信じる信仰の内容や暮らしぶり、エジプトに残されているキリストの足跡、イスラム原理主義が台頭する中で、生存を脅かされているコプト教徒たちの現状、など知りたい事はたくさんありますが、どれも十分には記述されていませんでした。

    ●コプトの人たち(11頁)
    コプトの人たちはエジプト人口のおよそ10パーセント強であるが、総人口の多いエジプトにあっては、これは500万人にもなり、その半数は上エジプトの3つの州に集中している。これは古代アレクサンドリアでローマのクリスチャンに対する大迫害があって、彼らは難を逃れて大挙して南エジプトに移り住んだためである。
    コプトの人たちは教会典礼を除いてはすべてモスレムと同じエジプト方言アラビア語をしゃべっており、イラクで見られるようなモスレムとクリスチャンのアラビア語についての微妙な使い分けなどこの国には全くない。
    農村のコプト婦人はモスレマ(イスラームの女性)同様、チャドルを身にまとい、結婚に関わる事柄や葬式のやり方なども、外面的にはかなり似通ったものとなっている。
    ●エジプトにおけるキリスト(54頁)
    私がエジプトを訪ねる前の関心事には、イエス、マリア、ヨセフ、それに産婆のサロメからなる聖家族のエジプト避難は、エジプト人にとっていかなるものであるのか、また聖家族は如何にしてエジプトへ逃れられたのであろうか、彼らはどのような経路を辿って旅を続けたのか、エジプトにはどれくらい滞在したのか、このような種種の疑問点を少しでも解き明かしてみたいということがあった。
    ●エジプト避難の旅(55頁)
    コプト教会の聖伝によると、聖家族のエジプト避難の旅はベツレヘムから始まって、テル・バスタ、サハー、ナトリュームの渓谷、マタレイヤ、バビロン、マアーディー(カイロの南およそ12キロにある)を経由し、南限のアスユートの南西8キロのところにあるアスユート山中のドルンカ修道院の地にまで達している。(地図がついていないのが残念です。)
    ●エジプトでの福音(59頁)
    「聖マルコはアレクサンドリアを訪れ、そこで福音を述べ伝え、カテドラルを作り、63年4月25日に殉教した。」
    ●マタイ(164頁)
    「口に入るものは人を汚さない。かえって、口から出てくるもの、これが人を汚すものである」

    (コプト教会・コプト修道院を訪れる話は多く述べられています。また、アレキサンドリア教校の果たした役割についても述べられています。しかし、著者自身の関心事に対する回答は不十分です。「ナイル河畔の聖家族」を読んでくれということでしょう。)
    ☆関連図書(既読)
    「出エジプト記」関根正雄訳、岩波文庫、1969.01.16
    「モーセ」浅野順一著、岩波新書、1977.12.20
    「太陽の王 ラムセス」全5巻、クリスチャン・ジャック著、青山出版社、1996.11.05-1997.07.25
    「コプト社会に暮らす」村山盛忠著、岩波新書、1974.04.22

    著者 久山 宗彦
    1939年 京都府生まれ
    東北大学大学院修了
    1976年から2年間 カイロ大学文学部日本学科客員教授

    (「BOOK」データベースより)amazon
    イスラーム国エジプトには総人口の10パーセント強のキリスト教徒・コプトの人たちが住んでいる。少数派コプトの歴史と文化を浮き彫りにし、神の啓示という共通の根を持ちながら対立のみが目立つ両教の相互理解の道を、エジプトの人々との交流をふまえ考察する。

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