情報操作のトリック その歴史と方法 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061492011

作品紹介・あらすじ

ナポレオン、ヒットラーによる情報操作から、投書や広告を利用した最新の情報操作まで、具体的な事例を通して、真実と異なる「事実」がいかにつくられていくのかを見る。

感想・レビュー・書評

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  • 社会学、心理学の手法を使う。サブリミナル、ミランダ、クレテンダ、アナウンスメント効果など。洗脳、やらせ、などは現在でも行なわれているだろう。戦争、独裁、選挙においては情報操作されるようだ。時代背景として、ラジオ⇒テレビ、そして新聞、広告、テレビでは影響も大きくなる。敵を倒すために。
    情報の入手が多い人は、理性的であり、正しい判断が出来る可能性大。パニック時には判断を誤りやすい(宗教や霊感商法は、この手法を使う)。現代においては、情報の入手手段が、本を書いた時代とは異なっている。インターネットのホームページやSNS、携帯電話メール、上手に判断できる半面、悪意の情報により、一気に盛り上がる可能性も大きい。

  • 真冬の向日葵 からのリファレンス。古くはナポレオンやヒトラーの覇権下で行われた、組織的な情報操作の方法、仕組みなど実例を紹介し、現代でも根本的には同様の操作がなされているという比較に触れることができる。

    報道機関にはそれぞれインセンティブがあって、往々にして権威にこれが関わった場合、真実よりも優先される操作が発生するという恣意的な情報操作は当然に知っておくべき報道との付き合い方であろうが、そもそも情報とは恣意の有無に関わらず、主観の影響を受けやすい、不安定なものだという本質を学べたと感じた。

    人は、実体と単なる情報を混同しやすい、というのは重要だと思う。ただ、これを証明する実験として、座禅中のお坊さんとフツーのアナウンサーの前に水着の美女を並べて脳波の乱れを比較する(お坊さんは、ああそうですかと実体のみを受け入れているので、脳波乱れない。)のにはシュールすぎて噴いたw

  • 2011/11/18
    プロパガンダややらせとかの手法の解説。
    知識材料として読むべし。持っててもいい。

  • ◆76冊目

    ドイツや日本が戦争中に使った情報統制の方法や、
    マスコミのヤラセ問題、選挙における政治パフォーマンスなど
    情報操作に関して、幅広くまとめられている。

    そこら中に溢れかえっている情報は疑わなければならないというのは、
    最近のソーシャルネットワークの登場によって、
    流言をよく目にすることや、いわゆる炎上などの事件にで強く感じる。

    難しい本ではないが内容があっちへ行ったりこっちへ行ったりしてて
    全体的にまとまりが欠ける気がする。
    (もともと大学の授業用に作成したものを、新書化したせいかもしれない)
    メディアリテラシーを考え直す上では読んでもいいかも。

  • タイトルが捻ってあるせいで、少々、検証本のような雰囲気を発しているものの、社会心理学の概説書みたいな感じで丁寧に綴られている。社会心理学においての情報操作部門といったところか。社会心理学のメインは購買行動などになるのか知らないけれど、情報操作は割と社会心理学の重点的な分野だと思われる。入門書としては悪くはないのだけれど、分類と簡単な考察で終わってしまっているあたりが、少しいただけない。もう少し、著者独自の視点で切りこんでくれたならば面白かろうにとは思う。ただし、これはどうにも大学の講義ノートを一まとめにした内容らしく、これが二十年近く前に書かれたことと、これを丸々大学の講義で十回ほどを通して行ったのだとしたら、いい講義だなとも感じる。

    現代人にとって、メディアなるものはなくてはならない身近な存在となってしまっているので、社会心理学はその明確な概念や分類、用語に関しては知らなくても、内容自体は実は現代人の常識となってしまっている気がする。マーケティングだとかいう言葉もうまれているけれど、その実態は誰もが知っているレベルであるし、そもそも、現代社会で生きている以上、誰もが一度は大衆を経験しているだろうから、あるいは、大衆的性質から逃れられないから、実感をもってその内容を知ってしまっているあたりが、常識化してしまっている理由なのかもしれない。

    しかし、社会心理学自体は一つの壁にぶつかっている気もする。恐らく、研究することややることはいくらでもあるのだけれど、本質的な部分はもう出揃ってしまっているのではないか?もはや、現象レベルでは、新コンテンツ頼みになってしまっているような気がしないでもない。新コンテンツ、新サービス。しかし、新サービスもサービス自体が新しいというよりは、新コンテンツに載る形のサービスになっていきそうな気がする。そのような意味で、ネットも含めてメディア自体がそのうち、切迫しそうだ。いや、もう、しているのかもしれない。ネットも含めて。

  • 古い故にインターネットに触れられていない以外はいい本であると思う。

  • [ 内容 ]
    ナポレオン、ヒットラーによる情報操作から、投書や広告を利用した最新の情報操作まで、具体的な事例を通して、事実と異なる「事実」がいかにつくられていくのかを見る。

    [ 目次 ]
    ●情報を操作する、情報で操作する
    ●説得の過程
    ●恐怖の訴求
    ●「不安」による操作
    ●洗脳とサブリミナル
    ●情報操作の歴史
    ●政治と情報操作
    ●世論形成の方法
    ●流言のメカニズム
    ●経済情報の操作

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 民主党が勝つ流れだったとはいえ、何故ここまで差がついたのか、という疑問に対する一つの答え。
    報道によって民主党の圧勝が伝えられることで負ける自民党に投票してもしょうがない、ということでさらに民主党に票が流れるというフィードバックループが発生する。

  • 情報操作について良くまとめられた新書。
    一読の価値あり

  • 第1章:情報を操作する、情報で操作する情報(操作とは何か)
    第2章:情報操作の歴史
    第3章:政治と情報操作
    第4章:日常生活に忍び寄る情報操作
    第5章:経済情報の操作
    人民行動党の一党独裁政権であるシンガポールは、基本的にマス・メディアは国家に奉仕する存在であると位置付けている。

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著者プロフィール

川上和久(かわかみかずひさ)
東京都生まれ。東京大学文学部社会心理学科卒業、同大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。東海大学文学部助教授を経て、明治学院大学法学部教授、同学部長、副学長などを歴任。現在は国際医療福祉大学教授。公益財団法人明るい選挙推進協会評議員、東京都明るい選挙推進協議会委員などを務める。専攻は政治心理学、戦略コミュニケーション論。おもな著書に、『情報操作のトリック』(講談社現代新書)、『2大政党制は何をもたらすか』(ソフトバンク新書)など。「Nスタ」(TBS系)コメンテーターなど、テレビ出演も多数。

「2016年 『18歳選挙権ガイドブック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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