秦・始皇帝陵の謎 (講談社現代新書 1232)

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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061492325

作品紹介・あらすじ

始皇帝陵の側近くから今世紀最大の考古学上の大発見となった"兵馬俑"の大地下軍団が発掘された。二千年の眠りから覚めた遺物群が、語りかけるものは何か。歴史の闇に閉ざされた始皇帝と秦王朝の、真実の姿に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • (2006.09.03読了)(2005.04.10購入)
    秦の始皇帝と兵馬俑に関する展覧会が次から次へと開催されるので、ついつい見に行ってしまうのだけれど、たまには本を読んで頭を整理しないと、見たものが定着しない。
    この本は、中国のジャーナリストが書いたので、エピソードが豊富で、実に読みやすい。地図、写真、図版の類も豊富なので分かりやすい。

    兵馬俑の発見につながったのは、1974年春、旱魃のため井戸を掘ろうとしたことによる。
    考古発掘チームによる発掘が始まったのは、1974年7月15日。発掘チームは、ニ、三週間で発掘が終わると思っていた。ニ、三週間過ぎても縁が何処にあるのかわからい状態だったので、縁が何処にあるのかを先に調べることにした。その結果、東西200メートル以上、南北60メートル以上という大きさが試掘によって確認された。
    一号俑坑と名付けられたこの遺跡からは、陶俑と俑馬はあわせて6000体あまり、ほかに木製戦車が数十乗、各種の青銅兵器は数十万点にのぼっている。(52頁)
    兵馬俑の写真を見ると、兵士が列を作っているが列と列の間に土の壁があって、あそこにも兵馬俑が埋まっているのではないかと思うが、あそこは完全な壁だ。
    兵馬俑博物館が建設されることになり、さらに博物館職員用の建物を建てるため、地面を掘ったところ、二号俑坑が発見された。
    二号俑坑にはあわせて89乗の木製戦車と、2000体以上の陶俑、陶馬、さらに数万点の青銅兵器が埋蔵されていた。二号俑坑からは、立式の強弩兵、跪式の強弩兵、騎兵などが出土している。
    博物館職員用の建物を立てる場所をさらに別の場所に決めて掘ったら、1976年5月11日、三号俑坑が発見された。発掘修復の結果、三号俑坑は、古代軍陣の指揮所であることが分かった。
    兵馬俑坑には、焼かれた跡がある。なぜ焼かれたのかには、諸説ある。
    1.項羽の軍隊に焼き討ちされた
    2.葬儀のために焼き払った
    3.羊を放牧していた子供が誤って兵馬俑の地下建築を焼いてしまった(「漢書」)
    兵馬俑の価値は、秦の時代の色んなものがそのまま伝えられていることだ。
    俑坑内の武士、馬の布局は、古代軍陣の整列を再現し、すべて古代兵書の原則に符合している。武器の配列も文献の記載と一致しており、発見された戦車の形態・構造や部品のサイズも、考古学で発見された戦国時代のものと差がなく、秦国の軍陣編制をリアルに図解したかのようになっている。
    1980年には、銅車馬を発見した。銅車馬は、本当の馬と車の二分の一の比率で作られた。

    ☆関連図書
    「世界の歴史(1) 古代文明の発見」貝塚茂樹著、中公文庫、1974.11.10
    「ものがたり史記」陳舜臣著、朝日文庫、1983.07.20
    「項羽と劉邦」上・中・下、司馬遼太郎著、新潮文庫、1984.09.25
    「秦の始皇帝99の謎」渡辺龍策著、PHP文庫、1994.10.17
    「始皇帝の地下帝国」鶴間和幸著、講談社、2001.05.15

    著者 岳 南
    1962年 中国山東省諸城県生まれ
    中国共産党中央機関工作委員会の雑誌「紫光閣」の記者

    (「BOOK」データベースより)amazon
    始皇帝陵の側近くから今世紀最大の考古学上の大発見となった“兵馬俑”の大地下軍団が発掘された。二千年の眠りから覚めた遺物群が、語りかけるものは何か。歴史の闇に閉ざされた始皇帝と秦王朝の、真実の姿に迫る。

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